水底の森

  • 集英社 (2004年2月26日発売)
3.30
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784087746877

作品紹介・あらすじ

顔なし殺人を捜査する刑事は、あるきっかけで容疑者の女と逃避行を始める。それは高見風子という女に関わる、愛と憎しみの数々を辿ることだった……。人間性の根源に迫る、ノンストップサスペンス。

みんなの感想まとめ

人間の愛と憎しみ、運命に翻弄される様子を描いた物語は、登場人物たちの悲劇的な人生を通じて、深い感慨を呼び起こします。特に、高見風子という女性の存在は、彼女の薄幸な人生に胸が痛む一方で、彼女を取り巻く様...

感想・レビュー・書評

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  • お話の筋は救いがないというかしょっぱい通り越して辛すぎですが(でもスキですこの小説…)おやゆび姫かぁぁぁというぐらい人生翻弄されてる一見美人じゃないけど魔性の女。刑事やヤクザやホステスや風俗、医者や洋食屋さんやらいろいろモリだくさん、だから森…?いやいや。流されるままで拒否の意を表さない生き方というのは…どっかでツケを払わなくちゃなのかなぁって…。何度か読み返したいお話です。

  • 長編小説を読みきった感あり、大変読みやすかった。
    時も長く、舞台も東京と金沢、福井、京都など広範囲なのに、登場人物が限定されており、狭い範囲内の物語だった。悲しくて不幸なお話。死んでいく人が多過ぎて、風子の人生はわかったが、その他の登場人物それぞれの人生はどうだったんだろうかと考えてしまった。普通に幸せに暮らそうとしても思いもよらない悪に襲われるさまは恐ろしかった。事件を通して残ったものが、一皮むけたような自立と自由であったことが救い。ラストシーンで表題と風子の落としどころが定まった。冒頭は高見健児が部屋にいた理由か。もう一点、冒頭に続くプロローグの【わたし】とエピローグの【わたし】って誰?

  • ぶ厚い本ですが、一気に読めました。
    風子が薄幸すぎて、胸が痛みます。
    自分がどれほど幸運で恵まれているのか分かりました。

  • とにかく、風子はここまで不幸か!って言うほど運に見放された女性。

    せっかく小さな幸せをみつけたのに…
    事件に巻き込まれてしまう。

    事件の重要参考人として指名手配される風子。
    彼女の生い立ちを調べていく、刑事 遠野 要。


    なんか読んでいてかわいそうになってしまった。
    大作でしたが、飽きることなく読めました。


    真犯人ははっきりとは記述がありませんでしたが、なんとも悲しい終わり方です。

  • これほど不幸続きの人生ってどうなのよ。
    風子がこれほど不幸でなかったら周囲の人々ももう少し平穏に暮らせたのかもしれない。
    人のためというより自分のために日々暮らしたい。

  • 自分の人生なんだから、食べ物くらい自分で決めないでどうするんだ。
    そうやってめそめそしてても物事は前には進まない。

  • 一見全く関係なさそうなピースが複雑に絡み合って大きな流れとなっていくさまは、かなり読み応えがありました。物語の『キモ』となる部分が簡単には判明しないところも良かったです。
    ただ、風子の「魔性の女」的な部分が途中から忘れ去られてしまった点と、ある人物を捜す風子の旅が、結局本書ではあまり重要ではなかった点が不満でした。
    あまり明るい作品ではありませんが、作品全体に漂う静かな孤独感が妙に心地良かったです。

  • 風子の不幸な一生を振り返るような形で話は進んでいくが、最後まで真相がわからず、最初から最後まで本の世界にどっぷり入り込んだ。読み終わってしまうのがもったいないと思えるほどのいいミステリーだった。

  • やっぱり小説は大作が面白いなって思いました。

    その女性がどう生まれて、どう生きて、
    どのように人と絡んでいくのか。

    風子はあまりにも薄幸な女性。
    読んでて「嫌われ松子の一生」が頭に浮かんだ。

    要はあまりにも身勝手かな。
    私は嫌いなタイプ。

    水底の森、沈みたくはないけど、見てみたい。

  • 風子の数奇な人生と複雑に絡み合う登場人物が奇妙な物語を展開する.刑事の要が途中でとんずらするのは意外だったが、村松夫妻と蓮池浩太が重要な役割を演じている.冒頭の殺人事件の犯人は最後で明らかになるが、終盤の展開はとても面白く読めた.

  • 柴田よしき『水底の森』読了。殺人犯とされ逃亡を続ける女。どうしても幸せになれない人生は、でも見方を変えれば意識しないうちに自ら不幸を絡め取ってきているのかもしれない。堕ちて、落ちた先にあるのは「水底の森」だ。ミステリとしても一人の女の生き方を描いた作品としても力作。堪能した!

  • この話をここで書くことは犯罪だ。とにかく面白い。

  • アパートで顔を破壊された男の死体
    住人であった夫婦は行方不明。
    死体の男は行方不明になった夫なのか?それとも第三者か?

