お縫い子テルミー

  • 集英社 (2004年2月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (179ページ) / ISBN・EAN: 9784087746884

みんなの感想まとめ

2編の物語が収められたこの作品は、それぞれの主人公が成長し、恋や友情を通じて自分を見つけていく姿を描いています。表題作「お縫い子テルミー」では、流しの仕立て屋として育ったテルミーが、東京で初めての恋に...

感想・レビュー・書評

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  • 2編の物語が収められています。

    表題作「お縫い子テルミー」は流しの仕立て屋をしているテルミーが主人公です。
    幼い頃から祖母に仕立ての技術を教えこまれた彼女は、祖母・母・自分の女3人で居候先を転々としては仕事をしてきた、という変わった生い立ちをもっています。
    そんな彼女が生まれ育った島を離れ、東京にやってきて、はじめて恋をした。
    せりあがってくるような切なさに、読みながら涙が滲んできました。

    「ABARE・DAICO」は小学5年生の小松少年のひと夏の物語。
    小松少年の一人称で進む物語は、少年の憧れや優しさが素直に描かれていて、かわいらしかったです。
    いつのまにか自分も小松少年になったような気持ちになっていて、彼が大きな不安に押しつぶされそうなとき、私まで息が詰まったように苦しくて、顔をしかめながら読んでいたのでした。

    どちらの物語も清々しく、前向きな気持ちになることができるラストシーンでした。
    テルミーも、小松少年も、これからどんな大人になるのかなぁ…と少し楽しみになりながら読了。

  • 栗田さんの本三冊目。今まで読んだ本の中で一番現実的な話だった。「お縫い子テルミー」と「ABARE・DAICO」の二作。
    「お縫い子テルミー」は、学校にも行かず他人の家に住まわせてもらっていた15歳のお縫い子が恋をする話。変わった環境の下育ったにもかかわらず、頭が良く機転が利き、なによりも強い少女の姿に好感が持てた。胃が気持ち悪くなる程の恋がびんびん伝わってきた。
    「ABARE・DAICO」は小学5年生の男の子の話。こちらもしっかりしていて強い子の話。学生の頃の友情は大きな力を持つなぁ。

  • 表題作も面白かったけど、『ABARE・DAICO』の方が好きかも。
    かっこよくて頭のいい友人を追い越したくて、友人のやったことのないことを成し遂げようとする主人公。それは例えば知り合い全員の名前を覚えるとか、国語辞典を全て読むとかささいなことだけど、そうやって何かを成し遂げようとする主人公の姿がまぶしくていいなと思った。

  • 割りと面白かった。
    読みやすい文体でスイスイ読めた

  • お縫い子テルミーが気になって読み始めたけど、小学生の男の子の話の方が好きだった。疾走感があって、めちゃくちゃで、なんだか懐かしくてよかった。

  • 「彼女のことを、ある意味で仲間だと感じた。[...]人生あきらめが肝心とみずからに言い聞かせているところがだ。だめだとわかった瞬間からすべてが始まる。でもうまく始められてなくて困っている。彼女も、私も。年齢は関係ない」(56ページ)

    住み込みでお縫い子をしている主人公。
    必死に生き抜く彼女と、彼女を取り巻く同様に必死な人たち。
    ゼロから這い上がろうと、逞しく道を切り開く彼女の物語り。

  • 流しの仕立て屋をはじめて三ヶ月がたつ。

  • 著者のことはしらなくて
    詳細忘れましたが読みもので「お縫い子テルミー」のことがでていて、読みたくなり図書館で
    借りました。

    ちょっと暗い気持ちになったり
    ドキドキしたり、前向きな気持ちに
    させられたり。

    小説読んでもあとから振り返ったら
    話の内容を忘れてることが
    結構あるんですが、
    2つとも印象に残るお話で
    個人的にはかなり良かったです。

  • 2015/05/25 読了
    お縫い子テルミーだけ読んだ。

  • 2話収録。
    流しのお縫い子のはなしだったが、特殊な環境の主人公にする意味が見いだせなかった。
    あるようでない不思議世界を描きたいんだろうとは分かるんだけど、小川洋子さんのようにそこに不自然さを感じさせないほどの力が無いのかも。
    小学生を描いた2編めのほうが清々しくてよかった。

  • いいですね。
    無駄な説明のない簡素な文体で、スルッと読めました。
    何か秀でる才能や特技があるって、生きていくうえでとても重要な事ですね。お勉強なんかどうでもいいんですよ、ホントに。
    手に職があって、“好き過ぎて吐き気がする”ほど人を愛せるなんて、最高じゃない?

