海賊モア船長の憂鬱

著者 :
  • 集英社
3.72
  • (6)
  • (7)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 51
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087747850

作品紹介・あらすじ

英、仏、蘭が覇権を争う18世紀インド洋-。イギリス東インド会社の命を帯びマドラスへ派遣された青年は、伝説の海賊と出会った。謎、波瀾、哀愁、敗れざる男達の真実。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「伝説の海賊」と「失われた宝石」を巡る男達の戦い。
    英、仏、蘭が覇権を競う18世紀インド洋。東インド会社の密命を帯び、マドラスへ赴任したマイケル・クレイは、悪名高き海賊――ジェームズ・モアと出会った。男達の戦いを描く本格海戦小説。

    今ではほぼ絶滅した海洋冒険モノ。『宝島』『難破船』『ロビンソンクルーソー』他、定番の海洋冒険ものは読んできたつもりだ。それと宇宙冒険モノも少しは読んだ。その中でこの本は断トツの面白さ(海洋冒険モノの中では)。ストーリーもキャラクターも設定も何もかも良かった。惜しむべきことは作者が失踪して行方知れずとのこと。続編はもう作られないということだ。他の人に薦めるか?と聞かれると微妙だけど、海洋ロマンを感じられる一冊。この物語の前作となる『海賊モア船長の遍歴』というのがあるらしい。いつか読んでみたいと思う。

  • やっぱりカタカナ苦手だなー。つい、飛ばし読みしそうになっちゃう。いやいや、モア船長は立派な船長になったねー。
    しかし、今回も急いでまとめたなー。前回のほうがまだおもしろかったな。

    クレイが報告書を読んでいたら、最近モア船長の仲間に男装した女性海賊が入ったとの報告があった。

  • 続きが読みたい。無事戻って来てください。

  • ●東インド会社が世界の覇権を握り、トマス・ピットがマドラス長官だった時代。モア船長が縄張りとするのはインド洋。彼の脇を固めるのは“男爵”や“イルカ”“赤鼻”といった一癖ある海賊たちですが、今回、中心視点として語るのは他の人物。
    “マドラスの星”として名高いダイアモンドが、託された上席商務員ごと消えた事件の真相を解明するため、イギリス本国の東インド会社から派遣されたマイケル・クレイ青年です。
    彼は、失踪した上席商務員の美しい妻、なにやら後ろ暗いところのありそうな長官、野心勃々たるオランダ東インド会社の男と言った面々と交わりながら、“マドラスの星”を追う過程で、モア船長とめぐり合うことになります。・・・。

    ●すっきりした構成と展開でおもしろかったです。
    やたらと改行が多くて白いのが、老眼気味な自分にはありがたかった次第。なんと一つの文の途中で改行するのには最初ちょっと驚いたが。ページ稼ぎすぎでは? 
    モア船長は某雀船長とは対極にあるような沈着冷静キャラですが、しっかりかっこよいです。日本の伝統時代小説の筆致で海賊小説を書いたらこうなると言うお手本かも。(←これはてきとうな意見。)

  • 海賊モア船長の遍歴の続編。マダガスカルの星というダイヤと共に消えたイギリスの東インド会社職員。その行方を追うためにインドに派遣された東インド会社ロンドン本社の秘書官。同盟を結びながら反発するオランダ軍とイギリス軍。海賊と組んでインド洋での主権を取ろうとするフランス。そこに海賊モア一味がからんでいきます。題名のとおり、愛船のマストが折れしょんぼり気味のモア。隠れ家でひたすら船の修理。と思いきや・・・。今回は前作にくらべインド洋を駆け巡る壮大さは薄れています。でも、モアの知恵っぷりはパワーアップ。ストーリー性も増した気がします。いやぁ、面白い。海賊は小悪で、アジアから搾取するヨーロッパの権力は巨悪だそうです。巨悪は悪いことをしても権力があってつかまらないからいいんだそうです。なるほど。現代にもいえますねぇ。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1948年大阪生まれ。広告代理店に勤務。1982年、小説現代新人賞を受賞し作家デビュー。主な作品に、『海賊モア船長の遍歴』『クリスマス黙示録』『仏蘭西シネマ』『不思議島』『症例A』などがある。

「2021年 『多島斗志之裏ベスト1  クリスマス黙示録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

多島斗志之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×