バスジャック

  • 集英社 (2005年11月25日発売)
3.49
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784087747867

作品紹介・あらすじ

あの『となり町戦争』に続く衝撃作!
話題のデビュー作に続く注目の第2作。バスジャックブームの昨今、人々はこの新種の娯楽を求めて高速バスに殺到するが…。表題作他、奇想あり抒情ありの多彩な筆致で描いた全7編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「となり町戦争」からしばらく時間が空きつつも、三崎さんの本、2冊目に挑戦。

    相変わらず、エキセントリック?(笑)なので「動物園」まで読んで、あとは読むのをやめようかと数日放置していたのですが、せっかくだからと最後まで読んでみました。

    最後の短編「送りの夏」もちょっぴりぶっ飛んだストーリーではあるのですが、話の芯というか軸というか。。。上手く表現できないのですが、物語のコアの部分は、一人の人間としてグッとくるものがあり、深く考えさせられました。諦めずに最後まで読んで良かったですwww

    ちなみに、私が気に入った短編は「しあわせな光」と「送りの夏」でした。
    三崎さんの物語は波長が合わないと読むのに疲れるけど、ハマるとグイグイ来ますね♪

  • 不思議な世界観の短編集。わりと好き。

  •  図書館より。

     少し不思議な世界観と人々を描いた掌編から中編の作品を7編収録した作品集。

     各短編ののアイディアの多様さに驚きました。表題作はバスジャックが合法化され一種のパフォーマンスとなった世界観の話で、他に「二階扉をつけてください」は、全家庭の二階に使う予定のない扉をつけないといけない世界の話、「動物園」は一種の超能力もの。

     特に「二階扉をつけてください」は世界観の奇妙さがずっと続いていき、そして不条理なラストを迎えるという何ともひねくれた短編。
    でもなんだか嫌いになれず主人公の困惑ぷりをにやにやしながら読みました。

     掌編で印象的だったのは「しあわせな光」。たった数ページの作品ながらタイトル通り心温まる作品になっています。

     12歳の少女のひと夏の体験を描いた「送りの夏」は、喪失と再生を描いたこちらも心が温かくなる中編です。

     アイディアのつまったおもちゃ箱といった感じの作品集で、今まで三崎さんの作品は読む機会がなかったのですが、もっと三崎さんのアイディアを味わい尽くしたいな、と思いました。

    日本推理作家協会賞短編部門候補作「バスジャック」

  • なんとも表現できない不思議な話が詰まった短編集。
    でもこういうのが個人的にはすごく好きなんだろうな。
    ミステリーでもない、ファンタジーでもない。でもどちらでもあり得るような・・。
    決して幸せな気分になれるばかりの話ではなくて、後味が悪いものあります。

    この中で好きなのは比較的、ハッピーな結末に思える最後の送りの夏。
    小学生の麻美が経験する不思議な夏。

    現実ではあり得ないかもしれないけど、どこかであり得ると思える設定も好きです。
    そして、本当に大切な人であればきっと同じようなことをしてもおかしくない。
    深く追及しても仕方ないことなんだよね、生死って。

    誰かにとっては、受け入れられないほどの衝撃でなにかに頼ってしまう。それでしか生きていかれない。残されたものの、儀式とでもいうのかね。

    麻美という現実が、住人を少しずつ変えていく。劇的にではなく、少しの現実で生死の境目をうっすらぼかしてくれる。

    生死は本当にはっきりとした境をつけてしまう。あっちとこっち。相容れない。そこに愕然とするんだよね。
    私もあっちに生きたい。けど常識という概念に囚われて(まぁそれが常識かどうかは議論の余地ありだけど)それができないから、結果的にこの話のような落としどころになるのはとても理解できる。

    動物園も好きな話。
    ほんと、ファンタジーなんだよね。だって現実ではあり得ないから。でもそうは思えない。
    そのバランス(か、もしくは読み手の私の感覚?)が絶妙。ストーリーを追うだけでなく、その世界観を愛せるっていいね。

