薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木

  • 集英社 (2000年4月26日発売)
3.40
  • (87)
  • (121)
  • (372)
  • (36)
  • (6)
本棚登録 : 1325
感想 : 136
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784087744576

作品紹介・あらすじ

ただ待っているだけでも、じっとしているだけでもなく、大切なのは自分の気持ち。女たちは自らの意思で男との関係をつくりだしていく。9人の女のたちの孤独と自由と情熱とため息の物語。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

多様な女性たちの孤独や情熱が描かれた物語は、各々の個性が生き生きと表現されています。陶子や衿の明るさ、れい子やエミ子の複雑さなど、9人の女性がそれぞれの立場で幸福を追い求める姿は、読者に共感を呼び起こ...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 不倫、恋愛関係の拗れがいくつも同時展開される、かつ、登場人物たちの生活や心情があまりにも自分のものとはかけ離れているので、ちょっと読みにくかったです。胃もたれしそうでした。

  • 陶子の図々しい鈍さ、れい子のプライドの高さ、エミ子の不器用さ、衿の真っ直ぐな幼さ、それらがないまぜになって、一人の中にあるんじゃないかな。誰しも。

  • 『薔薇』や『びわ』や『レモン』の木の様に、
    それぞれ立場も性質も違う9人の女の物語。

    登場人物も多いし、場面ごとに視点が
    コロコロ切り替わって忙しないが、その分飽きない。
    読むたびに、個性豊かな女達の違う誰かに共感し
    新しい感想が湧いてくる。

    すこやかな『陶子』や『衿』が幸せそうな姿をみると、
    やっぱり女の最大の武器は『無邪気な明るさ』だよなと思う。
    一見、嫌な女風に描かれている『綾』や『桜子』も必死に、
    幸福を追いかけるさまは、けな気でいじらしい。

    また、食べ物もそれぞれの登場人物を表すのに
    効果的に使われていて、どれも美味しそう。
    愛され妻の象徴のようなチェリーシブースト。
    ホテルの缶スープで作るリゾットの夕食は侘しいのに
    ワインと深夜のお楽しみの夜食達は自由な味がする。

    あたし的江國作品ベスト3。

  • いろんな女性が登場する。姉妹だったり、友人だったり、先輩後輩だったりとつながりはあるのだけれど……。
    こうもまぁ、男のことばっかり考えて生きているわけじゃないと思うのだけれど。
    結婚が気になる年齢ならそんなもんだったか?
    いやー、人それぞれだよな。
    あまりにも恋愛に関する話の展開なのと、それぞれの人物が次々と登場して話が進んでいくので、話の流れが途切れたような感じがして読みにくかった。

  • 私が初めて読んだ、江國香織さんの作品。
    様々な女性の生活、人生がいくつもあり、江國さんの表現と本の空気感が心地良い。はたから見たら狂気的な恋をしている人もいるけど、共感できる部分もあるから不思議。この話に出てくる女性たちが幸せだったと思える人生になるといいな。

    偶然この本を手にとったことで、江國さんの素晴らしさを知ることができたから、出会えてよかったです。

  • "たしかに可愛らしい女だと思う。白い肌も控え目な態度も好感が持てるし、なにより言葉を吸い込むみたいな両目と感受性の近さには幸福になる"

  • 江國香織さんの文章は美しくて、珍しくて、たまらない気持ちになる。いつだって予想できない、でもいっぱいいっぱい頷くことのできるフレーズが癖になって何度でも読み返したくなる。
    彼女のお話に登場する女性はみんなわがままで美しくて、私は読む度いつも少しだけ背伸びをしたくなって、自分が好きなものを見つめ直したくなって、1冊1冊を読み切る毎に魅力的な女性に近付けているようで楽しくて、とっても嬉しい。

    この本に出てくる女性はそれぞれ結婚していたりしていなかったり、恋をしていたりしていなかったり。読んでいて1番頭に残ったのが
    「みんな、いちばん愛したひととはちがう相手と一緒にいるみたい」
    「でも、すぎてしまえばずっと一緒にいた相手をいちばん愛していたと思ってしまうのね、きっと」
    という会話で、いちばん愛した人を手に入れることはきっと難しいのだろうと思う。いちばん愛しているからいちばんたくさんの事を期待してしまうし、いちばん自分をすり減らしてきっと長く一緒には居られないんじゃないかなと感じた。それに人は失ったものを美化してしまって、そばにある美しいものには気付くことが出来ないんだろうなと思う。

  • 20年以上昔に買った本を、何度目なのか分からないくらいの読み直し。それぞれの夫婦の形、恋愛の形、家族の形があって、色々と思い出したり、想像したりしながら、やっぱり江國香織さんの本は、行間の余韻がいいなぁ、と、思いながら、またも心が引っ張られてしまった。

  • 夫婦を軸にした群集劇といった内容ですが、幸せな結婚をしているカップルが全く出てこない点が特徴です。
    終始「お洒落感を演出」しているのが鼻につくなという印象で終わってしまいました。

