- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087744576
作品紹介・あらすじ
この物語の主人公は9人の女性たち。花屋のオーナー、雑誌編集者、モデル、主婦、アルバイト、会社員。その9人がそれぞれに恋したりされたり、結婚したり離婚したり、浮気したりされたり、妊娠したりしなかったり。それはもう、誰にも止められない物語。頬をなでる春の風のように、そっと始まる新しい何か。日常というフィールドに優しく拡がる研ぎ澄まされた恋愛エネルギー小説。
感想・レビュー・書評
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陶子の図々しい鈍さ、れい子のプライドの高さ、エミ子の不器用さ、衿の真っ直ぐな幼さ、それらがないまぜになって、一人の中にあるんじゃないかな。誰しも。
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『薔薇』や『びわ』や『レモン』の木の様に、
それぞれ立場も性質も違う9人の女の物語。
登場人物も多いし、場面ごとに視点が
コロコロ切り替わって忙しないが、その分飽きない。
読むたびに、個性豊かな女達の違う誰かに共感し
新しい感想が湧いてくる。
すこやかな『陶子』や『衿』が幸せそうな姿をみると、
やっぱり女の最大の武器は『無邪気な明るさ』だよなと思う。
一見、嫌な女風に描かれている『綾』や『桜子』も必死に、
幸福を追いかけるさまは、けな気でいじらしい。
また、食べ物もそれぞれの登場人物を表すのに
効果的に使われていて、どれも美味しそう。
愛され妻の象徴のようなチェリーシブースト。
ホテルの缶スープで作るリゾットの夕食は侘しいのに
ワインと深夜のお楽しみの夜食達は自由な味がする。
あたし的江國作品ベスト3。 -
いろんな女性が登場する。姉妹だったり、友人だったり、先輩後輩だったりとつながりはあるのだけれど……。
こうもまぁ、男のことばっかり考えて生きているわけじゃないと思うのだけれど。
結婚が気になる年齢ならそんなもんだったか?
いやー、人それぞれだよな。
あまりにも恋愛に関する話の展開なのと、それぞれの人物が次々と登場して話が進んでいくので、話の流れが途切れたような感じがして読みにくかった。 -
20年以上昔に買った本を、何度目なのか分からないくらいの読み直し。それぞれの夫婦の形、恋愛の形、家族の形があって、色々と思い出したり、想像したりしながら、やっぱり江國香織さんの本は、行間の余韻がいいなぁ、と、思いながら、またも心が引っ張られてしまった。
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読むべき時に、読み始めた気がする。
彼女たちは、彼らは、どうしてこうも強気に、というか、確立して生きられるんだろう。
敢えて言うなれば、そこだと思う。こんなにきちんと気持ちを放出できるだろうか。
周囲の友人らに当て嵌めてみたら、何だか面白かった。
自分の気持ちに正直でありたい。 -
江國香織版、既婚者の『フレンズ』のような笑
でも結局は、近場で全てを動かしてしまうのが人間なのかも。袖触れ合うも他生の縁。