カメラマンと犬

  • 集英社 (2002年5月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784087745801

作品紹介・あらすじ

妻と愛人が去って、カメラマンの柊真一郎は犬のハナコと暮らしはじめた。「今夜、女の人と一緒だったでしょう。女の人の匂いが、少なくとも五種類、匂ってきます」。愛犬との奇妙な愛情生活を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 「傷のある部屋」の続編的な。主人公のカメラマン柊、友人の写真家岡崎はひきつがれ。そして生活をともにする雄弁すぎるぐらいに雄弁な犬のハナコ。おそらくサントリーの社長がモデルと思われる人物との邂逅と写真家として立つターニングポイントになったできごと。前の番号の持ち主あての激しく責め立てるような電話、病身の妻と子供たちを捨てて出ていった男をなじる電話に次第に…。アマゾンのど真ん中に立てられたオペラハウスとそこでみたウアクチといういきものとの夢幻の世界。5000枚以上の写真のなかから、ミールが落下した瞬間をとらえたフィルムを選んだ過程。そして離婚した妻が育てる息子が永遠の別れを告げにきた瞬間が語られる連作短編集。厭世的で退廃的なものに心惹かれるのは前作から引き継がれており、ときに美を見抜く力にすぐれた瞬間があることも。マリー・ローランサンの「鎮静剤」や新井満が自由訳した「千の風になって」が引用されていてニヤリとしたところも。またミールが落下するシーンがおさめられたフィルムの発掘のくだりは、もしかしてデビュー作の「サンセットビーチホテル」とつながるはなしか?!と個人的に一瞬色めき立ったが、あちらは隕石、こちららは宇宙ステーションで別の話だった。ウアクチとのやりとり、ホフマン夫妻のおどろくべきエピソード、わたしたちのなかの「わたなべさん」的なもの、といったエピソードは特に印象にのこった。◆「出てこなければいけない理由があるから、出てくるんだよ。たぶんその夢には、君にとってそれくらい重要な情報が隠されているんだろう」p.231◆人間がつくったものとは、人間が見ようとした"夢"のようなものだったかもしれない。それは、人間の勝手な都合でこの世に無理矢理産み落とされたにもかかわらず、再び人間の勝手な都合で情け容赦もなく、捨てられて置きざりにされたのだったp.138

  • まさしく、カメラマンと犬の日常の物語

  • ホントに犬とカメラマンの話だった
    息子が出来すぎ

  • 久しぶりに、閉館間際の図書館であ~の棚から、掴んでみました。
    やったね、当たりでした。タンタンとした文章ですが、とても面白いです。
    この方の、前作 黒い傷のある部屋 もぜったいよみます。

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著者プロフィール

1946年、新潟県生まれ。上智大学法学部卒業。電通入社後、音楽・映像プロデューサーとして活躍。1987年『ヴェクサシオン』で第9回野間文芸新人賞、1988年「尋ね人の時間」で第99回芥川賞受賞。作家活動以外に、作詞・作曲家、写真家、環境ビデオのプロデューサーとしても活躍中。

「2015年 『生きている。ただそれだけで、ありがたい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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