文芸漫談 笑うブンガク入門

  • 集英社
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本棚登録 : 142
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087747614

作品紹介・あらすじ

小説の書き方・読み方がクスクスわかる!ヒカルがボケて、いとうがツッコむ!芥川賞作家と稀代の仕掛け人が捨て身でおくる、"漫談スタイル"の超ブンガク実践講座。渡部直己(座付作家)による、ためになる脚注付き。

感想・レビュー・書評

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  • タイトル通り、作家・奥泉光といとうせいこうによる文学をネタにした「漫談」講演を文字起こしした1冊。対談ではなく漫談なだけあって、ためになりつつも随所に笑いがちりばめられていて大変面白かった。かと思えばやっぱりとっても難しい専門的な話などもあり。

    いとうせいこうはともかく、奥泉光がこんなに愉快な人(隙あらばフルートを吹く)だとは思ってなかった。まあクワコーものなどはかなり笑えるし、ちょっと前に読んだ戯曲も笑えたので、やっぱりそういうひとだったということか。個人的には聖書のヨブの話(第3章 あのカバを創ったのはだれだ?)に共感しかなかった。私も似たような感想を以前ブクログに書いた(笑)

    【目次】
    プロローグ イロニー行きのモノレール
    第1章 職業作家で行こう!
    第2章 小説的グループ
    第3章 あのカバを創ったのはだれだ?
    第4章 バカの大気圧
    第5章 涙の共同体
    第6章 市営グラウンドの駐車場
    エピローグ 楽屋にて

  •  なかなかバカに出来ませんね。

  • 38583

  • 文学

  • 漫談という形式で文学を語る。この形式だから、整理されていないまだ理論化されていない思いが文字として固着される。「無意識は他者だと思って良い」とか「のでってのが物語なのでもういやだ。」とか。とっても素晴らしい本でした。続編も読んでみよう。

  • 文庫だと『小説の聖典(バイブル) -漫談で読む文学入門-』というタイトルに変わっていますが、個人的には旧題のほうが思わず手に取りたくなるタイトルで好きです。

    小説家奥泉光といとうせいこうがボケ・ツッコミに分かれて漫談形式で文学について語るという本(実際に人前でおこなった漫談をもとに構成)。文芸評論家の渡辺直己が二人のやり取りに対してさらなるツッコミをいれるような形で、注釈を加える構造になっています。

    漫談という看板を掲げているだけあって、笑えておもしろおかしくすらすら読めます。その実、話している内容は非常に高度。立ち止まって考えだすと、考え込んでしまってページがすすみません。でも、そうやって考えることがとても楽しい。笑いながら勢いで読んで楽しんで、そのあとじっくり読んで楽しむという二重の楽しみを味わえる本です。
    「物語」と「小説」の違いや、「ギャグ」と「ユーモア」と「イロニー」の関係性など、うなずけるところ多々あり。

    小説を読んだり書いたりするときの基礎となるような本で、まさに文学入門。

  •  ワカンナイ。
     他のレビュアーはみんな比較的面白がって読んでいるけど、何がどうわかったのか聞いてまわりたい気分である。興味のある分野だけに、特に。

     「漫談」ではあるけど。「漫談」なんだけど。
     ただ、やっていることがわからない。その「わからなさ」については追々書いていくとして。文章を書いたり読んだりすることには(学生期も含め)もう15年は携わっている身としては、心を折られる思いでした。

     「文学入門」ではないなと思った。
     「文学入門」にしては、前提として要求される知識が大きいぜ、と思った。

     もう負け気分で書いているので非常に僻みっぽくなりますが。

     あえて言うならば、いわゆる今の文学と、実世間の間に断絶があるとすれば、これが「文学入門」だからなんじゃあないかと思うのだった。まだこの本の中で「国辱」とされていた『テクストを遠く離れて』のほうがわけがわかった。「云っていることがわかる」という意味においては、であります。

     じゃあ、ここにある一種の「断絶」って、単に読解力や知識量、アカデミックな素質だけの問題なんだろうか。
     そうかもしれないが、そうでもない気がする。

     この断絶を乗り越える方法が無いものか、ずっと首をひねっている。

  • 3/26読了

  • 軽い文体(・・・漫談だから当然だけど)なのに、内容は深いかもしれない。

    「言葉は外からやってくる」とか、「破壊してからの再生」とか、「ねじれ」。
    外国文学では、詩が核となっているけど、日本ではそれがないので純文学がある。

    漫談ってよくわからないけど、とても楽しく読めた。
    読んでよかった、と思う本。

  • この本を読んで、小説が楽しく読めるようになるか、または書けるようになるか、は全然わからない。けれども、この人達の会話は面白い。イロニーとか、世界を言葉で捉えることの難しさとか、難しい語り口で読者を煙に巻こうと思えば、巻けそうな題材を軽妙なやりとりで語り尽くす。でも、この人達のように小説を楽しんで読めるようになれるかは、やっぱり疑問。この人達だからこそ、みたいな所が大きいんじゃないかしら。でも、新しい視点が得られる感じがして、この本自体は楽しい。

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著者プロフィール

作家、近畿大学教授

「2011年 『私と世界、世界の私』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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