いちげんさん

  • 集英社
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本棚登録 : 83
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087742435

作品紹介・あらすじ

新井満、石原慎太郎、瀬戸内寂聴、宮本輝、選考委員が全員一致で当選決定!すばる文学賞受賞作。違うが普通、異なっていることが常識。京都。留学生の僕と盲目の女性、京子との官能的恋愛。

感想・レビュー・書評

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  • 最後がキリッとまとまっている。これが書きたくて書き始めたのではないかと感じてしまう。
    爽やかな読後です。

  • 舞さんの卒論題材。

  • 外国人に対して閉鎖的な日本の一番ディープな地域の特異性を書き表した作品

  • 娘が寝たあとの夜中にコツコツと本読みを再開してみた。夫が持ってた本。
    京都の大学で文学を専攻してる留学生の主人公と
    その主人公に「本読み」を依頼する盲目の女の子。
    久しぶりに純文学を読んだ気分。とてもよかった。久しぶりの本読みの一番はじめがこれでよかった

  • 昔立ち読みした本。
    当時はわかかったからなんか官能的・・としか思わなかったけど、読み返すと京都を卒業した外国人の話。自分と重ねてしまう。
    作者がスイス人とは知らなかった。

  • スイス人が日本語で書いた小説。
    なかなか 上手である。 本当に面白く読んだ。たいしたもんである。


    いちげんさんとは京都や花柳界ではなじみの客ではなり振りの客を「いちげんさん」というが、その言葉を日本に溶け込めない自分を表す言葉としてもちいていると思われる。
    そういえば英語でもalien ドイツ語のFremderも 外から来た人 不案内な人の 語感がある。どこの国でも都市化に伴いアウトサイダーとの付き合い方が問われる過程にある。

    いちげんさんでは京都が排他的で特殊だと書かれているが
    この本で書かれているのは他の都市でもにたようなもんだろう。

    日本語の
    よそ者、田舎もん、地方出身者、旅人、どの言葉も地域共同体の活性化をもたらすような感じがしない。民俗学でいうまれびとのような概念がうまれるのは共同体にしっかりした核があるときだけなのだろうか。


    さて、この本での筆者は日本人がステレオタイプなものの見方しかできないと嘆いている。その点でこの本はいいところをついている。
    日本の社会には、当たり前すぎて日本人が気づかず従っている暗黙ルールがたくさんある。

    一方別の見方をすれば、主人公の世の中に対する処し方は 盲目の女性 京子さん以外には受動的である。

    京子さんとは情事を初めてとして、濃密な時間を過ごしているが、日常生活では他の日本人との距離を保っている。男性ともだちも誰も出てこない。

    小説の形式は日本の私小説の伝統にのっとっており、一種のパスティーシュとなっている。多分多くの日本の小説を読んだのだろう。いちげんさんがテーマのような形式をとってりるが、京子さんとの恋愛物語として読んだほうがすっきりする。


    著者は いまも 日本に住んでいるようである。 最新作も読んでみたくなった。

  • 2001年11月30日読了。

  • 「映画になりそうな雰囲気の本だなぁ」と思ったらとっくのとうになってたんですね。なんか狭い世界が面白い(桐切)

  • “遊牧民”のように様々な場所を流浪し、
    今は京都で留学生として暮らす“僕”と盲目の“京子”の恋物語。

    互いに異邦人として周囲から浮き上がる存在。
    直接に触れ合わない部分から、ひっそりと立ち上るエロティシズム。

    するり、と始まって真っ直ぐ終局を迎えていく。
    色香が漂う。

  • 盲目の女性と外国人青年の恋。舞台は京都。設定が既に詩のようだ。読み心地がよすぎて、特に印象に残るものはなかった。「外国人視」されるのをひたすら嫌悪する主人公だが、それによる恩恵だってあるはずだのに専ら嫌がるばかりなのが単純だ。日本語を母国語としない人間が書いたというのが信じられない繊細な描写・美しい表現。すごいねぇ。

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著者プロフィール

1962年、スイス生まれ。1986年、ジュネーブ大学日本語学科を中退して来日、同志社大学文学部国文学専攻に編入。
卒業後、テレビ朝日の記者兼ディレクターとして働く。
1996年、「いちげんさん」ですばる文学賞受賞、芥川賞候補になる。
1998年、テレビ朝日を退社。
現在、日本語で執筆活動を続けるかたわら、若石健康法のリフレクソロジストとして活動中。
著書に『アレグリア』(三島由紀夫賞候補)、『不法愛妻家』、『命の風』、『旅日記』(日本エッセイストクラブ賞受賞)など。

「2016年 『旅立ちの季節』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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