チェーンギャング・オールスターズ

  • 集英社 (2025年2月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784087735284

作品紹介・あらすじ

資本主義の進む近未来のアメリカで、刑務所の囚人たちに釈放をかけて殺し合わせる「スポーツ」が誕生した。サブスクリプション配信される彼らの死闘とその終わりに、多くの人々が熱狂する……。

『フライデー・ブラック』の著者が、人種差別や消費社会を痛烈に皮肉る、文芸×SF×エンタテインメントの衝撃長篇!
ニューヨーク・タイムズ紙の年間のベスト10に選出された、
全米図書賞最終候補作、アーサー・C・クラーク賞最終候補作。
スティーヴン・キング絶賛!

原題:CHAIN-GANG ALL-STARS

【著者略歴】
Nana Kwame Adjei-Brenyah
ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー
ガーナ移民の両親のもと、アメリカのニューヨーク州スプリング・バレーで育つ。ニューヨーク州立大学オールバニ校を卒業し、その後シラキュース大学でジョージ・ソーンダーズらに学び、MBA(芸術修士)を取得した。
デビュー作の短篇集『フライデー・ブラック』(押野素子訳/駒草出版)はニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリスト入りを果たし、PEN/ジーン・スタイン賞およびウィリアム・サローヤン国際文学賞を受賞した。
また初の長篇小説である本書『チェーンギャング・オールスターズ』は全米図書賞とアーサー・C・クラーク賞の最終候補作に選ばれたほか、2023年ニューヨーク・タイムズ紙の年間のベスト10冊に選出された。
現在はニューヨーク市ブロンクス区在住。
【訳者略歴】
池田真紀子(いけだ・まきこ)
1966年東京生まれ。上智大学卒業。1997年アーヴィン・ウェルシュ『トレインスポッティング』(角川文庫、その後ハヤカワ文庫NV)でBABEL国際翻訳大賞新人賞を、2024年ジョセフ・ノックス『トゥルー・クライム・ストーリー』(新潮文庫)で日本推理作家協会賞翻訳部門を受賞。そのほかジェフリー・デイーヴァーの『ボーン・コレクター』(文文春文庫)をはじめとするリンカーン・ライムシリーズ、チャック・パラニューク『ファイト・クラブ』(ハヤカワ文庫NV)、スティーヴン・キング『トム・ゴードンに恋した少女』(河出文庫)など訳書多数。

感想・レビュー・書評

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  • 囚人たちが刑の軽減を賭けて殺し合う?! 近未来ディストピアSF #チェーンギャング・オールスターズ

    ■あらすじ
    近未来のアメリカ、囚人たちによる殺し合いスポーツが行われていた。勝ち抜くことで刑の軽減や釈放が望めるが、敗北は死に直結する。

    ルーキーの女性ロレッタ・サーウォーはコロシアムに立っていた。相手は強敵、女王メランコリア・ビショップ。女王の圧勝と思われたがサーウォーが勝利を手に入れる。このデスマッチの最果てにはどんな戦いが待ち受けるのか…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    文章が躍動感が凄すぎ! もはや文字が踊ってるんだよなー、ドライブ感もあるし、力強さもある。

    しかも本作はキャラの関係性で読ませる物語なので、会話も心情描写もブスブスと心臓に突き刺さってくるんだよね。もはや読む麻薬です、打ちのめされるかもしれないので注意して読んでください。

    本作は単なるデスゲーム、バトルものではなくて、様々なエンタメ要素を含んでるのです。

    ・グラディエーターのような生き残りバトル
    ・参加者どうしの関係性を描いたリアリティーショー
    ・女子同志の恋愛、友情を描いたシスターフッド
    ・狂った競技に熱狂する社会、差別や不平等問題

    参加者は重罪の囚人たちで、運営するための組織もあって、ルールも決まっている。民衆に大人気であるものの、批判の声もあって、ひとつの社会現象を形成しているってのが面白いすよね。

    当然フィクションではあるのですが、時折 ※注釈 が挟まれるんです。おそらくこれは現実のデータ。まるであり得ない話ではなく、このディストピアがそんなに遠い話ではないという警告のような気がしますね。