  • 読むべき時に、読み始めた気がする。

    彼女たちは、彼らは、どうしてこうも強気に、というか、確立して生きられるんだろう。
    敢えて言うなれば、そこだと思う。こんなにきちんと気持ちを放出できるだろうか。

    周囲の友人らに当て嵌めてみたら、何だか面白かった。

    自分の気持ちに正直でありたい。

  • 登場人物が多くて、物語に入り込むまでに時間がかかりました。
    ただ、それぞれがどんな人物か読めてきた後半は凄く面白くて、知らず知らずのうちに惹き付けられて、最後まで一気に読んでしまいました。

    色んな形の愛や恋を描いた作品。愛っていうか、夫婦の形って言った方がいいのかも。
    なにしろ登場人物たちの半分以上が、既婚者だったので。
    結婚した夫婦たちが、それぞれにする恋、そして夫婦間の不思議な関係。

    江國さんは、ほんとに不倫ものが多いですよね……。
    夫婦でお互いに不倫してるとか、ざらにありますもんね。
    ただどちらも家庭の外に恋人がいながらも、夫婦としての関係は必要としているし、壊す気がないんだよね。この作品では、道子と山岸、あと、夫は浮気してないけどそれが顕著なのが、陶子と水沼。
    その関係性が奇妙なんだけど、何だか分かるような気がするのが、江國さんの魅力なのかな、と思った。ただ幸せな結婚ものはあまりないので、結婚に対しての悪いイメージしか湧きません…。

    この作品には女にモテモテの、というか妻がいながら二人の若い子に言い寄られる土屋っていうカメラマンがいるんだけど、そのモテぶりが凄い。妻のれいこは美人で仕事も出来て料理も上手い。そんな妻がいながら衿っていうモデルにはそりゃまあ、熱烈に愛されていて、しかも女の私から見てもメチャクチャいい子。れいこの所で働く桜子っていうアルバイトも、ちょっと粘着質で怖いくらい土屋のこと愛してる。
    ただ私には、土屋の魅力がさっぱり分からなかった……。クズみたいな内面を読んでるからかなぁ…。

    私は陶子が一番好きだな。
    ほわほわしてるようで、自分を守ってくれるべき場所はしっかり確保しながら、情熱的な恋にも手を出す強かさ。刹那的な恋に溺れることなく、遊びは遊び、と割りきれるどこか冷めてるところも。
    ただこんな生き方してたら、ふと自分の人生を虚しく感じそうだなぁ……。
    痛い目みても、やっぱり自分に正直に真っ直ぐ生きたい。

  • 江國香織版、既婚者の『フレンズ』のような笑
    でも結局は、近場で全てを動かしてしまうのが人間なのかも。袖触れ合うも他生の縁。

  • 人から見れば恵まれた結婚生活を送る陶子、その妹で少し風変わりな草子、女性に凡庸な妻らしさを望み自分自身を変える事を望まない夫の水沼。
    陶子の学生時代からの友人で、完璧主義に伴いそれを貫くれいこ、その夫で恋愛が人生を彩ると考えている土屋、れいこの元で働き同じく完璧主義だがまだ子供らしさを感じさせる桜子。
    念願の花屋を成功させたエミ子、その裏で崩壊していったものの象徴のような夫の藤岡。
    陶子の元恋人であり女性を信じられなくなった山岸、その原因の一つでもある道子。
    平凡な結婚生活と息子の育児、そんな全ての日常で悩みを抱えるどこにでもいるような主婦の綾、同じように平凡な生活と職場での日々を繰り返しているその夫の修一。
    三世代に渡る母子家庭で育ったモデルの襟。
    草子の友人であり、四十歳という年齢も考え、色んな事に於いて成功しているもののどこか満たされない麻里江。
    少し登場人物が多すぎるかな?と思い、途中疲れてしまったのが本音でしたが、読み進めるにつれて登場人物人物の誰かに読み手が共感してしまうだろうな…と。
    誰もが自分を幸せである、と思い、思い込み、そしてそれが少しずつ捻じくれていく。
    救いはないのかもしれないけれど、どれも誰にとっても真実で日常。
    後味はあんまり良くないのかもしれない。でも、生きていく事ってこういう事の積み重ねなのかも。
    相変わらず台詞一つ一つにドキッとさせられます。
    江國作品によく出て来る女性の陶子がお気に入りのキャラクターでした。

  • 誰も悪くないような、誰ひとりまともな人がいないような。
    お金には苦労せずに質の高い暮らしをする人々(それについては登場人物達にとっては無意識なことで、日々の生活描写から滲み出る)の話。でも、幸せなのかどうなのか。

