エミリー

著者 :
  • 集英社
3.39
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本棚登録 : 892
感想 : 117
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087745740

作品紹介・あらすじ

乙女の魂を持つ者だけが理解出来る。かつて存在しなかった孤高の恋愛小説集。

感想・レビュー・書評

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  • エミリーは私の憧れの女の子。
    何から何まで、野ばらおじさまは女の子を分かってる。エミリーは全ての女の子の憧れであると思います。

  • 「夢ではないのですね」
    「残念ながら」
    (p73)


    『readymade』『corset』共に素晴らしい。
    しかし表題作は正直微妙。


    しかし、調べたところ、
    2003年、三島由紀夫賞候補作
    とのこと。



    *三島由紀夫賞

    ・2009年
    前田司郎『夏の水の半魚人』(扶桑社)

    ・2008年
    田中慎弥『切れた鎖』(新潮社)

    ・2007年
    佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』(新潮社)

    ・2006年
    古川日出男『LOVE』

    ・2005年
    鹿島田真希『六〇〇〇度の愛』(『新潮』2005年2月)

    ・2004年
    矢作俊彦『ららら科學の子』(文藝春秋、『文學界』連載)

    ・2003年
    舞城王太郎『阿修羅ガール』

    ・2002年
    小野正嗣「にぎやかな湾に背負われた船」(『小説トリッパー』2001年秋号)

    ・2001年
    青山信治『ユリイカ EUREKA』(角川書店)
    中原昌也「あらゆる場所に花束が……』(『新潮』2001年4月号)

    ・2000年
    星野智幸「目覚めよと人魚は歌う」(『新潮』2000年4月号)

    ・1999年
    鈴木清剛『ロックンロールミシン』(河出書房新社)
    堀江敏幸『おぱらばん』(青土社)

    ・1998年
    小林恭二「カブキの日」(『群像』1998年4月号)

    ・1997年
    樋口覚『三絃の誘惑 近代日本精神史覚え書』

    ・1996年
    松浦寿輝『折口信夫論』

    ・1995年
    山本昌代『緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道』

    ・1994年
    笙野頼子『二百回忌』

    ・1993年
    車谷長吉『塩壺の匙』
    福田和也『日本の家郷』

    ・1991年
    佐伯一麦『ア・ルース・ボーイ』

    ・1990年
    久間十義『世紀末鯨鯢記』

    ・1989年
    大岡玲『黄昏のストーム・シーディング』

    ・1988年
    高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』

  • 感想
    二度と訪れない夜。胸に秘めて前に進む。ときどき後ろを振り返りながら。未練がましい訳ではない。大切にできる思い出を持っている人は強い。

  • 美しい文章だなと感じました。現代の話でありながら、どこか懐かしい文体で描かれているのが印象的でした。

  • たった一度きりの番い。たった一度だけの必然。貴方がこの世界に生まれたことを、そして私がこの世界に生まれたことを、私は祝福します。多分、私は貴方と出会う為にこの世に誕生したのです。貴方とこうして番う為に、生命と身体を渡されたのです。生まれてきて、良かった。この残酷な世界に生み落とされたのは、きっと貴方に出逢う為だったのですよね。生まれて初めて、私は自分が生きていることを感謝しました。
    (P.195)


    一生、二人が寄り添いながら生きていく可能性は、著しく少ないでしょう。貴方は前にどんどんと前進し、時に打ちのめされ、何度も敗北を味わう。そうすれば戻ってくればいいのです。この夜に。私もまた、未知なる数々の季節の中を手探りで歩き、転び、修復不可能なくらいに破損し、自らを見失うでしょう。でもその時は、必ず戻ってくるのです。この聖なる夜に。この夜とこの夜の番いは時間軸の外で永遠に存続し、私達の帰りをずっと待っていてくれるのですから。
    P.195)

  • 癖のある言い回しが印象に残った。この人の書く話はみんなこういう口調で展開していくのかなぁ。でもファッションに関するこだわりとか、世界観とか、浮世離れした感じがぴったりあう雰囲気でよかった。ブランド名がばんばん出てくる作品はあまり好きではないけれど、この作品に関してはそれがなければ成り立たないくらいしっくりきていて不快感を感じなかった。
    別の作品も読んでみたいけど、一気に読みすぎると飽きる気もする。
    コルセットが一番好き。

  • 嶽本野ばら:作 集英社 初版

    嶽本作品「ミシン2カサコ」を読んだ時は「?」が頭いっぱいに広がって、
    ついていけてませんでしたが、私にとってこの作品は嶽本氏を飲み込める良い作品だったと思います。

    3篇の短編集。

    「コルセット」
    これを読まなかったら、嶽本作品を次も読んでみようかな。とは思わなかったかもしれません。
    私にも理解できる話があるんだ と。(本質的に理解出来ているか は別として)
    主人公としては、綺麗に終れないし、惨めな一生を送ることになるかもしれないけど、
    とても現実的で、私はこの結末が好きです。

    「エミリー」
    …切ない。
    中学生だからこそ起こる、 心の葛藤 っていうのでしょうか。
    大人になるにつれ、うまくやっていけると思う。たぶん。
    くるくるしいたけ という表現に脱帽です。

  • レディメイドにドキドキして、コルセットにたまらなくなる。
    コルセットが一番好きかも。

    昔はどこか背伸びして野ばらちゃんを読んでたとのだと思う。
    だから当時「世界と終わりという名の雑貨店」を皆が絶賛する中、わたしはミシンの方が好きだったのだ。
    本当に幼さ故の、乙女だったのだ。
    それが今は「世界と終わりという名の雑貨店」に惹かれるのだから、不思議なもんだ。
    乙女から女性にシフトチェンジするのは当たり前の事なのだが。

    エミリーは、何度読んでも辛い。
    それでも「やっていい事とやってはいけない事があるんだよ、クソ野郎。」の台詞を時折思い出す。
    この三作品全て、登場する女子達がとても強いです。

  • 「レデイメイド」「コルセット」「エミリー」の三篇収録。レデイメイドは短いながらもさわやかな余韻が残った。コルセットは看護婦さんと主人公の恋。エミリーが一番お気に入り。苛められているエミリーが一級上の先輩と傷を舐めあうような話。ラブホテル街でお互い脱ぎ会うシーンは少しドキドキした。

  • 生まれてきて良かった。この残酷な世界に産み落とされたのは、きっと貴方に出逢う為だったのですよね…。乙女の魂を持つ者だけが理解できる、かつて存在しなかった孤高の恋愛小説集。書き下ろしを含む3篇を収録。

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著者プロフィール

文 嶽本 野ばら
京都府宇治市出身。作家。
1998 年エッセイ集『それいぬ̶ 正しい乙女になるために』(国書刊行会)を上梓。
2000 年『ミシン』(小学館)で小説家デビュー。
2003 年発表の『下妻物語』が翌年、中島哲也監督で映画化され世界的にヒット。
『エミリー』(集英社)『ロリヰタ。』(新潮社)は三島由紀夫賞候補作。
他の作品に『鱗姫』、『ハピネス』(共に小学館)、『十四歳の遠距離恋愛』(集英社)
『純潔』(新潮社)など。『吉屋信子乙女小説コレクション』(国書刊行会)の監修、
高橋真琴と共書絵本『うろこひめ』(主婦と生活社)を出版するなど少女小説、お姫様をテーマとした作品も多数。

「2021年 『お姫様と名建築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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