ねじの回転 FEBRUARY MOMENT

著者 :
  • 集英社
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感想 : 193
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087745856

作品紹介・あらすじ

「不一致。再生を中断せよ。」近未来の国連によって、もう一度歴史をなぞることになった2.26事件の首謀者たち。彼らは国連の意図に反して、かつての昭和維新を成功させようとするが。恩田陸渾身の歴史SF大作。

感想・レビュー・書評

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  • 226事件を題材としている。そこにタイムパラドックスを
    取り込み、さらにAIDS(エイズ)ならぬHIDS(未来の病気)を織り交ぜているのだが。
    何度でもタイムパラドックスが出来てしまうと、面白みに欠ける。
    私の所感だか、恩田陸節(独特の発散、読者に委ねる)炸裂なのかもしれない。
    NHK歴史ドキュメンタリードラマ(日露戦争~第2次大戦)を見たことがあるので、世間では知られていない事実をうまく表現しても良かった気がする。

    私だったら、歴史を変えるのではなく、歴史上の人物の印象・謎を変えるかな。よく、なぜか、昔の書簡が出てきたり、科学分析で見方が変わることがあるのだから。

  • 正直SFではないなと思う。歴史物、といわれても疑問。
    全体的にぼんやりとしたファンタジーのお話でしたね。そういう作風なのかな。恩田さん初読。

    SFを期待してもっと、細部の設定を作りこんでるのかと思ったら最後まで肩透かしでした。
    「シンデレラの靴」「足」「王子様の手」「ラスト・ダンス」「聖なる暗殺」「HIDS」……で、結局なんだったの?と思うことが多々。
    タイムトラベルにしたってずいぶん都合のいい展開ばかりで、なんだかなーと。
    重大プロジェクトを任されているはずの国連スタッフも、なんか全員ノリが軽くないか、と。
    そんな大事なプロジェクトのくせにほとんどのメンバーが、話の根幹部分を知らなかったり、「好奇心はギフト」とかわけのわからない理屈で茶々を入れられる始末。
    なぜ、「二・二六事件」が選ばれたのか、最終的にどうしたかったのかもいまいち不明瞭。
    歴史物として書くなら、もうちょっと当時の時代背景とか調べてほしかった。なんか伝わってこない。
    登場人物が少なすぎるから、事件の意味もなんだかぼやけてるし。みんながみんな、いい人で終わってしまってたのが残念。

    終盤のネタばらし、というか物語がすべてつながっていく感じはよかった。
    ラストの出会いも、きっとこれがやりたかったんだろうなあ、と思ったし綺麗にまとまってた。
    だからこそ、別に「二・二六事件を題材にした歴史物SF」にしなくても良かったよね?、と思う。


    文章はうまくて、話もさくさく読めるから一気に読んじゃったけど、なんか最後までぼんやりした話だった。
    この人の作品はもっとこてこてのファンタジーを読んだほうがいいのかな。
    他の作品も読んでみたい。

  • 休日の午後を恩田睦さんの「ねじの回転」を読了して過ごしました。226事件ものと予備知識なしで読んだのですが面白かったです。いわゆるタイム・パラドックスものですね。
    安藤大尉と栗原少尉と石原莞爾大佐が登場…こういう物語でジョーカーのような使い方をされる石原莞爾氏ですが
    作中「本来226事件に関係ないのに未来の意思によって事件に関わらされた」的描き方でしたがあれれ?事件勃発後
    青年将校を一喝したって有名なエピソードがあったよね?
    その辺ちょっと歴史考証的にあやしげなところはあったけど概ね楽しめました。

  • ねじの回転、とはこれまさに。
    恩田陸という作家のらしさがよく出ている、と思った後で、あら恩田さんがらしくない物語なんて書いたことあるかしらと思った。
    史実、歴史上の人物が主要人物として登場するところは珍しいと言えば珍しいけれど。