    そしてさらに興味深いのは、この競技に参加者同士のリアリティーショーな部分ですよ。むしろ生きるか死ぬかのアクションシーンよりも、このひとりひとりの人間にフォーカスしてるところが読みどころです。

    特に中心的な視点人物であるサーウォーと、その恋人スタックスのやり取りは最初から最後まで目が離せません(ちなみに女性同士です)。チーム内で起こった事件やメンバーの仲間意識も粘り強く書かれていて、かなり読み応えがあるんですよ。

    そして終盤に近付くほどチーム内の緊張感も増していくんですが… ラストは必見、間違いなく手に汗握ると思います!

    ■ぜっさん推しポイント
    本書引用:くたばれアメリカ

    めっちゃくちゃなお話でしたが、本作の後ろ側で透けて見える部分に、現代のアメリカを感じました。

    資本主義が行きつくところ、強く力のある者が全てを決めていき、公平性よりも合理性が優先する。差別や格差はどんどん進み、ついてこられない者が悪となり、淘汰されていくという世界。

    悪夢のようですが、現実でも中らずと雖も遠からずですよね。そして日本も決して笑えないと思いました。

  • ちょっとイマイチだったな。
    酷評する気にはならないけど、褒めるところもない感じ。刑務所の囚人を使って殺し合いの見せ物をさせる設定は、珍しくはないが興味はそそられたので本書を手に取ってみた。デスマッチの設定に力が入りすぎて分かりづらい内容になっただけで、驚かされるような展開が無かったのが残念だった。

    登場人物の心理を深く掘り下げてはいたが、それが非常に退屈だった。むしろ戦いよりこれがメインと言っても差し障りないほど長々と書かれていて、「もう勘弁してくれ」と読みながら何度も感じていました。

    途中で止めるのももったいないかなという思いだけで、なんとか最後まで読み切りました。
    おすすめはしないですね。

  • 近未来。
    刑務所ごとにバトルチームが組まれ、自由を求めて命のやり取り。
    更にそれをサブスク放映、全米屈指の人気番組に。

    単なるバトルアクションではない。
    BLMをこの著者なりのやり方で読ませる。
    読後様々な思いが去来する。

  • バトロワ小説だが、現実にも通じる部分がある。
    自分はどの立場に立つのか。当事者意識は簡単ではない。立場が変われば、視点や感情も全く違って見えてくるだろう。

  • 中途半端なカタルシス。

  • 独自のスタイルの傍注が効いていた。あるときは米国の司法における構造的人種差別の例証、あるときは退場するリンク(デスマッチを強いられる囚人たち)に捧げるレクイエム。

    状況を思えばおよそ似つかわしくない「きらびやか」という言葉が浮かぶようなエンタメ度濃厚な物語の端々からアンセムやスローガンみたいに血で描かれたメッセージがほとばしる。
    愛。尊厳。くたばれアメリカ。

    サーウォーとスタックスはもちろんだけど、いつも歌ってるリンクがいるのもなんか良かったな。全然関係ないけど、コインロッカーベイビーズちょっと思い出しちゃったり。

  • 囚人に殺し合いをさせて、それをリアリティーショーとして消費する社会を描いた作品。フィクションでありながら、誰も目を向けない薄暗い現実を告発しています。読み応えもバッチリでオススメです

  • 死刑囚を戦わせて勝ち残ったら釈放、これをライブ配信して世界中の人が見るというゲームチックなお話し。

    まぁ戦いのルールに、死刑囚をグループで行動させて次の戦闘地に移動するとかの設定を比較的上手に説明している。

    アメリカの近未来という設定なので、人種差別についてしっかり描かれているが、もう少し、犯した罪に対しての思いなどがあればと思った。
    ちょっと物足らなかった。

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著者プロフィール

英米文学翻訳家。訳書にジェフリー・ディーヴァー「リンカーン・ライム」シリーズ、ジョセフ・ノックス『スリープウォーカー』、チャック・パラニューク『ファイト・クラブ』『サバイバー』、ミン・ジン・リー『パチンコ』など。

「2022年 『死が三人を分かつまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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