リアルワールド

  • 集英社 (2003年2月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784087746198

作品紹介・あらすじ

4人の女子高生、ホリニンナ、ユウザン、テラウチ、キラリン。ホリニンナの隣家の高校生ミミズが母親を殺して逃亡した! 4人はミミズの逃亡を手助けすることに。現代の高校生の心の闇を描く、力作長編。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

現代の高校生の心の闇を描いた物語は、隣家の少年が母親を殺した事件をきっかけに、女子高生たちが直面する葛藤と非日常への憧れを掘り下げています。彼女たちは、突如として巻き込まれた状況に対して、時にはあっさ...

感想・レビュー・書評

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  • 山中十四子…通称トシ。
    クールなテラウチとエキセントリックなユウザン。
    育ちのよいキラリンとしい3人の友人とともに、
    残り少なくなった高校生活を送っている。
    夏休みのある日、隣家の同い年の少年が母親を撲殺した。
    彼がトシの携帯電話と自転車を盗んで逃亡したことから、
    4人の女子高生は事件で巻き込まれてしまう。
    個々に抱える悩みを逃亡少年に照らす彼女達。
    「ヒトから見られる自分」と「本当の自分」のはざまで揺れ動く思春期の心…。

    ここに登場するのは女子高生4人組。
    各章で語り手が次々と変わり、それぞれの胸の内に抱える悩みが明らかになる。
    友達には理解されない、バレていないと必死て隠していたりする。
    しかし、他の章で違う子が語り手になると案外それぞれの友達が
    必死で隠している事やバレていないと思っていることを知っている。
    仲良しグループの様に見せかけながら、それぞれの独白は重く複雑だった。

    自分の高校時代を振り返っても些細な事が恥ずかしくて打ち明けられなかったり、
    素直に悩みを相談できなかったりした。
    今になって思うと、あんな些細な事が何故言えなかったんだろう。
    素直になれなかったんだろうって思えるのに…。
    その頃の友達の関係って、自分の心の脆さもあって、
    本当にガラス細工の様に脆く、危ういものだったんだなぁ。

    誰もが私とも違っているけど、何となく共感できる感じがある。

    大人の様に一人で歩む事はできず、子供のように無邪気になれるわけでもない。
    油断すると足元をすくわれそうな世知辛い世の中から
    懸命に自分を守りながら生きている。
    若さゆえの無謀さ…でも払った代償は大きかったなぁ。

    表紙のイラストが一瞬可愛いんだけど、良く見ると気持ち悪い。

  • 隣の家の母親殺しの高校生殺人犯を噓みたいにあっさりと受け入れる女子高生とその仲間達。現実感がないけど、逆に一周回ってこんな感じがリアルなのかも。
    そもそもリアルな生って一体何なのか?

  • 女子高生達の心の葛藤。

    ある日、隣の家の少年が母親を殺した。
    とっさに嘘を付いてしまった少女、そして巻き込まれ、自ら飛び込んでいく友人たち。

    親を殺したい、いなかったらいいのに、そんな誰もが抱く思いを、実行に移してしまったら。
    非日常に憧れ、実際に日常から外れてしまったら、待っているのは未来のない闇。

    心の奥の闇と、闘う少女たち。
    出口はどこに。

  • 表紙絵がヘンリー・ダーガー。
    なぜ?と思いつつ読んでみたが、関係はなさそう。

    母親殺しの少年と、誘蛾灯のようにそれに惹き付けられる少女たち。
    章ごとに視点が変わり、登場人物たちの思念や哲学が解明される。

    読みづらい。
    口語体なので読みづらい。だけど読みづらいなりに、重要なところが解るという謎仕様。
    ひと夏の思い出。内容があるようであまりない。

  • 桐野夏生さんを読むのは4作目。高校生の女の子たちの後先考えず行動してしまうところに、感情移入はできなかった。特にテラウチの哲学的な考え方は難しくてよくわからなかった。
    良かった!とは思えないが、大人でも子どもでもない多感な年頃の危うさを感じた。我が子がこんなことになったらどうしようと不安になる作品だった。

