光の帝国―常野物語

著者 :
  • 集英社
3.69
  • (103)
  • (125)
  • (215)
  • (11)
  • (2)
  • 本棚登録 :784
  • レビュー :144
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087742923

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 高い知性と能力を有する 消えつつある人々に纏わる10編の短編集。最初の「大きな引き出し」がいちばん良かった かな。こういうストーリーは やはり日本を舞台に据えたら難しい面も出てくるので作者の意図が十分生かされたか否か.....

  • 常野物語。と聞いてなにか暖かくかつもの悲しい気持ちになるのは、わたしがこの本を読んだからだろう。当たり前のことと思うかもしれないが、本を読んだときぜひ感じてほしい。タイトルを最初にみた時と最後に見た時とでは、感じ方がこんなにも違うものかと驚くだろう。

    この物語は、短編だが、それぞれの物語、主人公たちが、絶妙なバランスで重なっているのだ。だからそれぞれの物語は一つ一つ完結しているのだが、すべて読み終わったときになにか壮大な長編ものを読み終わったような気分になる。
    常野の人々は、みんなユニークな力をもっている。しかし、それを自慢しようとも、利用しようとも思っていない。みな人のためとひっそり生きている。
    その姿勢がまっすぐで、まぶしくてところどころ胸がつまった。
    また、大変興味をひかれたのは、常野の人々の特殊能力の表現のしかただ。「しまう」「うらがえす」「とおみみ」など、普段なにげなくつかっている言葉もあるが、なにかこの言葉たちを単体でつかうと不思議な感じがする。この物語の雰囲気は、この言葉たちがつくっているといっても過言ではない。そのくらい、この物語は、他の物語にない独自の世界をもっているのだ。
    ぜひ、多くの人にこの世界を旅してほしい。

  • 何年も前にこのシリーズは一度読んだことがあり、面白かったということは覚えていたのですが…年を重ね、その頃とは価値観が少し変わっているであろう今読んでも、やっぱり面白かった。

    表題作でもある、光の帝国が一番好きです。哀しいお話ですが、読んでいて本当に、光に溢れた情景が目に浮かびます。そんな雰囲気がとても好きです。

  • 常野という不思議な力を持った一族の話。
    短編集なので読みやすい。

    カフェで読んでたから1人泣きそうになってヤバかった。特に光の帝国と黒の塔。

    この名前さっき出てたなぁとかあって、
    前の話を見返しながら進んで行くから読み終わるのに時間がかかった。
    続編も作りやすそうだし、アニメ化や映画化しても面白そう。

  • 特別な力を持つという、常野一族のお話。短編連作なのだが、ひとつひとつの話がよいだけではなく、全てを通して一冊読み終えた時の読後感がなんとも言えない。恩田陸さんの本はあまり読んだことがなかったが、言葉がすとんと自分の中に入ってくる感じでとても読みやすかった。
    様々な場所に散らばっていた常野一族が集まってきているが、その先にどんな物語が続くのだろうか。ぜひ続編も読んでみたい。

  • 連作短編集。
    常野一族がどんな活躍をするのか、続きが楽しみ。
    読後感が良かった。

  • ネットで知り合ったangieさんに教えていただいた本です。
    恩田陸さんの作品には幾つかの傾向があるようで、私も読みやすいものとちょっと難しいもの、なかなか中に入っていけないものがあります。
    常野物語は、とても読みやすい作品に入ります。

    ひどく懐かしい感じのする短編集でした。
    不思議な能力を持つ種(というのが良いのかどうかわかりませんが)の様々なエピソードです。
    彼らもどうやら人間の一種ではあるようだし、特に血族というわけではないようだ。だから一族という風に括ることも出来ないと思うのだけれど、普通の人に害を与える訳でもないし、何かを求める訳でもない。きっとただ自然にそこに在るのだろう。
    彼ら常野の能力は一律ではないようで、限りなく知識を蓄積できたり、遠くのことが見えたり聞こえたり、あるいはポーの一族(萩尾望都)のように、長命で多くの時代に痕跡を残した人物がいたり、空を飛べたりするらしい。
    優しい気持ちで読めるのは、彼らがその能力故に悩んだり争ったり対立したりせずに、ただ淡々とそこに在る、そのことを特殊だとも思わず、哀しんだりもせずそういうものだとして生活しているせいだろう。
    もちろん、いろいろと悲しいことに遭遇している人たちもいる。けれど、種の中で労りあい、見守りながらゆったりと自然に任せている。そういう人たちが自分で立ち直る力を育てるまで、余計な手出しはしないのだ。
    幾つかの短編の中で、同じ人物が描かれていたり、兄弟が登場していたりという連鎖もあるし、ちょっと系統が違うのかな?と思えるような話もある。
    だがどれもが、もっと読みたい、と思う話ばかりである。このシリーズはまだ何冊か出ているようなので、楽しみが増えました。
    angieさんありがとうございました!

    ところで、彼らのことではなくて、実際にこういう一族っているんじゃないかと思いませんか?もしくは私たちがかつてそういう一族だったのか…。
    どんな力があるとかは全くわかりませんけど、居るような気がするんですけどね。今はどうかわかりませんが、きっと昔(どのくらい昔だろう)は普通にいたんじゃないかと思うのですけど。
    妖怪譚とか、奇談とかには事欠かないでしょう?それにこういう一族の話ってヴァリエーションいろいろあるけど、なんとなく似てるし、妙に懐かしい感じがするんですよね。
    妄想です…、きっと。だけど、もしかしたら………。

  • 常野一族に関わる短編集。
    超能力集団とは少し趣が異なり、太古から続く神話的な香りがする。現代社会にどう適応するのだろうか興味が湧いてくる。

  • 少し不思議な力を持った常野の人達の短編集。引き出しにしまったり、裏返したり、少し先が見えたり、見えないものが見えたり。なのに権力を欲するわけでもなく、静かにただ人目につかないよう平和に過ごす事を望んでいる一族達でした。全体としてふんわりとした不思議な雰囲気に満ちた作品でした。ファンタジーなのに、何となく気持ちがほっこりする不思議。どんどん読めてしまいました。黒い塔が一番好きだったかな。ツル先生がとても素敵。そのツル先生の元へ帰国するシーンがとても印象的でした。

  • 不思議な能力を持つ一族”常野”と、その一族に関わる人たちの短編集。一つ一つ話が短いがその一つ一つに深く引き込まれる。一つ目のお話は少し切ないがしかし穏やかな、ほっこりするようなお話だった。そこから様々な時代の様々な境遇の常野がつながってゆく。時には涙が出るような切ない”常野物語”も。壮大であるがどこか身近な物語が、この物語に引き込まれる理由だろうか、と思った。
    はっきりと真相や先を明らかにされてないところがいくつかあり、是非続編が出ることを期待している。

全144件中 1 - 10件を表示

光の帝国―常野物語のその他の作品

恩田陸の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

光の帝国―常野物語に関連する談話室の質問

光の帝国―常野物語を本棚に登録しているひと

ツイートする