- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087747867
感想・レビュー・書評
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「となり町戦争」からしばらく時間が空きつつも、三崎さんの本、2冊目に挑戦。
相変わらず、エキセントリック?(笑)なので「動物園」まで読んで、あとは読むのをやめようかと数日放置していたのですが、せっかくだからと最後まで読んでみました。
最後の短編「送りの夏」もちょっぴりぶっ飛んだストーリーではあるのですが、話の芯というか軸というか。。。上手く表現できないのですが、物語のコアの部分は、一人の人間としてグッとくるものがあり、深く考えさせられました。諦めずに最後まで読んで良かったですwww
ちなみに、私が気に入った短編は「しあわせな光」と「送りの夏」でした。
三崎さんの物語は波長が合わないと読むのに疲れるけど、ハマるとグイグイ来ますね♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不思議な世界観の短編集。わりと好き。
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図書館より。
少し不思議な世界観と人々を描いた掌編から中編の作品を7編収録した作品集。
各短編ののアイディアの多様さに驚きました。表題作はバスジャックが合法化され一種のパフォーマンスとなった世界観の話で、他に「二階扉をつけてください」は、全家庭の二階に使う予定のない扉をつけないといけない世界の話、「動物園」は一種の超能力もの。
特に「二階扉をつけてください」は世界観の奇妙さがずっと続いていき、そして不条理なラストを迎えるという何ともひねくれた短編。
でもなんだか嫌いになれず主人公の困惑ぷりをにやにやしながら読みました。
掌編で印象的だったのは「しあわせな光」。たった数ページの作品ながらタイトル通り心温まる作品になっています。
12歳の少女のひと夏の体験を描いた「送りの夏」は、喪失と再生を描いたこちらも心が温かくなる中編です。
アイディアのつまったおもちゃ箱といった感じの作品集で、今まで三崎さんの作品は読む機会がなかったのですが、もっと三崎さんのアイディアを味わい尽くしたいな、と思いました。
日本推理作家協会賞短編部門候補作「バスジャック」 -
ずっと前からこうだったでしょ、てな感じで、違和感のある世界を当たり前のように提示される面白さ&怖さが好きでした。
三崎さんらしい短編集で、でも、長さも内容もバラエティに富んでて、そこがまたよかったです。
表題作の「バスジャック」が一番好きでした。
なぜか、バスジャックが“ブーム”になっているという設定の日本。本来は犯罪のはずなのに、いつの間にか、ルールというか様式美まで求められていて、その違和感の気持ち悪さが面白かった・・。(*^_^*)
能楽に見立てた「シテ」「ツレ」「地謡」「後見」という4人で行うことになってしまっているバスジャック。きっちりとその場を仕切れる、有能かつカッコいいバスジャックでなければ、バスの乗客たちは少しも恐れないし、小馬鹿にされたりもするんだよね。
一人称の「私」目線で語られるこのお話。ちょうど乗りあわせたバスの中のジャックたちの未熟さを冷静に分析しつつ、読者にバスジャックの昨今を淡々と教えてくれるんだもの。で、彼はいったい、何者なのか。三崎さん、巧い!と思いながら、楽しく読みました。
その他、「二階扉をつけてください」「動物園」がよかったです。
「二階扉・・」は、ちょっとブラックなショート・ショートという感じ。
そして、「動物園」は、動物がそこにいる、という幻影を人に見せることができる能力を持つ人々がいかに動物園で働いているか、のお話で、そんな人たちが会社を作って組織化されている、しかも、商売敵までいたりする、という設定が面白かった。また、実際に動物を作り出していくところ、それをみている人たちそれぞれの反応(勘のいい子は何かを感じてしまうんですよ。)などが、丁寧に描かれていて読み応えがありました。-
この短編集を読んだとき、私もじゅんさんと全く同じ作品(一番が「バスジャック」、次に「二階~」と「動物園」)が好きだったので、それを伝えたくて...この短編集を読んだとき、私もじゅんさんと全く同じ作品(一番が「バスジャック」、次に「二階~」と「動物園」)が好きだったので、それを伝えたくて思わずコメントを(^^;)。。
じゅんさん、気が合いますね(笑)!2011/12/07 -
>抽斗様 嬉しいコメント、ありがとうございます!(*^_^*) そして、握手をさせてくださいませ! 好きなお話が一緒の人ってそれだけでお友だ...>抽斗様 嬉しいコメント、ありがとうございます!(*^_^*) そして、握手をさせてくださいませ! 好きなお話が一緒の人ってそれだけでお友だちになってもらいたいです。どうぞよろしくお願いしま~~す!(*^_^*)2011/12/07
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不思議な世界が広がる短編集。
表題作「バスジャック」よりも
最初の「二階扉をつけてください」がインパクト大。
最後の最後でひっくり返される。
ファンタジーの世界と人間ドラマが味わえる1冊。 -
あまりにも短い物語からは何も得られなかった。
気持ち悪さだけが残る。 -
2022.8.27 読了
完全に ジャケ買い。。。ならぬ
タイトル借り(図書館なので)の
初の作家さんでした。
ハラハラドキドキのサスペンスもの?て
思ってたんですが、
短編集で 世にも奇妙な物語みたいでした。
どの話も、サラッと「へ?」て設定が
出てくるのに、そこに触れることなく
話が進んでゆく。
ずっと いや、そんなことよりコレは??
みたいな気分でした(笑)
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初めて三崎さんの作品読んだ。読み始めるまではバスジャックという長編小説かと思っていたら、意外にも短編集、かつ「バスジャック」も思っていたのとテイストが違っていて、独自の設定がとれも面白かった。
印象に残ったのは「二階扉をつけてください」「二人の記憶」「動物園」「送りの夏」で、中でも「送りの夏」の存在感は際立っていた。タイトルと登場人物の様子から、最後の時を静かに過ごす人たちの話かと思ったが、その少し斜め上を行かれたような印象で、まるでその場で一緒に見ているかのような描写が秀逸だと思う。大事な人を突然失うこと、ゆっくりと時間をかけて喪失と向き合って自分の気持ちに整理をつけること、色んなことを考えさせられた。
「となり町戦争」も読んでみたい。
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シュールかつ、面白い視点での短編集。
全部有り得ないのに、何だか起こりそうな面白さ。