わたしは異国で死ぬ

  • 集英社 (2024年1月26日発売)
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本 ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784087735260

作品紹介・あらすじ

大勢の平和的抗議者たちが特殊部隊ベルクトに攻撃され、負傷者や死者が出ている。ウクライナは事実上、非常事態となっていた……。

ボストンから来たウクライナ系米国人女性医師、チョルノービリ原発近郊出身の鉱山技術者、かつてFEMENに参加した青い髪の女性活動家、独立広場でピアノを弾く元KGBスパイの老人、そしてジャーナリストたち……。
冬のウクライナ、首都キーウで交錯する、それぞれに過去を抱えた人々の運命。激動の時代を背景に展開する喪失と希望への物語。
史実とフィクションで織りなす、圧巻のデビュー長篇小説。
2022年度ニューヨーク公共図書館若獅子賞受賞作。
(原題 I Will Die in a Foreign Land)

【著者略歴】
カラーニ・ピックハート (Kalani Pickhart) アリゾナ州立大学でクリエイティブ・ライティングの修士号を取得。同大学の生涯学習センター(ヴァージニア・G・パイパー・センター)およびアメリカ合衆国国務省東ヨーロッパ・ユーラシア研究局の特別研究員として奨学金の給付を受ける。長篇デビュー作となる本書で2022年度ニューヨーク公共図書館若獅子賞を受賞。

【訳者略歴】
高山祥子(たかやま・しょうこ) 1960年、東京都生まれ。成城大学文芸学部ヨーロッパ文化学科卒業。翻訳家。訳書にレスリー・M・M・ブルーム『ヒロシマを暴いた男』(集英社)、ジャネット・スケスリン・チャールズ『あの図書館の彼女たち』(東京創元社)、キャサリン・ライアン・ハワード『56日間』(新潮文庫)ほか。

感想・レビュー・書評

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  • カラー二・ピックハート『わたしは異国で死ぬ』を阿部賢一さんが読む 傷だらけの生と語り | レビュー | Book Bang(青春と読書 2024年2月号 掲載)
    https://www.bookbang.jp/review/article/770634

    Author | Kalani Pickhart
    https://www.kalanipickhart.com/

    kalani pickhart(@kalanipickhart) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/kalanipickhart/

    わたしは異国で死ぬ | 集英社 文芸ステーション
    https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/iwilldieinaforeignland/

    わたしは異国で死ぬ/カラーニ・ピックハート/髙山 祥子 | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-773526-0

  • 生まれる国や社会情勢が違えば人生はこんなにも違うのだぞ、と強烈なパンチをくらった。

    読み進めるうちに、だんだん胸が苦しくなった。登場するのは架空の人物だが、ストーリーはウクライナの史実に基づいており、かの地で起きたあらゆる出来事は、あまりにも日本の日常とかけはなれていた。ユーロマイダン革命、クリミア併合、オレンジ革命、チェルノブイリ原発事故。それらを生き延びてきたひとたちの話。

    「ウクライナ人はウクライナのためにウクライナ人と闘う」

    「ウクライナは戦争中だが、世界はまだそれを戦争と呼ばない」

    「いまだに停戦はない、平和はない」

    それらの言葉が、重くのしかかる。二〇二二年にロシアがウクライナに侵攻した直後から、日本では連日のように悲惨なニュースが大々的に報道されるようになった。しかし闘いという火はずっと前から燃えたり消えたり煙がくすぶったりしており、それが今回メラメラと再燃したのだ。

    一体、どれほど多くのひとの心を傷つけたら、ウクライナの闘いは終わりを迎えるのだろう。すでに誰もが大切なひとを失っているというのに。誰もが癒えることのない心痛を抱えているというのに。いまもなお、誰かが誰かの大切なひとを奪っている。彼らは皆、お互いの痛みについてよく知っているはずだ。失う痛みを知っているのだから。なのになぜー

    日本から遠く異国の地であるウクライナで、いまなお闘いつづけているひとたち。彼らの悲劇の一部を報道で知るだけのわたし。ニュースで見聞きする被害や死傷者数に目を背けたくなりつつも、どこか他人事のように感じていた。だが、ウクライナに住むひとびとが、わたしたちと同じように家族と過ごしたり恋をしたり子どもを育てたりしている姿を本書をとおして想像し、とてつもなく強く心がゆさぶられたのだった。

    p375
    二〇一三年の秋、ウクライナ第四代大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチは欧州連合との政治・貿易協定に調印せず、親ロシア的な政策を強めた。これに反対する人々が首都キーウで抗議の声を上げ、独立広場に集まった。いわゆるユーロマイダン、尊厳の革命とも呼ばれるマイダン革命の始まりだ。
    非武装の市民たちに対して特殊部隊ベルクトによる武力行使があり、それに応じて大規模なデモ行進がおこなわれた。約八百年も沈黙していた聖ムィハイール黄金ドーム修道院の鐘が打ち鳴らされて、危急の事態を告げた。
    多くの者が傷つき、病院だけでなく、ホテルや商店、そして聖ムイハイール黄金ドーム修道院にも、数知れない負傷者が運びこまれたー

  • 作者の試みが成功しているとは思えない。

  • ふむ

  • 知らんことばっかりだ。

  • 本を読みつつ映像でドライバーinウクライナを見た。
    ミハイル・シーシキンの文章でユーロ・マイダンの事情を学んでいる。

  • ウクライナという国とその人民が凄絶な歴史を背負わされていることをあらためて思い知らされた。

    創作以前に現実がすでにドラマティック。

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