I’m sorry,mama.

  • 集英社 (2004年11月26日発売)
3.15
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784087747294

作品紹介・あらすじ

人はどこまで邪悪になれるのか。
児童福祉施設の保育士だった美佐江が、自宅アパートで25歳年下の夫と共に焼死した。事件の背景に盗み、殺人、逃亡を繰り返す女、アイ子の姿が見える時、更なる事件が引き起こされる。

みんなの感想まとめ

人の内面に潜む邪悪さを描いた物語は、重厚なテーマを持ちながらも軽快に読み進められる作品です。登場人物アイ子は、見た目に反して人間らしさを持ちながらも歪んだ性格を抱え、彼女の行動が引き起こす事件は読者に...

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに再読。やっぱりすごく面白い。登場人物全員が嫌なやつすぎて(それはアイ子のような人の視点で人間を見るとこうなる、ということかもしれない)、コントのようでもある。途中から「次に出てくる人はどんなふうに嫌なやつなのかな」とわくわくした。

    丹念に手間暇かけて練り上げられた醜悪さは、SNSでぽっと投げつけられる悪意とは比べものにならないくらい重くて上質。

  • アイ子さん怖いです。アイ子が若くて美人だったら、狡猾だったり歪んじゃってもまだ絵になりますが、中年女でブサイクってところが不気味な意味でこれまた怖いです。
    結構重い物語だとは思いますが、どっしり感が全然なくてむしろ軽い感じで、あっという間に読めてしまうので拍子抜けです。アイ子の性格もあるのかな。発狂めいたところはないし、結構人間らしいし、ただ歪んでる。殺人を犯す人間が狂っていないのかというのは置いておいてです。

    タイトルの「アイムソーリー」はどの部分を謝っているんだろうと思いました。もしかして生まれてきたこと、かな。
    だとしたら切ないですね。アイ子にも同情の余地はありますが、ああも歪んでしまってはどうしようもないです。これから更生できるとは思えません。切ないですが妥当なラストのような気がします。
    ……なんかふてぶてしく生きてそうな気もしてきましたが。
    嫌いじゃない終わり方でした。

  • 色んな「ママ」が出てくるこの作品、他の桐野作品同様ページをめくる手が止まらなくて一気読み。
    この人の書く人間って、人間の嫌なエッセンスを蒸留したようなのばっかりで読んでて嫌になってくる。
    アイ子は果たして向こう岸までたどり着いたのかな。
    たどり着いてまた同じことの繰り返し、の結末のほうを希望してしまう。なんとなく。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「人間の嫌なエッセンスを蒸留したような」
      ため息出ちゃいますよね、、、
      「人間の嫌なエッセンスを蒸留したような」
      ため息出ちゃいますよね、、、
      2012/04/06
  • むかーし読んだ時、面白かった記憶があり
    再読してみたけど…
    昔の私は、ホントに面白いと思ったんやろか?
    記憶違い?
    と思うくらい、おもろなかった 

    桐野夏生といえば「OUT」
    これは衝撃やった
    読書にハマるキッカケになるくらい

    でもこの本は真梨幸子な感じよね
    なんかちょっと妄想チックというか
    終わり方も、え?これで終わりかよという感じ

    久々読んだらがっかりしてしまうのは
    私が汚れた大人になったということか?

  • 桐野さんが大好き。桐野さんは人間の嫌なところを炙り出すのだけど、それが好きというか「そうそう」と激しく頷いてしまう人が私はじめ多いということなのですよね。その証拠に、このハードカバーの写真が森山大道とか装丁のイケていること!

  • 個人的に桐野夏生最高傑作。
    デブでブスの最低女が走る!食う!やる!殺す!

  •  面白く読めるのだが、いま一つ、深みに欠ける。アイ子の悪辣さが尻すぼみになったような気がする。

  • 出る人出る人クセすごさんだし、とにかく黴臭いお話だった
    ぶっちゃけ本編にいなくても良さそうな人すらクセすご

    桐野夏生作品ははじめて読んだけど、この仄暗い、薄気味悪い感じ、結構クセになるかも……
    感動や、学びを読書から得たい、読書する意味が欲しい人には向かないけど、エンタメとして読書を楽しむ人には読んでみてほしい

  • 主人公のアイ子はじめ、まともじゃない人ばかり出てきた。

    容赦ない設定と展開はさすが桐野さんだなあって感じだけど、心理描写が少ないのが物足りなかった。アイ子も思考が苦手、場当たり的なところは自覚があるようだから仕方がないのか。

    途中から出てくるお婆ちゃん達も相まって意外とドタバタした印象。後味は悪いけどそこまで暗い感じになならなかった。

    面白くて一気に読んだけど期待していた程ではなかった。

    元保育士・元園児で結婚したカップルが個人的に気持ち悪かったなぁ。気持ち悪いけど早々に退場になったのは少し寂しかった。

  • 場末の売春窟「ヌカルミハウス」で生まれ育ったアイ子の物語。

    真梨幸子の小説かと途中で何度も錯覚するくらいの嫌な感じ。話の中に善人が一人も出てこない、全員が顔をしかめたくなるような歪んだ人ばかり。でも、こんな風に育ったら歪むに決まってるよね…と納得。「なんなんだ、こいつは」と思い続けた主人公のアイ子が最後には少し可哀想に感じる。