  • くらくらした。 この怒りと悲しみは高校生特有なのかもしれない。わたしはこのタイプではなかったけど、大学生になってからそんな感じだった人たちの思い出話をぽつりぽつりと聞かされたから、こういう感じだったのかなって。
    物語はリアルじゃないけど気持ち悪いエネルギーはリアルっぽいんだ。テラウチが学んだばかりの熟語を使いまくったり、ミミズがほんとうにダサい男だったり、キラリンが男レベルを判定してそれに元カレのあの感じとか。
    テラウチが著者に1番近い気がするな。文学好きの女の子の共通点をたっぷり備えているから。

    人が死ぬと自分のせいだと思う現象は名前あるんでしょうかね。

  • リアルから程遠いリアルと思ってしまったのは、読んだのが年取ってからなのか。
    高校時代とかに読んでいたら、少しは理解でき…ないような…。
    ひとりの少年の犯罪を通じて、少女たちの本質が晒されていく。にしても代償はでかいなぁ。

  • 「リアル」に帳尻合わせることのできない未熟なガキの話

  • 隣家で起きた男子高校生による母親殺し。
    隣に住む女子高生が、小さなキッカケで巻き込まれ、そのキッカケから女子高生の友人3人も巻き込まれていく。

    コギャルとか一昔前の設定の話だけど、違和感なく読めた。若い世代の友人関係は今も、そのまた昔も大差がなさそう。
    広い視点で見ると人間の成長過程とはそういうものかと納得しそうになるが、どちらも平和な場所を生きている証左なのかもしれない。

  • ドロドロしてるわけでもないが、若気の至りとはこんな感じなのか。。。
    4人の女子高生もミミズも単略的すぎる。。。

  • 母殺しの男子高校生と四人の女子高校の心の闇が凄かった
    面白く一気に読みです

  • 母親を殺した男子高校生と4人の女子高生たちの話。
    普段は仲良くしているはずの女子高生たち。
    でも、緊急事態になるとそれぞれの個性がぐっと出てきてなかなか面白い。
    最後が慌ただしく終わってしまっているので、もう少し書き込んで欲しかった。

  • あまり響かなかった

  • ひさしぶりの桐野さん。高校生の話なんでおもしろいかなぁと思ってたけど、読んだら彼らの心の闇がリアルに描かれてよかったかな。

  • □内容
    山中十四子、通称トシ。クールなテラウチと、エキセントリックなユウザン、育ちのよいキラリンという3人の友人とともに、残り少なくなった高校生活を送っている。夏休みのある日、隣家の同い年の少年が母親を撲殺した。彼がトシの携帯電話と自転車を盗んで逃亡したことから、4人の女子高生は事件に巻き込まれてしまう。警察や大人たちに真実を話せず、個々に抱える悩みを逃亡少年に照らす彼女たち。「ヒトから見られる自分」と「本当の自分」のはざまで揺れ動く思春期の心が、章ごとに語り部を変えるスタイルでつづられている。 (amazonより)

    □感想
    最近、小学校高学年や中学生向けに『はじめての文学』という単行本が発行されていることを知りました。名だたる作家達の中に、桐野夏生が。「おいおい、ちょっと待てよ」と。
    女の情念やしたたかさ、エグさを書くことに定評のある作家ですが、個人的には「物事の過程」を丁寧に描写する作家だと思います。それ故に、登場人物の狂いぶりとかが際立っていくんだろうな。
    『はじめての文学』には序章の「ホリニンナ」が収録されている。それ以降は子どもに見せることが憚られるような内容です。初めて読んだのは高校生の頃。登場人物一人ひとりに、何かしらの共感を得ながら読み進めていった記憶があります。次に読んだのは大学生の中頃くらい。達観しているような印象のあったテラウチが、また違った印象で捉えられたことを覚えています。今読むと、なぜ彼や彼女はこんな行動をしたのか、と考えてみたくなる。
    できれば『東京島』ではなくこちらを映画化して欲しかった。まあ、好きな作品が映画になるとそれはそれでがっかりしたりもしますが。