    もう一編のABARE・DAICOも面白かったです。

  • この人の本、初めて読みました。
    知らない人の本読んで久々にこれはって思った。
    おもしろかった。
    お縫い子テルミー、ナイスな名前やなー。
    ゆいたくなっちゃう。お縫い子テルミー。

    もう一個の話も良かった。
    成長しようとしてる男の子はかわいい。
    好きと思う。

  • 本書は二編の短編からなっています。
    表題の『お縫い子テルミー』と
    10歳の少年のひと夏の経験『ABARE・DAICO』。

    『お縫い子テルミー』は、十代でひとり島から上京し、新宿歌舞伎町で“流しのお縫い子”を営むテルミー(照美)の甘酸っぱい恋物語です。

    お裁縫が好きでたまらない少女、鈴木照美。
    通称、テルミーは服をつくるとき、型紙を起こしません。
    あれやこれや時間をかけて選んだ布をじっくり眺め、
    触り、会話してから一気にハサミを入れます。
    「習う」より「慣れろ」。「知識」より「知恵」。
    テルミーはたった一人で都会へ来て、
    祖母から受け継いだ裁縫の技術と信念、持って生まれたセンスで
    いつの間にか、りっぱな「流しのお縫い子」(仕立て屋)になっていました。

    深みのある話ではありませんが、
    裁縫セット一つで世渡りし、
    素敵な服を魔法のように作りだすテルミーが
    別世界の人のような気がし、憧れすら感じました。
    ドラマの『カーネーション』の糸子さんも同じような感じですが、
    こちらはもう少し現実離れしています。

    特に冒頭の2ページが素敵でした。
    いきいきとしたテルミー像が浮かび上がってきますから、
    ここにこのストーリーの全てがつまっていると思います。

  • 美しく、かわいいだけじゃなく、影もある。

    その、陰のある感じが好き。

    なんだか、読み終わると、不思議な気持ちになる。

  • 流しの仕立屋・・・?家を持たないという事でした。
    服を縫う事に関して天性のセンスと確かな技術を持っている16歳のテルミー(照美)。その生育環境は極めて特殊。
    彼女の自立心というか生きる力には敬服する。
    運命的な出会いと,望みのない恋。5年後の彼女に会いたい気がします。
    同時収録の「ABARE・DAICO」は小5の男のが主人公。子どもらしいイタズラに笑った。いい友人。確かな成長を感じた。

  • やわらかく、綺麗なんだけど、殺伐としている。
    非日常の綺麗な部分と日常の汚い部分が混ざっていて、不思議。ただのかわいい話では終わらない、という感じ。
    お縫い子テルミーよりABARE・DAICOのほうが好き。
    最後の意外過ぎるコンビが笑える。

  • 「お縫い子テルミー」と「ABARE・DAICO」の二本立て

    栗田有起の本は初めて読んだ。
    恥ずかしくなった。
    お縫い子テルミーを読んでいると、ギュッと胸を締め付けられたような気分になる。
    まるで私まで恋をしているみたいに、顔が真っ赤になりそうだった。
    かなわないのに、どうしようもないのに、彼は他の物を思っているのに、でも好きなんだ、大好きなんだというテルミーの思いは、文章からあふれ出して止まらない。
    周りから見て、すぐにわかってしまうくらいのわかりやすい片思いをしている女の子を見ているみたいだ。

    本当に好きになるということは、この本では単純に「欲しい」という言葉で表されている。
    ただしテルミーはそれはただのセックスではない、と言う。
    ひとつになるにはそれしか方法がないというようなセックスをしたい。とテルミーは言い切る。
    だから、シナイちゃんが抱こうか?と言っても拒否をする。

    すごくシンプルで潔くて、読んでいてまた恥ずかしくなった。
    理屈はいらない。ということを、作中の15歳の少女に教えられてしまった。

    栗田有起、これからも何作か読みたいと思う。

  • 流しの縫い子のお話。

  • 『お縫い子テルミー』
    テルミーの母親が彼女を産んだ経緯や“杖にしてきた”過去の話は、読んでいてゾッとするものがあった。
    “最初からあきらめて人生を送る”というテルミー(と信田さん)の考えは、たぶんに私と似ている。

    『ABARE・DAICO』
    サァーッと駆け抜けていく語り口が清々しい。そして和良に負けたくないと強く思って努力をしている誠二はどうしようもなく愛おしく思えた。

    二篇通して、言葉の運びかたが心に残り、登場人物の言葉一つ一つに力強さを感じた。

  • 栗田有紀読み始めてみました。

    非日常的な物語だけど、
    とても生きたキャラを描いた面白い作品だなと思った。

    なんか違うんだよな。今まで見てきた小説とかよりこうゆったりとストーリーが構成されていくっていうか。ひとつひとつの表現の仕方がすきだな~って思った。

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著者プロフィール

直木賞を受賞した恋愛文学の旗手から、早熟の天才少女作家まで。いま、もっとも切実な恋を描く6人の女性。

「2008年 『コイノカオリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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