幻夜

著者 :
  • 集英社
3.69
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本棚登録 : 3089
レビュー : 417
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087746686

作品紹介・あらすじ

あの女のすべてを知りたい。過去も目的も、真実の顔も-。名作「白夜行」から4年半。あの衝撃が、今ここに蘇る。長編エンタテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 借金で工場が倒産し、父親が自殺したその通夜、阪神大震災が起こる。
    ひとり息子の雅也は、父の保険金目当てに来ていた叔父が、建物の下敷きとなり、まだ生きているのを見てとっさに殺す。
    しかし、それをひとりの女-新海美冬に見られていた。
    美冬は雅也を咎めるどころかその窮地を助け、共に東京に出ようと提案する。
    雅也は美冬の指示のままに悪事にも手を染め、陰から美冬を支え、美冬はその美貌を武器に、事業家として成功を収めていく。

    改めて東野圭吾はすごいと思った。
    次々と起こる事件、それを踏み台にのし上がっていく美冬、そして徐々に明らかになっていく美冬の正体。

    白夜行の続編といわれているこの幻夜。
    異論もあるみたいだけど、私にも続編としか思えなかったので、雪穂=美冬ということで読んだ。
    白夜行では、雪穂と亮司のやりとりは一度もなかったから、想像するしかなかったけれど、幻夜は雅也視点で雅也の心情や美冬の雅也に対する指示や主張が書かれていて、それがとても生々しい。
    白夜行で感じた雪穂と亮司のもの悲しさというのは、幻夜ではほとんどなく、美冬は完全な悪女になっている。
    美冬と雅也の関係性は、全く対等のものではない。白夜行の二人のことも振り返って考えてしまう。雪穂は、亮司に対して、どのような感情で、どのように接していたのだろうか…と。
    白夜行を読んだときは、確かに二人の間に深い絆を感じたのだけれど…。
    雪穂が亮司を、雅也のように扱っていたのだとしたら救いがない。
    でもおそらく、彼女が人生を「美冬」としてやり直そうとしたきっかけは亮司の死にあって、彼女の中にあった唯一の光は消えてしまったのだろう。
    雅也は陰の共犯者たる亮司の替わりではあったけれど、完全な替わりではなく、もはやその他大勢の「駒」のひとつでしかなかったのだろう。

    “「ねえ、昼間の道を歩こうと思たらあかんよ。あたしらは夜の道を行くしかない。たとえ周りは昼のように明るくても、それは偽りの昼。そのことはもうあきらめるしかない。」”

    雅也にあまり感情移入しないようにして読んだけれど、どうしても雅也よりの読み方になってしまい、結末は悲しかった。
    偶然か美冬の策略かどちらだろうと思ったけれど、よく読んだら雅也の意思だったのかと…。
    彼はもともと、小さな幸せを大事にできる人だったと思うのに、どうしてこんなことになったのだろう。

    目的のためには手段を選ばない。
    美冬の背後に広がる闇の深さが底知れなく恐ろしい。
    自らの意図するがままに栄華を極め、また一人になった彼女は、次はどこに行くのだろう。

  • 再読の感想文、細部を忘れていたので再読の意味ありました。よくある成り変わり話のように匂わせながらラストまで引っ張って行くのが如何にも東野圭吾らしいね♪ あとはあなたが考えて下さいね っていう終わり方がミソです 笑。

  • 女こえー、そして納得いかねー!まさかあんな風に終わるとは…伏線に次ぐ伏線でまさかのオンパレードでした。続きが気になってあっという間に読み終わりました。

  • 手法は違うが、その後を描いた「白夜行」の続編です。
    白夜行での2人のやりとりやトリックを彷彿させるような描写、それから、雅也が普通の人間であるがゆえの苦悩が最大の見所だと思います。
    これも、「白夜行」同様かなりのボリュームで若干読み終えたあとの後味の悪さはありますが…読みきった爽快感はかなりあります!

    • おーちゃんさん
      続編説はたしかにありますが、東野圭吾さん自身は否定という記事もあります。
      でも、読み比べると読者にそういう予感を抱くのも無理は無いですよね。...
      続編説はたしかにありますが、東野圭吾さん自身は否定という記事もあります。
      でも、読み比べると読者にそういう予感を抱くのも無理は無いですよね。
      雪穂と美冬が完全に同一人物であるかどうかは別として、読者にそのような想像を抱かせることも東野さんの計算だったのではないかなと思ったりもしています。
      http://www.s-woman.net/higashino/02.html
      2012/09/06
  • 東野さん作品の、この緻密さが好きです。

    ミステリーとしては、若干先や真相が読める?というかんじでしたが(それもわざとなのかも。その若干さが。)、




    『幻夜』は『白夜行』の第二部だが、そのつながりは巧妙に隠されている。だからまったくの別作品だといって差し支えないが、読者に対してはいくつかのヒントが呈示されている。……(あとがき解説より)

    その「つながり」がわかったときには、パズルのピースの最後のひとつがはまったときのような爽快感~(≧▽≦)
    テンション上がったなあ!!!

  • 大作ですね。
    文庫本で、\1,000円と言う価格でビックリしますよね。
    一般には、白夜行の続編となっています。と言うのも、読み終わった後に理解したのですが・・。
    興味はあったのですが、あまりの厚さに少しひいていました。でも白夜行の続編と言う見方をすると、いろんな事が繋がりますわね。

    私は、小説では白夜行は未読ですが、TVドラマでは全部夢中になって見ました。
    TVドラマを毎週見たのは、本当に10年振りでしたわ。
    しかしある意味原作は読んでいませんが、白夜行より壮絶なクライマックスを迎えこの作品の続編を強く希望します。女はしたたかに生きる。
    本当に怖いです。

  • 阪神大震災がきっかけ。

  • TVドラマを見始めたところですので、展開が待ち切れず(!)原作を先に読んでしまいました。
    白夜行ともども、長女がおもしろかったともうしますので。

    主人公の男性が、ひたすら哀れでした。
    そして、ラストにむかっての息詰まるような展開・・・
    「こうきましたか」とおもう幕切れでありました。

    主人公の美冬には、まったく共感できず。
    「幸せ」にもとめるものや価値観全般が、自分とは真逆といっていいくらいですので。
    ただ、ストーリーとしてはひきこまれました。

    次は、白夜行を読みます。

  • 四年前に白夜行を読んだので続編という意識無く読んだ
    似た話だなぁとは思ったけど
    哀しい男の話…

  • 過去の既読本

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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