    それぞれの登場人物視点で話が進んでいき、その描き分けが見事。
    何故だか好きな物語。何度も読み返してその世界に入ってしまう。

  • 2014/5/9読了

  • 既婚・未婚入り乱れた男女の群像小説。私は江國香織さんの作品をいくつか読んでいるけどどれも好きで、実力があってはずれのない作家さんというイメージが定着していた。そんな私が初めて「好きじゃないな」と思った江國作品になった。
    その理由として、全体に漂うシニカルさだとか曖昧なものは置いておいて、まず登場人物たちのおしゃれを演出するセンスが寒い。聞く音楽は絶対洋楽。すごい金持ちの設定でもないのに、シビラやミュウミュウのワンピース。村上春樹さんの浴槽で孤独を噛み締めながらワインやウイスキーを飲んじゃうとかの寒さは、もうああいう世界観として定着しているので許容できるが、江國さんは共感できる自然な心情描写や柔らかな雰囲気が魅力だと思っているので、いちいち気になってさめてしまった。全体にちりばめられたわざとらしさの数々に、価値観の古さを感じ、すごく昔に書かれたのかな…それなら仕方がないか…と思って発行日を見ると2000年であった。そんなに昔でもない。
    どの登場人物もきれいな書かれ方はしていない(衿だけは例外に思えた)のだけど、個人的に草子やエミ子や綾が共感できて好きだった。陶子の要領のよさ世渡りのうまさというか鈍感力というかは、うらやましくて好きになれなかった。そのぶん印象深くはある。
    女性は、自我も趣味もこだわりもない人のほうが幸せになれるのかもしれない。

    江國さんは癖のない読みやすい文を書く。最近純文学ばかり読んでいるせいか、時々少し物足りなかったりもする。
    とりあえず、今後江國さんを読むときは恋愛色の強くないものを選ぼう。

  • 家にあったので再読。
    本全体の感想としては、登場人物が多すぎて読みづらかった。江國さんが以前Podcastで、それぞれの人の人生を切り取ったものを書きたい的なことをおっしゃっていましたが、そんな感じの作品でした。江國さんの本は好きですが、これはそんなに好きじゃなかったです。

    本当に世の中の夫婦ってこんなに不倫してるのかな。。こんなに不倫のこと書くなら、そういう場面に遭遇してもぐっと堪えて不倫しない人のことも書いてほしかった。

    不倫は文化!って感じでした←

  • 高校生の時に初めて読んでから、何度も読み返してる一冊。初めて読んだとき、明確なオチというか結論が出てなくてびっくりした。だけど「色々な人々の長い人生のほんの一場面を切り取った」小説だからなんだな、と今ならこの構成に納得。人生にはオチも結論もなく、いろいろな感情が混ざり合ってただただ続いてくんだもんね。

    高校生の時から「水沼夫妻みたいにはなりたくない!」って気持ちは変わらない。「私たち幸せでしょ?」って全身でアピールみたいなのが薄ら寒い。水沼も気持ち悪くて無理。でもそういう人っている。あと桜子。女をこじらせちゃったわね。痛すぎる!そして慎一・・・「陶子といる時の自分は本当の自分だ」って、バカでしょ。現実逃避止めて!・・・というか、この本に出てくる男の人ってみんなバカだった気が。マシなのは獣医の先生と草子の彼氏くらいですな。
    大人になると「みんな一番愛した人とは別の人といるみたい」という道子の言葉がすごく感慨深い。ただ、一緒にいない人だから「一番好きだった」と思うんじゃないのかと思う。「一番好きな人」と一緒にいたら、きっとまた別の人を「一番好きだった」って思うんじゃないでしょうか。

    若いころは、マリエ先輩に憧れてて、彼女みたいになりたいってずっと思ってたな。登場人物はみんな「すこし不幸せ」な感じだけど、マリエ先輩だけは満ち足りている気がする。

  • 再読。登場人物に共感するでもなく、とっくに過ぎた年代のストーリーだけど、時々読み返したくなる。
    スノッブなエピソードも、イライラしつつけっこう好き。2013/10/18

  • 登場人物が多く、中盤になるまで、誰が誰だか、ごっちゃになってしまい読みづらかった。
    また、短い間隔で場面展開するので、これも慣れるまでは疲れました。
    江國さんの本は好きな物が多いのですが、これは少し苦手かな。
    読み終わりもあまりスッキリせず、ただただ疲れた。

全129件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

江國 香織(えくに・かおり):1964年東京生まれ。1992年『きらきらひかる』で紫式部文学賞、2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、04年『号泣する準備はできていた』で直木賞、07年『がらくた』で島清恋愛文学賞、10年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文学賞、12年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、15年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞など数々の文学賞を受賞。他の小説作品に『つめたいよるに』『神様のボート』『東京タワー』『抱擁、あるいはライスには塩を』『彼女たちの場合は』『去年の雪』『ひとりでカラカサさしてゆく』『シェニール織とか黄肉のメロンとか』『川のある街』など多数。『絵本を抱えて部屋のすみへ』『いくつもの週末』『雨はコーラをのめない』『旅ドロップ』などのエッセイ集や詩集・童話・翻訳など多彩なジャンルで活躍。 

「2024年 『読んでばっか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

江國香織の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×