  • ずっと前からこうだったでしょ、てな感じで、違和感のある世界を当たり前のように提示される面白さ&怖さが好きでした。
    三崎さんらしい短編集で、でも、長さも内容もバラエティに富んでて、そこがまたよかったです。



    表題作の「バスジャック」が一番好きでした。
    なぜか、バスジャックが“ブーム”になっているという設定の日本。本来は犯罪のはずなのに、いつの間にか、ルールというか様式美まで求められていて、その違和感の気持ち悪さが面白かった・・。(*^_^*)

    能楽に見立てた「シテ」「ツレ」「地謡」「後見」という4人で行うことになってしまっているバスジャック。きっちりとその場を仕切れる、有能かつカッコいいバスジャックでなければ、バスの乗客たちは少しも恐れないし、小馬鹿にされたりもするんだよね。
    一人称の「私」目線で語られるこのお話。ちょうど乗りあわせたバスの中のジャックたちの未熟さを冷静に分析しつつ、読者にバスジャックの昨今を淡々と教えてくれるんだもの。で、彼はいったい、何者なのか。三崎さん、巧い!と思いながら、楽しく読みました。

    その他、「二階扉をつけてください」「動物園」がよかったです。
    「二階扉・・」は、ちょっとブラックなショート・ショートという感じ。
    そして、「動物園」は、動物がそこにいる、という幻影を人に見せることができる能力を持つ人々がいかに動物園で働いているか、のお話で、そんな人たちが会社を作って組織化されている、しかも、商売敵までいたりする、という設定が面白かった。また、実際に動物を作り出していくところ、それをみている人たちそれぞれの反応(勘のいい子は何かを感じてしまうんですよ。)などが、丁寧に描かれていて読み応えがありました。

    • 抽斗さん
      この短編集を読んだとき、私もじゅんさんと全く同じ作品(一番が「バスジャック」、次に「二階~」と「動物園」)が好きだったので、それを伝えたくて...
      この短編集を読んだとき、私もじゅんさんと全く同じ作品(一番が「バスジャック」、次に「二階~」と「動物園」)が好きだったので、それを伝えたくて思わずコメントを(^^;)。。
      じゅんさん、気が合いますね(笑)!
      2011/12/07
    • じゅんさん
      >抽斗様 嬉しいコメント、ありがとうございます!(*^_^*) そして、握手をさせてくださいませ! 好きなお話が一緒の人ってそれだけでお友だ...
      >抽斗様 嬉しいコメント、ありがとうございます!(*^_^*) そして、握手をさせてくださいませ! 好きなお話が一緒の人ってそれだけでお友だちになってもらいたいです。どうぞよろしくお願いしま~~す!(*^_^*)
      2011/12/07
  • 不思議な世界が広がる短編集。
    表題作「バスジャック」よりも
    最初の「二階扉をつけてください」がインパクト大。
    最後の最後でひっくり返される。
    ファンタジーの世界と人間ドラマが味わえる1冊。

  • 世にも奇妙な物語集といった感じの短編集。特に「二階扉をつけてください」が不気味で、怖くて、ぞわぞわした。表題作「バスジャック」は、バスジャックが犯罪としての危険性はそのままにアトラクションと化したような物語で、登場人物たちの楽しみ熱中した感じに反して、読んでいるこちらとしては寒気がするような物語だった。

  • シュールな雰囲気の短編集。
    村上春樹さんの影響を受けているかと思わせる表現が結構目に付くと思うのは私だけでしょうか。(特に「二人の記憶」は顕著かと・・)

  • 2025/04/12

  • 理解しづらい小説であつたが、送りの夏だけは、共感できました。人は大切な人にいつまでも、心のおとしどころを求め彷徨う。

  • あまりにも短い物語からは何も得られなかった。
    気持ち悪さだけが残る。

  • 2022.8.27 読了


    完全に ジャケ買い。。。ならぬ
    タイトル借り(図書館なので)の
    初の作家さんでした。

    ハラハラドキドキのサスペンスもの?て
    思ってたんですが、
    短編集で 世にも奇妙な物語みたいでした。

    どの話も、サラッと「へ?」て設定が
    出てくるのに、そこに触れることなく
    話が進んでゆく。
    ずっと いや、そんなことよりコレは??
    みたいな気分でした(笑)