    冒頭から謎が謎をよぶハイブリッドなミステリー小説。

    一人の女性の人生を軸に、何故不明の変死体がアパートで発見されるに至ったかを、30年の歳月をかけて語る。

    男と女の深い闇、陶酔するような甘美な香りを交互に語りつつ、様々な時間が交差する手法は見事。

    ため息と共に苦い余韻の残る素晴らしい作品です。

  • 結構場面場面が変わる作風なのかな?本当良いところで話が変わる。
    う〜んこれじゃあ読者は止められない。
    うまいな〜出てくるご飯も美味しそう

    劇中に出てきたもち米を入れないお赤飯は、実はうちの実家はいつもそうでした。うちだけ?あれがお赤飯と思ってたのですよね。
    あ〜他にも食べてた人いたんだ〜と懐かしくなりました。
    物語りはかなりヘビーな人生を歩む主人公と別にヘビーではないけど、
    ヘビーな人生を選ぶ刑事が出てくる。。。。

    人殺しの汚名をきせられそれを受け入れさまよう主人公。。。。
    殺された二人の男のどちらを本当は愛してたのだろうか?
    殺人のすべての理由が分かった時、悲しい誤解やしがらみが出てくる。
    それでも誰も恨まず、自分の記憶を頼りにさまよい
    最後は水底の森へと向かう主人公。。。。

    悲しい話のはずなのになぜかあまり悲しいとは思えなかった。。
    やっと自分の居場所を見つけた彼女を、
    どうしても悲しいとは思えなかったのかもしれないな。。。。

  • 一見どこにでもいそうな、平凡で堅実な若夫婦が消えて、部屋の中には見知らぬ男の、
    顔を潰された死体が発見された。そこにはエンドレステープに録音されたシャンソンが流れ続ける。
    その翌日、夫の死体が発見され、妻の姿は依然として消えたまま。
    この夫婦には重く苦しい過去が覆いかぶさっていた。

    さすが570ページの長編だけあって様々な登場人物がいて様々な展開を見せてくれる。
    容疑者として追われる風子の悲しい過去、追う側の刑事の絶望。
    とても練られてる設定だなぁとは思ったし、ハラハラさせられる場面は多いものの、
    なんとなく登場人物に魅力を感じなかったのが残念だった。
    特に遠野刑事の人生観にはついていけない。

    ネタバレです↓
    ここからはご注意くださいね


    事件に対して執拗に迫って切り込んでいく優秀な人材であったはずの遠野が
    女性関係や自分の子どものことで人生に絶望し失職もいとわないほどになってしまうのは
    なんだかムリヤリのような気がした。それくらい人の気持ちは脆いものだと言いたかったのか
    遠野の豹変にはスッキリしないものがあった。
    風子はまさに不幸を背負っているような女で最後遠野との心中で初めて安らぎが得られたということが
    なんとも切ない。風子側からみるとこれはハッピーエンドなんだろうな。
    生きていること自体が拷問のような世界・・・・哀しすぎると思った。

  • 過去と現在を複雑に行きつ戻りつしながら、運に見放された女の一生を辿る話かと思ったら、途中からロードムービー風になり、新たな殺人が起きてミステリー風になり、最後はまた懐古的に終わる、という、良い意味で期待を裏切る、でも散漫な印象の小説。一人の女の転落物語かと思えば、「嫌われ松子の一生」のような軽みはないし、ミゼラブルな話かと思えば淡々としていて掴まえようがない。途中まではすごく面白いと思ったんだけどなぁ。冗長とは思わない(むしろ短いくらい)けれど、散漫な感じでした。

  • ≪内容覚書≫
    アパートの一室で顔をつぶされた死体が発見された。
    その後すぐに、部屋の住人である高見健児も死体となって発見される。
    残る住人は、高見の妻、風子だけ。
    そして、その風子の行方を捜し、過去を辿る刑事、遠野。
    かつて一度だけ風子と抱き合った鮮烈な記憶を持つ彼が選んだ道は、
    破滅への道だった。

    風子はなぜ行方をくらましたのか。
    遠野はなぜ破滅へと突き進んだのか。

    水底の森が彼らを静かに待ちうける。

    ≪感想≫
    視点がころころ変わり、次々と登場人物が出てくるので、
    毎日少しずつ読むのには向いていなかった。
    一気に読める日に読めば良かった、と少し後悔。

    犯人に関しては、少しガッカリ。
    確かに因縁はあるが、そんな簡単に…?
    もっと後ろで、いろいろ画策されているかと期待してしまった。
    だが、実際、殺人なんてそんなものなのかも。

    正直なところ、風子は好きになれない。
    遠野の気持ちもわからない。

    こういう抽象的な作品は個人的に苦手。

  • アパートの一室で見付かった顔を潰された死体。
    消えた夫婦。見え隠れする風子という名の女。

    再読。
    いやあ、やっぱり凄まじいものがあるな…。
    要の毀れていくさまが一番凄まじいとおもう。

  • 暗い・・・・。

  • 新聞広告だとか本の新刊情報とかで見たあらすじ「刑事が容疑者の女性と逃避行する」って、なんか全然違わないか?と思いつつ読んでいた一冊。結果、たしかに間違いではなかったけれど……この二人が出会うの、物語が半分以上過ぎてからなんだよね(笑)。
    それはさておき。これはどちらかといえば重めテイストの物語。「聖なる黒夜」の雰囲気に近いかなあ。あそこまでどろどろではないけれど、重たい情念なんかがかなり絡んでいて読み応えもばっちし。でも読後感は意外にさっぱり。おすすめ。
    殺人は起こるし、犯人は誰か被害者は誰かという問題もあるのだけれど、それを忘れ去ってしまうくらいにヒロイン・風子の物語が強烈。まさにこれぞ「波乱万丈」。不幸を背負いつつ実は周りを破滅させていく魔性の女、という雰囲気なのに、なぜか好感が持てるキャラクター。その人生が断続的に語られていくのがもうもどかしくってもどかしくって、結局は一気読み。
    そして最後の最後で明かされる事件の真相。やられたなあ。物語の持つ「重み」に浸りきることができた一冊。

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著者プロフィール

 小説家、推理作家。
『RIKO-女神の永遠』で第15回横溝正史賞。
 猫探偵正太郎シリーズ、花咲慎一郎シリーズ など。

「2021年 『猫日記 Cat Diary』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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