    (たけい)

  • 隣の家の「ミミズ」が母親を殺して、主人公の自転車と携帯を盗んで逃走した。
    現実世界のほつれに直面して、恐怖よりも戸惑いに近い、どこか浮足立った感情が主人公や主人公の友達に広がる。
    ホリニンナ、キラリン、テラウチ、ミミズ、それぞれの視点からほつれた現実世界が描かれている。

    ひとつの事件を巡って様々な角度から描く作品はよくあるけど、この作品は視点が変わると本当に違う世界が見えてくる。
    母親を殺して逃げたミミズ視点からの描写が圧巻だったんだけど、個人的な事情もあり、テラウチの世界が読んでいてつらかった。「取り返しのつかなさ」がそういう部分にあるのならば、私の人生は取り返しのつかないことだらけだ。

  • 女子高生と親殺しの男子高校生が主人公、5人みんなが主人公である小説。

    するするっと読めるけれども、読後、自分の人生と他人の人生に対する責任、人と人がお互いに影響し合い、他人の人生も自分の人生も変えていくことについてしばし考えてしまった。
    若いから、「あんたのせいでこんなことになった」と言える。でも、自分でもそんなことはない、自分が悪かったんだ、って思ってしまう。
    大人になるっていうのは、他人を責めずに自分のなかにものごとの原因を求めることなのかなとも思った。
    だから、17歳のテラウチは、その重さに耐えきれずに自殺する。母親を殺した少年は、自分の人生の責任を母親に負わせた。
    でも、テラウチは、心の中で母親に捨てられたことを認識して、その母親への愛も葬ろうとしてた。それは、彼女のなかでは確かに殺人だった。これは生き地獄だなー。愛する対象を失いながらも、その対象は自分の人生を生きてるわけで。すごく共感できる。
    若い時って、愛されたい愛されたいって気持ちがすごく強いんだよね。若いときは気がつかないんだけど・・・若いときのこの渇望が満たされなかったら、あとあと苦労すんだよなぁ。

    17歳、まだ子供であっていいのだから、他人(または家族)を責めて非難させてあげてもいいんじゃないかなと・・・世の中は逆の方向に向かってるようだけど。

    とまあ、いろいろ考えた青春小説だった。
    こういう本も書ける桐野さん、やっぱすごい。

  • 桐野夏生はじめました。「女性のドロドロっぷりを描いている」と聞いて。でもこの作品は
    違う要素の作品。
    女子高生の仲良し4人組が、同年代の殺人犯と個別で関わるうちにそれぞれの本質が明らかに
    なっていく・・というお話。
    高校生というのは微妙な年頃ゆえに、4人それぞれが独自の価値観や過去を持つ(この4人は
    3人はすごくワケアリ。)と描かれる。そのため、最後には全員がそれぞれの結果を迎える・・わけでもないか。
    でも二人は死亡する。その過程を分析しようと思うと、一度読んだだけでは足りない。

    ポイントは、小説自体が章ごとに別のキャラの視点で進む(こういう小説よく見るなぁ)ところと
    少年少女の年齢相応の考え方・心情がよく描かれているところかと思う。
    タイトルの「リアルワールド」って、物語中でそれっぽいキーワードが何度も出てくるけど、
    それを解釈し切るのは難しい気がする。では日常が「偽りの世界」とでも言っているんだろうか?

  • ひとつの事件の犯人に、興味から自ら関わっていった女子高生たち。それぞれの視点で展開が描かれてます。女子高生たちがそれぞれに抱える悩みはわりとよくあることで…だからこそ、なんでこんなことになるのかなぁ?と、気持ち悪い感じもしました。が、それでページをめくる手が止まるわけではなくて。読みやすさもあり一気読みしました。

  • 登場人物全員が同等にストーリーに参加し、多数の観点からストーリーを展開した割には、丁寧に感情を描いている人物と、そうでない人物の差が激しかったように思う。そこまで重要でなかった人物に焦点を当て、話をまとめようとしても、感情移入することなく、ふーん…と客観的に読んで終わってしまった。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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