とるにたらないものもの

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 764
レビュー : 105
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087746563

作品紹介・あらすじ

物事はすべてあるがままですでに凝縮されている。絶妙に溶け合う60の記憶とことば。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルどおり、日常に何気なくあるけれど、愛おしく感じるもの、なぜか惹かれてしまうもの、手放せないものなどのことを綴った1篇3ページの短いエッセイを集めた本です。
    江國さんの手にかかると、普段は我が家のすみに転がっている輪ゴムや、引き出しの奥に眠っているレモンしぼり機にも、とろんとした蜜をかけたような甘やかさが宿るのです。

    私も下敷きが必需品なので、いいデザインのものがほんとうに少ないと嘆く江國さんに共感。
    参考書用の赤シートも兼ねられるものや、キャラクターの絵がついてるものではない「大人の下敷き」、ほしいです。

    「けり」という詠嘆の過去助動詞をよく使うという江國さんにきゅんとしました。
    ついお菓子を食べすぎてしまったあとに、「ああ、またしても食べにけり」とつぶやく大人の女性は、可愛らしさと甘美さが同居していて、少し色っぽい。

  • 江國さんのエッセイが好きなので続けて読んでいる。年代が同じせいか、共感することが多い。
    豊かな感性を、適切な言葉で表現できるすばらしさを思う。

  • とるにたらないものもの、についての短編エッセイ集。
    そうそう、それ私も思ってた!というようなことが沢山、繊細で的確な表現で綴られていて、読んでいてすごく楽しかったです。自分の中にぼんやりとした形であった考えや思いを、江國さんが美しく具現化してくれたという感じ。
    特に好きで激しく共感したのが、「輪ゴム」。笑

    好きかそうでないか分かれる(特に男女で)作品ではないかと思いますが、私は江國作品の中で一番好きです。

  • ごく短い日常の気づきが、それだけで一粒の上等なゼリー菓子のようにきらきらしている、大好きなエッセイ。
    久々に読み返してやっぱり素敵だなと。
    トライアングルやフレンチトーストへの秀逸な愛情表現。
    江國さんのは小説よりエッセイの方が好きかも。

  • 趣味に没頭している間現実の厳しさを忘れられるのは趣味の世界へ出向いていて、ここにいないから。推理小説の欄より。

    当たり前のことをきちんと文字にされることで腑に落ちる。

  • 江國さんの言葉の選び方が好き。小説はちょっと苦手な時もあるのだけどエッセイは大好き。

    【特にお気に入りのもの】
    緑いろの信号
    カクテルの名前
    ケーキ
    化粧おとし
    旅行鞄
    結婚式
    ムーンライト・セレナーデ
    フレンチトースト
    電話
    推理小説
    大笑い
    いいのだ、ということ

  • 日常の中で何気なくいつも選んでしまうもの、気づいたら好きになってたもの。だいすきなものとの思い出が綴ってあるエッセイ。私も自分のすきなものってなんだろうって考えちゃいました。

  • P39『食器棚』たぶん、なにもかも嘘なのだ。夜中の台所で私はそう考える。結婚も夫も、たぶん実在しないのだ。私の空想の産物なのだ。そういえば昔から、私は一人遊びが好きだった。
    最後のいいのだ、ということがよかった

  • 結婚して、もうじき五年になる。結婚というのは不思議なものだ。
    夜中に食器棚をみていると、全部架空のことのような気がする。物語のなかのことのような、空想のなかで私の捏造したことのような。
    たぶん、なにもかも嘘なのだ。夜中の台所で私はそう考える。結婚も夫も、たぶん実在しないのだ。私の空想の産物なのだ。そういえば昔から、私は一人遊びが好きだった。

    『食器棚』

  • 日常のなかに、自分だけの特別なものを見つけるかんじが好き。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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