第三の時効

  • 集英社 (2003年2月5日発売)
3.81
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784087746303

作品紹介・あらすじ

F県警捜査第一課が遭遇する難事件の数数。あやふやなアリバイこそが実は鉄壁のアリバイになりうるという、容疑者の仕掛けた狡猾な罠に挑む「沈黙のアリバイ」等、警察小説の白眉!

感想・レビュー・書評

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  • 警察小説繋がりで、横山氏の小説を読んだ。

    この作品が上梓されたのは、2003年なので、2010年4月の法改正で殺人事件の公訴時効は廃止されており、法定刑が死刑である犯罪には時効が適用されません。よって警察が認定する殺人事件は時の経過に関わらず捜査を続行し起訴が出来ることになりました。

     その点で、時代遅れの感は否めないが、法改正前の事件であっても、時効制度に隠された盲点を考慮した上で面白い。

     物語は、警察署内で起きる人間模様と未解決事件の捜査をめぐる緻密な心理描写が際立つ六話の短編集です。

     単純な推理小説ではなく、登場人物の心理的な描写が素晴らしく、事件の緊迫感を感じるところが魅力的です。

    小説のタイトルにもなった「第三の時効」とは何か?
    時効は一つではなく、容疑者と捜査班の駆け引きが巧妙で、「何故そこで完落ち!」と思わず呻ってしまった。ニコポンびっくり!
     警察官という職務の重責は今も昔も変わらない。
     読書は楽しい。

  • 2003年初版。著者の作品は数冊読んでいます。この作品は、これぞ警察小説と言ってよいように感じます。3人の個性的な強行犯係班長の事件へのアプローチの仕方が、ワクワクします。私の同僚に強行犯係の刑事だった方がいて、警察内の縄張り意識などを聴くと、さらに作品に現実感を感じています。もちろん犯罪を憎み犯人を検挙することに執念を燃やす男たちの息づかいを強く感じられます。さらなるシリーズが出ることを強く望みます。

  • 押しの推理小説でよく見かけるので、気になって読んでみました。
    これぞ警察小説、という短編集で、警察官の地道な捜査とヒラメキ、プライドが満載でした。

  • F県警捜査一課強行犯係
    個性的な班長が率いる三つの班
    一班の朽木班長の操作手法はスタンダードな理詰め型
    二班のの楠見班長は、搦手型・謀略型
    三班の村瀬は閃き型・天才型

    その班長の下の捜査員も班長の個性を反映しているようなプロ集団、捜査員の人柄の描写もおもしろいし、
    事件にアプローチする方向も違って興味深い

    事件を解決するのに、他の班に手柄を取られてたまるか
    的な強い縄張り意識で大丈夫なのかと心配なるほどだ
    しかし、強行班全員に共通していることは犯罪を憎む気持ち、一刻も早く犯人を挙げるという強い意志

    我先に、何が何でも我が班が!の気持ちがあるからこそ
    事件解決に向けての歯車が動き出すのだろう

    他班の定年退職する老刑事に手柄を立てさせてやりたいと画策したり、自分たちのとっておきのネタを流し情をチラッとのぞかせる「笑わない朽木」班長に、ニンマリ私が笑ってしまった


  • 登場人物を把握するのに少し苦戦したのと、文章が自分にはややこしくて、戻って読み直したりしたけど、ストーリーは面白くて楽しめた
    シリーズ物なら他のもの読みたいけどあるのかな?

  • いつも読みやすい横山秀夫さん。
    F県警の3つの強行班の短編。読み始めてから〜あ!再読だ!ってすぐ思ったけど、2回めでも楽しかった。
    こんな捜査ってするのかな?と思いつつも楽しめる。最終話の「モノクロームの反転」はドラマにもなっていたように思うけど。
    何回読んでも楽しいのは、いつでも楽しい。

  • 複数の事件を同時進行で語っていたり、違う部署の人間同士の思惑が絡み合っていたりと、わりに複雑な状況が描かれているはずなのだが、こ難しさがほとんどなく、どの短編もすっきりとまとまっていて読みやすい。
    どんでん返し、人間心理の虚をついたアリバイ工作等、なるほどと思わされる仕掛けがあり、それに対して刑事たちが無茶をしてでも取り締まっていく様子もそそられた。刑事たちの生々しい人間関係、上下関係、対立関係も話に幅を持たせる要因となっている。一応刑事たちが探偵の役割を担っているけれど、華麗な解決を示すということはほとんどなく、ずる賢い犯罪者を「力業」で「強引」につるし上げるってのが本書の醍醐味だと思う。乱暴で汚くて崇高で、そこが良い。

