白夜行

  • 集英社 (1999年8月5日発売)
4.02
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784087744002

作品紹介・あらすじ

悪の吹きだまりを生きてきた男。理知的な顔だちの裏に、もう一つの顔を持つ女。偽りの昼を生きた二人の人生を、“質屋殺し"を追う老刑事の執念に絡めて描く。ミステリーの枠を広げた一大叙事詩。

みんなの感想まとめ

深い人間ドラマと心理描写が織り交ぜられた物語は、二人の主人公が過去の傷を抱えながら成長していく様子を描いています。特に、彼らの幼少期の経験がどのように彼らを怪物へと変えていったのか、そしてその影響が大...

感想・レビュー・書評

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  • 東野圭吾氏の代表作を、一気読み。

    ワクワクドキドキとは違うのに、先が気になる。

    各章毎に時代がかわり亮司と雪穂のストーリーが交互に詰め込まれ、短編集のような構成。

    後半になるにつれ明らかになる真実。よく練られている。

    大人たちに翻弄された子どもたちが、たいして矯正もされずに大人になってしまうと、怪物に成長してしまったという感じ。

    どんな背景があろうとも、犯罪を犯すと一生日の目をみることはない、社会的にも、心理的にも。まさに白夜行。

    社会的に成功した雪穂の人生も色々なエピソードがつまびらかにされるにつれて、「成功はしているけど、幸せではないだろう」と思えてしまう。

    2人の怪物を作り上げたのが、幼少期の体験や環境によるものだと思うと、愛着の大切さをまざまざと考えさせられる。

    悲しい物語だった。

  •  事件は、大阪は真澄公園の前で、バブル経済崩壊後の煽りを受け建設中断となり今や廃墟と化したビルの中で男性の死体が見つかった。第一発見者は、小学二年生の少年だった。彼は自宅に帰り、母親を通して西布施警察署に通報された。
     そして大阪府警本部に配属されていた刑事笹垣潤三が現場を見聞した。
     物語は、「質屋殺し」が発端に始まった。

    被害者は、桐原洋介 当日銀行から百万円を出金していた。現場は、空調のダクトが張り巡らされ子供達の恰好の迷路遊びの場となっていた。犯人のものと思われる痕跡は、皆無であると思われたし凶器も発見されなかった。
     捜査が進むにつれて数人の容疑者として挙げられたが、何れも決め手が乏しく迷宮入りとなった。その後、十九年間も事件に疑問を抱いていた笹垣は、執念深く捜査を継続し、今や老練の域に達している。
     当初事件の捜査線上に挙げられてなかった男女二人が、この小説の主人公桐原亮介と西本雪穂が浮上することになる。

     この小説は、同著者「幻夜」とよく比較される。幻夜の続編ではないかと思われる方も多々いる。
     確かに幾つかの点で酷似しているのです。
    主人公は、男女二人であり、双方に忌み嫌う過去があること。その過去が暴かれる根拠となる事象は、狡猾で卑劣な手段で身内でさえも排除する等々。

     白夜行と幻夜の女性の主人公は、私たちに昼間は無いと言っていたのは興味深い。

     白夜行を読んで思っていたのは、犯人と目される「二人の心理描写は、何処にも書いていない」。唯一語ったのは、桐原亮介の『昼間に歩きたい』だろうか?
     決定的に違う点は、「白夜行」の中に書かれていた「相利共生」で、「幻夜」では私利私欲のため、雅也は美冬に魂を奪われた。

     最後に、東野作品の長編小説を二回読了しても尚おおっと呻った。しかし、どちらが優れているか?ふと想うと甲乙つけ難い。何故なら、これは著者(サンタ)から読者へのプレゼントだから…。
      実におもしろい!