    1936年2月26日、のちに2・26事件と呼ばれる四日間。兵を率いる安藤と栗原は懐に一つの秘密を抱えていた。
    彼らは二回目の2月26日を生きていた。未来から来た人間たちが手渡した懐中時計の形をした連絡機は、彼らの現実を救うための最後の命綱だった。
    二人の科学者が発見した過去に戻る技術、それを使って世界は過去の最も悲惨な事件をなかった事にした。しかし、ひとつのホロコーストを無くすことで十のホロコーストが生まれることに気づく。それを防ごうとまた過去へ。歴史の改変を繰り返した未来にはある奇病が地球規模で広まった。最初は咳が出始め、寝込み、次の日には老人のような容貌に変わり果て息絶える。これを防ぐには数時毎の薬の摂取が必要となった。しかしこの薬を全人類に行き渡らせる前に人類は死に絶えてしまうだろうと予測されている。そんな行き止まりをどうにか回避するために、国連が立ち上げたプロジェクトがこの歴史を元の通りに再生しなおすことだった。
    過去の再生のために必要なピリオドという役目を任されたのが安藤、栗原、そして軍側の石原だった。彼らはこの後どうなるのかを知りながら破滅の道を歩めと懐中時計を渡されたのだ。
    しかし折角手に入れたこの機会をなんとか活かせないものがと、3人が三様に動き出す。それを監視している国連のプロジェクトチーム内にも思惑は入り乱れて、四日間の再生にあてられたリミットのなかでそれぞれの未来をどうにか掴もうと足掻く。

    最初は事件自体を詳しくは知らず(学校の教科書では確か二行ほどで終わってた気が…)人物たちの動きや、立場がよく分からずなかなか入り込めなかったが、三分の一ほどで持っているはずのない四人目の懐中時計をもつ人間が安藤を襲う場面あたりから先が気になりはじめ、それでも時間が細切れにしか読めない環境が災いして読むのに時間がかかった。ラスト百ページは朝早くに一人起きて一気に読んだ。
    ライオンハートに近い感情になるラストだったと思う。

  • 226事件を舞台に、こんなふうにストーリーが展開するなんて、これこそ奇想天外。早く先が読みたくて仕方がなかった。選ばれた登場人物も、なるほどね。それにしても…石原莞爾って、選ばれるんだなぁ。まさか暗殺とは。「額縁」だから読みやすいのかも。「異界」「境界を越える」これって普遍的なテーマなのね。

  • 全体として陰鬱な空気。ミステリアスなというのでもなく。舞台が日本で戦争前の起点と言われる二・二六事件が舞台。歴史をやり直せるSF 要素があり。事件を見守る未来の人間側は空気感が違うのだけど、歴史を続ける側の兵士一人一人の気持ちとなると、苦しくなる。
    ただし、どちらも好奇心が行動原理になっている。この歴史を変えたらどうなるか。熱がうくまま進んだらどうなるか。それに伴う結果に思いを馳せる前に動いてしまう好奇心。
    人間の原理はそこなのかもと思わせられた一冊。タイムパラドクスは、ちょっと混乱した。

  • ストーリーというか構想が凄い。226事件を勉強したくなったし、色々空想しながら一気に読めた。

  • 小説の中とはいえ、こう何度もタイムマシンが描かれていると、もしかしてもうすぐにでも実現するんじゃね?って気分になってくる。そんな甘くはないんだろうけど。
    今回の旅の目的地は226事件の東京ということで、やや重苦しい空気が漂ってるんだけど、意外となんで226の後に軍部が力を握ったのかとか、ちゃんと説明してもらったの初めてかも。この年になってやっと理解できたわ。他にも石原莞爾ってどんな人なの?てなこととか、調べちゃうのがまた楽しいじゃないか。

  • 歴史物でSF?
    苦手分野でした…

  • ねじの回転―FEBRUARY MOMENT

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著者プロフィール

1964年生まれ。92年『六番目の小夜子』で92年デビュー。『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、『ユージニア』で日本推理作家協会賞、『中庭の出来事』で山本周五郎賞、『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞を受賞。その他『ドミノin上海』『スキマワラシ』『灰の劇場』『薔薇のなかの蛇』など著書多数。

「2021年 『SF読書会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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