呉・三国志 長江燃ゆ 夷陵の巻/北伐の巻 (4)

  • 集英社 (2001年4月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784087743401

感想・レビュー・書評

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  • 関羽の死から蜀は傾いていったように思う。
    どうしても関羽の仇を取りたい劉備とそれを必死で止める諸葛亮。
    結局関羽の弔い合戦を決意したことが張飛の命を奪い、それだけの犠牲を払った戦いに敗北した劉備は病に倒れる。

    そもそも国を統治するものとして、私情のための戦ってどうなのよ?
    戦わなければならないときには、「民を巻き込むのは…」とか言って二の足を踏んで、被害を拡大させてたくせに。
    そういうところが私が劉備を好きになれない理由。

    そして、劉備の死後の孔明もまた、いかにもさえないと思うのだけど。
    先頭に立って南征に出発するけれども、もともと彼は文官のはず。
    なぜ趙雲を使わなかったのか?

    人材がいないと言われる蜀だけど、人材を育てている気配がない。
    孔明って自分が動くときも、誰かを動かすときも、周囲にきちんと理由を説明しないんだよね。
    だから馬謖のようなことが起きる。
    孔明に人を見る目がないのもあるだろうけど、そもそも彼はそんなに傑物なのか?
    私的には蜀は趙雲に尽きる。

    呉・三国志なのに、やっぱりここは蜀がメインになってしまうな。
    魏は文帝から明邸に代替わりし、呉も虎視眈々と魏からの独立の機会を狙っているのだけど、どうにも印象が薄い。

    その裏で、魏の諜報機関「青州眼」の頭領となった曹妙は、孫朗への恨みをはらすべく神農三羽烏を探し出す。
    自由に男女の性別を使い分け、超能力を駆使して攻撃してくる異能の彼らは、人間を超えた何か。
    その戦いぶりは『封神演義』か!?

    孫朗にこだわりすぎる曹妙に勝機は感じられないし、人間の歴史を書いているはずのこの小説に神農三羽烏は不要な気がする。
    ただ、『十二国記』を読んだ直後なので、神農の文字についニヤリとしてしまう。

  • だんだんと状況は蜀・呉VS魏へと変わっていく。バトルシーンが最早人外魔境の域に到達したので、苦手な人は読まない方がいいやも。

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著者プロフィール

1936年生。小説家。『五十万年の死角』で江戸川乱歩賞。『傷ついた野獣』など。2004年没。

「2021年 『カチカチ山殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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