  • 5cmはあるであろう大きく重いこの本を毎日持ち歩いて暇さえあれば読んでいた。
    それほど夢中になった思い出の本。
    ただ内容が一切思い出せない…
    近いうちにまた読みたい。

  • 長い小説を読んだことなかったけど、最後まで飽きずにずっと楽しかった。
    いくつかのストーリーが並列して進んでいて、起こっている内容はわかるけど、それの意味がわからないまま進んでいった。ただ、それぞれのストーリー自体が面白く、さらに、最後に一気に繋がったときは衝撃だった。
    犯罪の裏社会ってこんな感じなのかなと思わされる本でもあった。世の中の犯罪の中には、それの動機となるものがどこかで起こっていて、その連鎖で犯罪が起こり続けていることもあるのだなと感じた。最後の亮司と雪穂には同情し、悲しくなった。
    結末を知った状態で、伏線などに注目しながらもう一度読みたい、とても素晴らしい作品。

  • 東野圭吾作品の中では、個人的にはNo.1の作品です。光と影。自由奔放な女性と陰ながら支え続ける男性。本当に光り輝かせてた太陽は誰だったのか。
    随分前に読んだので記憶は朧気ではあるけれど、果たして人の幸せとは。

  • 長さを感じさせず、一気に読める。

  • もちろん再読です。というか、もう何回読んだか思い出せないくらいです。最初に読んだのは発売された、1999年。22年経ってるんですね・・。読んだ方ならお分かりのとおり、この時期に読み返したくなるのです。とても怖くて、だけど、とても悲しいお話です。

    東野圭吾さんの作品は、文庫待ちしてる少し(おそらく1作品)を除き、全部読んでいます。東野さんご本人に言ったら不本意なのかもしれませんが、やっぱりやっぱり、いまだにこの作品は一番だと私は思うのです!間違いなく傑作です‼︎(もちろん好きな作品はいっぱいありますが)

    有名な作品ですが、もちろん未読の方もいらっしゃると思うので、以下、ネタバレっぽい部分あるかと思います。ご注意を。

    大阪でのある殺人事件から物語は始まり、完全な解決を見ないまま、月日が流れます。章が変わるたびに、新たな登場人物や、まったく関係ないような話になりながら、読者はあれ??と思いながら、少しずつのヒントも見つけつつ、じわじわと怖い気持ちで読み進め、止まらなくなるのです。
    今回も一気読み。結局、面白い作品は、すぐその世界に没頭してしまうのです。

    この話の何が凄いかって、私が一番に思うことは、桐原亮司と唐沢雪穂(とりあえずこの苗字で)が直接会っているシーンは1つたりとも描かれていない、ということ。すべて私たち読者含め、誰かの伝聞や、想像の中でしか二人は一緒にいないのです。(このあたりが、私自身はTVドラマはイマイチでした。青春編という感じで見せ過ぎ)

    だけど、読んでいくと分かる、じわじわと分かっていく、繋がっている…ということ。その強さと共に恐ろしいのは、『人をコントロールする』ということの巧みさと容赦なさ。ああ…怖くて悲しい。ラストに向けて、題名の意味が胸に沁みます。

    何度読んでも面白く発見があります。最初に読んだ時は、ひたすらビックリして、繰り返し読み、また自分も歳を重ねていくと、違った感想もでてきます。
    こんな風に生きる以外、自分達を守れなかったのか、一つの秘密は、より大きな秘密で包んでいくしかなかったのか…。
    人は自分が騙されたとも気付かずに、運命だと思って生きていってしまう…もしかしたら、自分自身も気付かないまま、誰かに操られていることもあったのかしら?などと考えてしまうほど、夢中で読めるミステリーです‼︎

    また、いつか読み返すだろうなあ〜と思ってページを閉じたのでした。

  • 圧巻
    長編やのにどんどん引き込まれて一気に読んだ

    伏線がすごい
    雪穂みたいな、深く関わった人にしか分からない邪悪さ持ってる人の心当たりがあって分かる。。ってなった
    一成が最後まで惑わされずにほんま良かった

