ジャージの二人

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087746778

感想・レビュー・書評

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  • もっとふざけたこと書く人だと勝手に思っていたから意外だった。
    私は山荘とか持ってないし、夏休みをそういうところで過ごした経験もないけど、毎年という意味では日常であり、夏休みだけという意味では非日常である山荘では、なにか考えるかもしれないし、なにか変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。当たり前だけど。でも、そこに滞在する人が考えようとか変えようとかそういう魂胆を持っていくならば、山荘はおもてなしで応えてくれる場所である気がする。

  • 装画/大島弓子 装丁/榎本了壱

  • 2017/01/28読了
    2018/03/25読了
    2019/08/14 あれ三回も読んでる

  • だいぶ救いがあるように思う。悪くないけど、この別荘シチュエーション、どんだけ読んだんだって、食傷気味でもある。

  • ほのぼのに見えたけど、薄暗いものをやっぱり持っていたんだって突然わかる。

  • 2015/8/4

  • 3回結婚し、今ふたたび家庭の不和がある父と、仕事が長続きせず、今も失業中で妻に堂々と浮気をされている息子が、夏の数日間を軽井沢の別荘で、ただただダラダラと過ごすだけの物語。登場人物もかなり少なく、驚くほど特に事件も何も起きない。退屈ととるか、雰囲気を楽しむか、読み手によって別れるところ。私は割と楽しめました(おもしろい!とまではいきませんが…)。お父さんがちょっと、いい味を出していたというか。そんな感じ。

  • まさにジャージの脱力感。何気ない普通のことをいう言葉がいい。

  • ジャージの二人 - bookworm's digest
    http://tacbook.hatenablog.com/entry/2014/11/13/204223

  • 長嶋有とか穂村弘とか、私の好きな作家は大島弓子が好きな確率が高いってことがわかった。
    そしてこれ堺雅人と鮎川誠で映画にもなってるらしい。ナイス配役!

  • たしかに、ゆるい。
    いい空気。

    奥さんになぜそんなに寛大なのっ!と思ったら、
    それはただそう読ませてるだけで、
    実はちゃんと怒ったりけんかしたり落ち込んだりしてる旨、ゆるく書かれている。

    ゆるい。

    いいな!ジャージ。
    DVDも見てみよっかなー。

  • ゆるいなぁー。それぞれ実は深刻な問題を抱えてるのにそんな雰囲気を微塵も感じない。何かおっきい出来事もないし、ジャージの二人(時々三人)の非常にゆるーい避暑地のお話。長嶋有は読むの2冊目だけど、まだ全然掴めない。他にも読んでみよう。2011/506

  • ゆるーい世界。なんだかホッとする。

  • いい意味で、抜けてるかんじ。
    会話とか、かみ合ってるような、合ってないような。
    映画が観たいんだけど、近所のレンタル屋さんにおいてないんだよね。

  • たんたんと描かれていて波のない作品でした。でも嫌いじゃないんだな、と思わされるから不思議。

    当たり前の動作が当たり前だけど丁寧に表現されてるところが、好き。

  • 『和小学校』。
    あなたはこれを何て読みますか?

  • 〈内容〉標高1100メートルの山荘にて、父と息子のアンチ・スローライフな日々が始まる。「猛スピードで母は」で芥川賞を受賞した著者が、「低スピード」な父との関係をジャジーに描く。

  • 何か特別なことが起こるわけでもなく、夏の間、淡々と別荘で父親と暮らす話。

    カメラマンをやっている父親と仕事を辞めてプラプラしながら小説家を目指す主人公の、携帯電話の電波も入らない山のなかの別荘地での暮らしっぷりに和まされる。
    そこでは家族愛や社会への不満が描かれることもなく、男二人が古着の小学校ジャージを着てなんとなくはしゃいだりする生活がある。

    本当に淡々と話は進んでいくのだけれど、そのなかで自然に登場人物たちのことが語られていくのが気持ちよかった。
    父親の奥さんは3人目(!)だったり、主人公の奥さんは不倫に燃えていたり(!)、その不倫な恋に破れたり(!)と、なんだかすごくおもしろかった。

    色んなことがあったり、色んなことを思うけど、そのすべてが日々の生活のなかで淡々と消化されてくあたりがリアリティなのだなと感心した。

    和小学校。

    (なんとなく著者は女性だと思っていた。男性だった)

  • 遠山さんいいキャラ。

  • 父と息子、ともに暑さから逃れるため、ついでに日常からも逃避すべくむかったのは
    群馬にある別荘といったら聞こえはいいがボロ家だった。

    二人でジャージを着て過ごす自堕落な日々、そうしてお互い自分の妻とは、うまくいっていない。

    細かいなあーって感じ。
    車に乗ってて飲み物おく入れ物が壊れちゃったから僕が運転する父の分も持ってるとか
    和小学校をなんて読むかをずっと引きずってるとか

    細かいのう。のんびりしていてよいよい)^o^(

  • いつだったかDVDで映像化されたのを観ていたので、父と僕の会話と人柄が堺雅人と鮎川誠を強烈にイメージした。読んでいてシーンや雰囲気が思い浮かんできました。その二人しかあり得ないほど役にハマっていた。
    ところどころにきらっとひかる一行があります。

  • 親子の淡々とした会話が良い。
    物語としては特に何かを残すわけじゃないけれど、何も考えたくないとき、誰かにそっと触れたいときに読むと落ち着く。

  • 映画化原作本

  • 細かい描写とか、セリフの意味の持たせ方が素敵。

  • きっと熱心なファンがいるんだろうけど、軽く手にとって読んでみても、十分楽しめる。

  • なんなんでしょう?
    私にはよく分かりませんでした。

  • 軽井沢などを舞台とした作品です。

  • 妻ともうまくいかず、仕事もその為にやけになって辞めちゃって実父の別荘(山荘のようなもの)で父と二人で過ごす夏の日々の話。

    パラレルの主人公と同一人物かも。妻は不倫していて、結局不倫相手が遊びでうまくいかなかったみたいけど、不倫したという事実をどうしても許せない。話のはしばしに散らばる妻への消せない恨み辛みが情けない感じに描写されている。「パラレル」でも思ったけど、この本でも恋愛に関しては男の人の方がねちねちしているのかなって思った。

    それでも世間一般の父親よりいいかげんっぽい父(実際に2回離婚して、今は3回目の結婚をしている)とのやり取りや、別荘での日常生活の描写が良い感じにおもしろく、話の重みを中和している。話の舞台が自然の中でなければもっともっと重くて読みすすめにくい話だったかも。

  • 夜中に友人のとりとめのないはなしを聞いているような、どんな返事も求めていないだろうし、わたしもただ、ふうん、と打つだけの間延びした会話のような、山荘にこもる二人の怠惰な夏休み。しかし夢で続きをみてしまったり、ある日なんとなく思い出したり、残るものがある。うやむやにしているのはジャージのわたしかもしれない。

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著者プロフィール

小説家、俳人。「猛スピードで母は」で芥川賞(文春文庫)、『夕子ちゃんの近道』(講談社文庫)で大江健三郎賞、『三の隣は五号室』(中央公論新社)で谷崎潤一郎賞を受賞。近作に『ルーティーンズ』(講談社)。句集に『新装版・ 春のお辞儀』(書肆侃侃房)。その他の著作に『俳句は入門できる』(朝日新書)、『フキンシンちゃん』(エデンコミックス)など。
自選一句「素麺や磔のウルトラセブン」

「2021年 『東京マッハ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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