  • 初めて三崎さんの作品読んだ。読み始めるまではバスジャックという長編小説かと思っていたら、意外にも短編集、かつ「バスジャック」も思っていたのとテイストが違っていて、独自の設定がとても面白かった。
    印象に残ったのは「二階扉をつけてください」「二人の記憶」「動物園」「送りの夏」で、中でも「送りの夏」の存在感は際立っていた。タイトルと登場人物の様子から、最後の時を静かに過ごす人たちの話かと思ったが、その少し斜め上を行かれたような印象で、まるでその場で一緒に見ているかのような描写が秀逸だと思う。大事な人を突然失うこと、ゆっくりと時間をかけて喪失と向き合って自分の気持ちに整理をつけること、色んなことを考えさせられた。
    「となり町戦争」も読んでみたい。

  • シュールかつ、面白い視点での短編集。
    全部有り得ないのに、何だか起こりそうな面白さ。

  • 市立図書館にて。

  • 日常から少しずれた、彼らの日常。七つのお話からなる短編集です。
    不条理な世界、ありえない事柄。不思議な理屈がまかり通る、独特な世界観といった感じ。
    こういう雰囲気だと、作者との相性が良くないと受け入れられない場合もありますよね。
    不思議なモノやファンタジー系は好きなので「動物園」と「送りの夏」は気に入りましたが
    その物語の理論みたいなもの、理屈っぽい部分が出てくると、ついていけなさも感じる。
    初読み作家さんだったので、もう何冊か読んで相性を確かめたいところです。

  • 誰かを「失う」ということ、これからも「ずっと続いていく」と思っていた日々を突然失うということ、それは、鋭利な刃物で切られた傷跡のようなものではないか。いつまでも塞がることなく血が流れ続けるのだ。
    (P.202)

  • 久々に読んだ三崎亜記のニセモノの妻が面白かったので、図書館にて借りる。
    コレも短編集。
    なんだかかなり長いのとすごい短いのが混在。
    そして今回はかなり面白いのと微妙なのも混在。
    普通の不思議系作品であるなら三崎亜記である必要はない。
    普通の日常がなんだかほんの少しだけズレて、非常に気持ち悪くなるのが三崎亜記の醍醐味である。
    というわけでこの作品の中では二階扉が最高である。
    この気持ち悪いズレは最高であった。
    オチもなかなかである。
    あとはまあ普通の不思議系作品。
    それでも面白いのはかなり面白いけどね。

  • 不思議な短編集。
    読者に理解できない不条理な設定で、煙に巻くだけの物語だと思った。
    最後の「送りの夏」だけは良かった。

  • ちょっと不思議な話を集めた短編集。
    お気に入りは、「二階扉をつけてください」
    …回覧板に書かれている近所のどの家にもついている二階扉をつけることになった主人公。電話帳で調べた業者が摩訶不思議。工事の様子も、なんか変。でも、取りあえずは立派な扉が付いた。里帰り出産から帰る途中の妻に、扉を付けたことを話すと、とっても喜んで…
    シュールですね。でも、好きです、この感じ。
    他の話も面白いです。ハートウォーミング系あり、ちょっぴり不気味系あり。
    初読みの作家さんでしたが、娘が「となり町戦争」を持っていることが判明。次回、是非読んでみようと思います。

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年『となり町戦争』で第17回小説すばる新人賞を受賞しビュー。同作は18万部のヒットとなり直木賞にもノミネートされた。著書に『廃墟建築士』『刻まれない明日』『コロヨシ!!』『決起! コロヨシ!!2』など。

「2021年 『博多さっぱそうらん記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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