    高宮が雪穂との結婚を迷ってた時が個人的にアツかった

    桐原と雪穂の直接のやりとり描写がないのがすごい
    桐原が脳内イメージでは霜降りの粗品やった

    最近の時代設定やったらここまで迷宮にできなかった事件ばっかり
    桐原が確か「使えるもん武器にして使うだけや」みたいなこと言ってたのが雪穂の周りのレイプ事件とかに繋がってた?
    レイプして魂を奪って相手を潰すやり方がえぐすぎた

    他の考察ではもっと2人の共依存的な話でまとまってるけど私的には悪女に翻弄される周りの話やった

    とにかく面白い

  • とても長いですが、中だるみは一切ありませんでした。
    イヤミスに分類されると思いますが、伏線が張り巡らされており、時代が進むと謎が少しずつ解明していきます。
    読了後は、ぜひネタバレサイトで復習されることをお勧めします。

  • ドラマでは主人公の亮司と雪穂が逃避行というストーリーだったが、原作では二人が一緒にいる描写は一つもない。加えて二人の主観的な描写もない。二人に関わる周囲の語り手の中で、生きていく二人。
    結局真相は明らかにされないが、1つ分かったことは「女って恐ろしい」。

  • 罪と罰。
    罪を犯す事でしか愛する者を守れない愛がある。
    それが間違ってても。

    • Meyesさん
      愛することが、罪だった。

      会えないことが罰だった。

      太陽の下をただ二人で手を繋いで歩くことが全てだった。

      こんなにも切なく心に残る本は...
      愛することが、罪だった。

      会えないことが罰だった。

      太陽の下をただ二人で手を繋いで歩くことが全てだった。

      こんなにも切なく心に残る本は二度とない一冊です。
      2021/05/02
  • 運命に翻弄された
    雪穂、亮司
    誰が被害者で加害者なのか?
    ほんの少しの掛け違いで運命は変わるのか
    至る所に伏線が仕掛けられている。
    夢中に成って読んでしまった。

  • 構成がすごいというか…面白かったです…。

  • 雪帆と亮司はどんな絆があったんだろうとか、どういう経緯で犯罪をいくつも重ねてきたのかとか、詳しく書かれていないからこそ自分の中で想像して心が苦しくなる。 想像がいくらでもできる形態だからもう一度読んでみたいとも思った。

  • 私が小説にはまる切っ掛けとなった本です。
    とにかく良いです。読了後、なかなか本の世界から抜けれずに、深く深く浸ってしまいました。またこの読後感を味わいたくて、いろいろな本を読みました。おかげで面白い作品にたくさん出会うことが出来ましたが、まだこの作品を越える様な深い読後感には出会えていません。

  • 離島の古民家の本棚にありました。雨の日に1日で読み終わりました。長い映画をみた気分にさせてもらいました。

  • 何回も読み直している、その都度はまって一気に読む。

    初めて読んだときは、誰かに仕掛けられてたらどうしようって、トイレにいくのが怖くなった笑

  • 長編小説、そして暗い部分が多く出てくる話なのに飽きたりすることなく、一気に読んだ。

    亮司、雪穂、笹垣の三人を中心にストーリーは進んでいくが、この三人が交わることは無い。

    全てが登場人物の推測の域を出ないが、裏付ける事象は多い。

    エビとハゼの共生と例えられる関係。

    前向きな共生なら素晴らしいと思うが、過去を守るための後ろ向きな共生なら、一度精算してやり直す方が良いと感じる。

    彼、彼女の人生って何を求めたんだろう。っと不思議な部分もある。

    時代の描写に、その時々の印象的な事件などが出ているため、自分の経験と重ねることができることも読みやすい秘訣かもしれない。

    長い小説なので、読後に小さな達成感を得ることができた。

    達成感以上に感じるモノも多かった。

    すごい本に出会えて良かった。

    作家さんに感謝。

  • 3.4

  • 主人公2人の直接的な接点は描かれないものの2人の周囲にいる人物の行動や心理描写で2人が何をしているのか読者に知らしめる展開に脱帽。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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