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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784087742435
作品紹介・あらすじ
遊牧民のように京都に漂着し、留学生活を始めた僕は、対面朗読というボランティアを通じて、美しい盲目の女性・京子に出会い、恋に…。格調高くうたう官能的恋愛小説。第20回すばる文学賞受賞作。
みんなの感想まとめ
異文化交流と恋愛が交錯する物語が展開され、特に盲目の日本人女性と外国人留学生の関係が描かれています。対面朗読を通じて芽生える二人の絆は、官能的でありながらも繊細に表現され、読者に強い印象を残します。作...
感想・レビュー・書評
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盲目の日本人女性と外国人留学生の話。ベッドシーンが妙に記憶あり
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人生で最も京都に憧れていた頃に出会った本。何度読み返したかわからない。とはいえここ十年くらいは本棚の奥に押し込まれたままだった。久しぶりに引っ張り出してきたのはドラマの予習で読んだ『TOKYO VICE』で本書のことを懐かしく思い出したから。
放浪生活の末に京都に流れ着いた外国人留学生が京子という盲目の女性と恋に落ちる話。発表時はかなり話題になってよく売れたのではないか。癖のない上品な文体に衒いなく安心して読める内容。有り体に言って唖然とするほど月並みな設定だが「白人(重要)が見事な日本語で書いた古典的な物語」というのでみんな気持ちよく受け入れたのだろう。
それでも、いちばん自分の感性が鋭かった頃に愛読した本だから今読んでもいろんな思いをかき立てられる。何しろこれを読み読み京都の町を逍遥したのだから、語り手の目はわたしの目にもなったのだ。彼の住む男子寮は駒場寮か吉田寮か『ノルウェイの森』の和敬塾みたいだし、京子と訪れるどの寺もどの路地もあの頃のまま目に浮かぶ。三宝飯店の味噌チャンポンと餃子は読むだけでお腹が空いてくる。本当はこういう描写が最も得意な作家ではないか。
ベルリンの壁崩壊の映像を見て目が覚めるとか、京都の町の閉鎖性に気づくとか、凡庸な展開に少しがっかりするのだが要は表現力の問題なのだろう。語り手の焦燥も幻滅も決断もわかるけど、その書き方じゃあありきたりすぎてぐっとこないんだよ、という。
京子が語り手を失望させることはない。最後まで完璧な女性のまま。彼女は京都の、ひいては日本の佳きもの・美しきものを象徴する存在だったのだろう。自分を異質なものとして見ないでいてくれる。なぜなら彼女は見ることができないから。なんとエゴイスティックな話だろう。
若い頃には違和感を持った第三章はヤクザの取材に同行する挿話。ヤクザを追う事件記者の回想録である『TOKYO VICE』を読んだ直後の身には一転して興味深く感じられた。たぶん語り手は闇社会のことなど何一つわかってはいない。アウトローとしての彼らに共感すら抱いてるけど、そんな甘い話ではない。後にTV局に勤めた著者だから実際の取材経験もあるのかもしれない。作中でヤクザをトリックスター的に便利に使う手つきは作者の姿勢を表すもの。なるほどこういう作家なのだなあと頷きつつ読んだ。
作家の後の作品はしばらく追ったがやがて心が離れた。ものの見方が表層的で、固陋な価値観に囚われているように思えて。本書でもありありと感じられるのだが、それを上回って京都への今もやまない憧憬と受け入れられることのなかった悲しみが作中に満ちている。京都への失恋の物語なのだ。何度でも若い頃に立ち返って、当時のままに甘い傷の痛みを読み手の心にも甦らせるのだろう。 -
最後がキリッとまとまっている。これが書きたくて書き始めたのではないかと感じてしまう。
爽やかな読後です。 -
舞さんの卒論題材。
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外国人に対して閉鎖的な日本の一番ディープな地域の特異性を書き表した作品
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娘が寝たあとの夜中にコツコツと本読みを再開してみた。夫が持ってた本。
京都の大学で文学を専攻してる留学生の主人公と
その主人公に「本読み」を依頼する盲目の女の子。
久しぶりに純文学を読んだ気分。とてもよかった。久しぶりの本読みの一番はじめがこれでよかった -
昔立ち読みした本。
当時はわかかったからなんか官能的・・としか思わなかったけど、読み返すと京都を卒業した外国人の話。自分と重ねてしまう。
作者がスイス人とは知らなかった。 -
2001年11月30日読了。
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「映画になりそうな雰囲気の本だなぁ」と思ったらとっくのとうになってたんですね。なんか狭い世界が面白い(桐切)
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“遊牧民”のように様々な場所を流浪し、
今は京都で留学生として暮らす“僕”と盲目の“京子”の恋物語。
互いに異邦人として周囲から浮き上がる存在。
直接に触れ合わない部分から、ひっそりと立ち上るエロティシズム。
するり、と始まって真っ直ぐ終局を迎えていく。
色香が漂う。 -
盲目の女性と外国人青年の恋。舞台は京都。設定が既に詩のようだ。読み心地がよすぎて、特に印象に残るものはなかった。「外国人視」されるのをひたすら嫌悪する主人公だが、それによる恩恵だってあるはずだのに専ら嫌がるばかりなのが単純だ。日本語を母国語としない人間が書いたというのが信じられない繊細な描写・美しい表現。すごいねぇ。
著者プロフィール
デビット・ゾペティの作品
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