ビトウィン

  • 集英社 (2005年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784087747539

作品紹介・あらすじ

家族、愉快な仲間との忘れられない日々。
奥さん、愛娘、そして愉快な仲間たちと過ごすビンボー生活。何はなくても、ちいさな幸福に満ちて愉しい。10数年ぶりに作家復活を果たすまでの暮らしぶりを綴った抱腹絶倒エッセイ。挿画=南伸坊。

みんなの感想まとめ

家族との貧しいながらも豊かな日々を描いたエッセイは、心温まる笑いや感動に満ちています。著者は、田舎での隠遁生活を通じて、愛する奥さんや娘との絆を深め、十年ぶりに新作を書くまでの道のりを綴っています。お...

感想・レビュー・書評

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  • 翼はいつまでも、ららのいた夏、雨鱒の川。どれもこれも傑作です。さわやかで切なくてどれも大好きです。この数年で知った作家さんだったりするんですがキャリア的にはかなり長い人ですね。そして1990年頃から全く書かず、山梨の山奥で隠遁生活をしていたようです。
    そんな楽しい隠遁生活を書いたのが本作です。飄々と生きていられるのは、年の離れた奥様のあっけらかんと明るい性格と、娘ちゃんの純粋さが有ればこそです。川上氏の文章にも愛が溢れていていいですね。
    お金が全くないのに楽しく過ごしているのが本当のようですごい。自給自足ともらい物と友情とそしてフリーマーケットで生きているのですが、全く貧しさを感じないです。こんな理解と寛容と明るさを兼ね備えた奥様と出会えたのはラッキーです。
    そして復活作「翼はいつまでも」を10年ぶりに書き上げるまでを描いていますが、赤貧を抜け出したあとの娘ちゃんの「貧乏な頃にもどりたいなー」という言葉は深いです。これは豊かさの定義には沢山あって、お金なくても楽しいという事は別種の豊かさですね。我々がどうしても抜け出せないのは、世間体と利便性からの呪縛です。僕もその一人です。
    彼ら家族はお金が無くても豊かに生きて行けるという事を肩ひじ張らずに実践してしまったんですね。本当に素晴らしいです。

  • 体を壊した小説家が田舎に引っ込み、家族と貧乏生活を楽しみながら十年ぶりの新作を書き上げるまでのエッセイ。暗さはなく、おもしろい。読みやすい。

  •  1949年生まれの川上健一さんの「ビトウィン」(2005.3)を読みました。八ヶ岳と南アルプスに挟まれた山間の地、高原の村での生活、16歳年下の妻と保育園児の一人娘との生活、自伝的なエッセイだと思います。ビトウィン生活とは、仕事をしない間の生活をいうのだそうです。釣りをしたり山菜取りをしたり・・・。「雨鱒の川」(1990年)から「翼はいつまでも」(2001年)の間の11年でしょうか。「朝ごはん」(2013年)はとても爽やかな作品ですね。この作品は、著者のビトウィン生活の時そのものだったんですね(^-^)
     川上健一さんの「雨鱒の川」(1990年)はまだ読んでいないです。「翼はいつまでも」(2001年)は先日読みました。中学生の青春を描いた小説。感動しました。「ビトウィン」(2005.3)は、小説を書かない1990年からの10年間の生活を描いたエッセイです。八ヶ岳と南アルプスに挟まれた山間の地での生活。奥様と一人娘のサヅキさんが素晴らしいですw。

  • 知人とビートルズの話をしていて思い出し、3度目の読了。
    川上健一さんはビートルズの「please please me」を「お願い、お願い、わたし!」と名訳する作家だ。
    それだけでも感動的だけど、このエッセイに出てくる登場人物たちのエピソードに何度でもうるる・・・としてしまう。

    発売された頃、ラジオで朗読されていて惹かれて買ってみた。最後に読んでからほぼ10年も経ってるようで今回も新鮮な感動で読めた。

    人はこんな風に生きられたら最高だ~。手放せないホントに良いエッセイ。

    表紙の南伸坊さんのお魚といい色合いといい、すごく良いです。

    (この本の中にはビートルズのPlease Please Me は出てきません。出てくるのはこの本の時期に書いてた小説、翼はいつまでも)

  • 文庫バージョンのタイトル「BETWEEN ノーマネー and 能天気」がすべてを表しています。10年間、テニスのコーチとして少しの現金収入を得ながら、後は自給自足で暮らしてきた作家のエッセイ。
    よくまあ思い切ったことを。こんな男(失礼!)のところへ家出して飛びこんできた16歳年下の妻の方にも本を書いてほしいと思いました。
    10年の雌伏のあと、どんな制約も受けずにのびのび書いた小説が坪田譲治文学賞を受ける所は、まるで小説のようでした。
    小説よりも奇なこのエッセイ、お読み得です。

  • 幸福いっぱいのスローライフ。
    「翼はいつまでも」がなぜあんなに甘酸っぱくハッピーな空気に満ちているのかがこのエッセイを読むとよくわかる。野田知佑氏とのエピソードがステキ。

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著者プロフィール

小説家

「2014年 『ライバル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川上健一の作品

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