  • いやぁ〜全く救いがない話。
    同情も感情移入もない。
    ここまで徹底されると、むしろ清々しいな。

  • ひところ「アイデンティティ」とか「ルーツ」とかが気になった。
    流行らなくても厳然と存在している言葉ではあったのだが。

    その存在証明がおぼつかなく生まれてきてしまったら、穏やかな精神で生きていかれまい。
    つまり両親も判らず、愛情もかけられず、いじめ抜かれて育つとどうなるかという、実験的小説のようであり、リアルととってもいいのだ。

    現代における凄まじい事件の裏側かもしれない。私は事実のパッチワークだと思った。

    あらすじはアイ子という主人公が両親も知らず、戸籍も作られず「ヌカルミハウス」という娼婦の置屋(売春宿)で幼いときを過ごし、後に施設に移るのだが、もうそのときには精神がすさんでいたことがわかってくるのだ。


    私は、女の顔をした悪魔を一人知ってるのです。その女のしたことを考えるだけで、ぞっとします。
    彼女の本当の名前が何というのか、今現在、何という名前を名乗っているのかは知りませんけど、もちろん彼女はまだ生存していて、人を騙し続けています。
    そして、へいぜんと人を殺し続けています。(帯より)


    主人公のルーツがわかるかどうかのアイデンティティ探しもさることながら、その悪へ向かっていくエネルギーの凄まじさ、破壊力。

    この怒りは何事だろうかと思う、こうなると主人公にではなく作者にぶつけて読み解くだけでなく、なお自分に問いたくなる。

    悪とはなにか、存在とはなにか。ここにはかかれていない、事実があるだけ。
    重たい、わかったような振りはできない。

  • わたしの汚いもの何もかも、見せてあげるから

  • 読ませる力はあるが、まとまらずいまいちスッキリしないまま終わった感

  • 安定の、くらさ。
    誰が誰に謝りたいのか、なんのためのソーリーなのかはつかみにくかった。
    どうあがいても、変えることのできないことってあるし、かわらないこともある。

  • 過去児童福祉施設で働いていた美佐江は60代を過ぎてかつての卒園生のその後の人生を考えることが増えた。そんな時かつて面倒を見たアイ子が焼肉屋で働く場に遭遇し思わず声をかける。連絡先を渡した美佐江をアイ子は訪ねてきて…。後味の悪さピカイチ、悪意に満ちた女性達の中でもダントツのモンスター。実在の摩訶不思議な事件を思えば誇張とも言えない。

  • アイ子の悪意がまっしぐら!行き当たりばったり、息を吸うように人を消していくその生き様は羽根が生えたように軽く、怖さより一種の潔ささえ感じてしまう。紛れもない悪人だけど、何も教えられず親から愛されずに育つということの悲劇を感じずにはいられない。世間や生い立ちへの無意識の復讐もあったのか。
    いっさい救いのない話ながらアイ子の腹黒さに吸い込まれるようにほぼ一気読み。
    憎しみ、絶望、恐怖からの告発…そこに愛はなくても、アイ子とあの人の間には、捻じれて形が変わってしまった母子の結びつきなのだと感じる哀しい引力があった。

  • 2017.1.5読了

  • 最後いきなりのあっという間の収束。
    急にシャッターを下ろされた感じで読み終わる。
    アイ子は何者なのか、というのは終盤分かるけど、遺伝子って果たして関係あるのだろうか。養育環境は多分に影響するとは思うけど。
    悪魔的とはいえ、一番の被害者はアイ子だもんな。

  • 久々のレビュー。なんと、手に取って2時間強で一気読みできてしまった!それだけサスペンス独特の場面描写の切り替わりの面白さ、展開のスピード感が良かった。

    他作品でもあった女性の人間関係のドロドロっぷりが凄まじかった。というか登場人物全員の人間性が歪んでいる。この構成でストーリーに収拾がついているのが上手いと思った。主人公が一番壊れているのに関わらず、登場してくる人物が揃って異常者だらけなので、読んでいて息つく暇もない。

    冒頭で元幼稚園の先生・園児の25歳差夫婦という濃いキャラクターが登場したのに関わらず、最初の章で焼き殺される。主人公はその犯人で、夫婦の昔話に出てきた同級生だったという導入のインパクトが大きかった。

    異常者だらけの物語の中で「結局、誰が一番悪いのか?」と問いかけるのがこの作品のテーマだと思う。実際に殺人鬼となった主人公か?その人間性を作り出した娼館の人間か?親か?

    タイトルの「I'm sorry mama」とは作品的に印象深い言葉である。
    個人的な推測では、水に身を投げる直前の主人公の心中ではと思う。「母」という概念の為に苦しみ、罪を犯し続けてきた身としては皮肉だが、殺害した相手が母と知った直後の夢で初めて「罪の意識」を漏らし、涙を流した。

    サスペンスものの面白いのは、内容が300ページ近くても最後のネタ明かし、結末の大事なところはほんの10ページくらいで集約されているところ。主人公の心に根付く「母親は誰か?」という最大の関心事が解決し、その末に主人公が最終的にどうなるのかという内容をすごい速度で展開されていくという感覚を久しぶりに味わえて良かった。

    しかしこの作品、平均年齢高すぎ・・主要女性キャラはみんな60,70代とか(笑)

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著者プロフィール

1951年生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞を受賞。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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