  • 県警同士の縄張り争い、同じ課内の班同士の手柄争い。
    カマをかけた捜査や取り調べ。
    これは小説だからとても面白い。

    ただ、同時進行でノンフィクションの未解決事件・冤罪がらみものを読み始めてしまったので、複雑な心境である。

    しかも横山秀夫氏は、経歴から、本物の警察組織の闇の部分を充分ご存知で数々の作品を書いていると思われるので、実社会でもこうなのかもしれないと思わされてしまう。

    悪い部分だけではなく、刑事達の鋭い視点や熱い思いや高い捜査能力や一生懸命さは、リアルであって欲しいとも願う。

    とにかく、あくまでも小説として考えた上で、面白い。

  • 横山作品全盛時でふね。
    短編集ですので、一気読みでふ。

  • 硬派な警察モノは、今までちょっと敬遠していたんですが、こんなに楽しめるとは思ってもみませんでした。

    捜査一課の3人の班長がそれぞれ全然タイプの違う男なので、どの班が担当するかで事件の雰囲気が全然変わってきます・・・そこがとてもおもしろかった!

  • F県捜査一課、三班の連作短編集。
    どれも堅実な展開で面白いです。完成度の高いミステリと、課内の男たちの人間関係の両方を楽しめます。

    班長がみんな、タイプの違うクールなおっさん。
    超切れ者で笑わない朽木、女性嫌いでややSの楠見、人情味あるけど怖い村瀬。
    朽木率いる一班が一番優秀ということになっているけど、ほかの班も無敗に近い。それぞれ競ってるので足を引っ張ったりする。3人を御そうとして頭を悩ませるのが上にたつ田畑。この派閥争いがリアルです。
    かっこいい三人の班長と、その部下たちの推理と、それぞれがちょろっとみせる優しさや信頼が素敵。

  • 『米澤屋書店』がきっかけ。「組織」の話という読み方をすると、たしかに解像度が高い。しかし、そこまで競い合うものなのでしょうか、、

  • F県警のシリーズもの短編集。
    短編ながらそれぞれ起承転結があって引き込まれる。
    ただ、犯罪の内容が陰惨なものが多く、佐々木譲氏の刑事物と比べると読後感が重めな印象。

  • 各班の班長達が活躍するところをもっと読みたいと思った。シリーズはないのかな?

  • 長編だと思って手に取ったら、短編集だったので驚きました。表題作とは別の話の方が好みですが、どの話も結末後すぐに前に戻って読み返したくなるようなものでした。それぞれの班の特徴がよくわかって楽しめました。

  • タイトルにある「第三の時効」。
    この章は本当にすごかった・・・読者の半数は見事にミスリードされたのではないだろうか。私自身もそうだったし。

    それにしてもこんな警察官ばっかりだったら嫌だなぁ・・・

  • 執念

  • 内容(「MARC」データベースより)
    F県警捜査第一課。一班の朽木。二班の楠見。三班の村瀬。一筋縄ではいかない強行犯の刑事たちが、覇権を激しく競い合い、難事件に挑む! 非常で独断的な男たちの感動的なドラマを描く本格警察小説。


    第一課の検挙率100%という驚異的な数字を持つF県警捜第一課。有能だが癖のある班長とその部下達が事件を解決していく。1話短編となっていて読みやすい。キャラクターも映像化しやすくかっこいい。

  • ある県警捜査一課の強行犯係の3つの班のストーリー。
    その強行犯係に関わるそれぞれの捜査員から見た視点を軸に、事件を解決していく。
    一番オーソドックスで好きなストーリー展開でした。

  • 面白かった!
    短編集だが、全てF県警捜査一課の三つの班が主役になっている。どの班も対抗意識が強くて仲が悪い。しかしどの班も最強の部隊。
    各班の中でも色々な刑事が描かれていて味がある。
    「64」で面白いと思ったが、この短編集で横山秀夫にはまりそう!

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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