マルコの夢

著者 :
  • 集英社
3.28
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本棚登録 : 197
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (136ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087747881

作品紹介・あらすじ

姉の仕事を手伝うためにフランスへ渡った一馬。三つ星レストラン「ル・コント・ブルー」で働くことに。ある日オーナーからマルコを買いつけてきてほしいと頼まれ、わずかな手がかりをもとに日本に戻り動きだす。幻のマルコ、はたして一馬はたどりつけるのか…。マルコとは?奇妙な冒険譚。

感想・レビュー・書評

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  • 姉に呼ばれフランスへ渡った主人公の日常を描いたのかと思ったら、途中から世にも奇妙な物語に。その奇妙さが面白くて、有り得ない話だけど起こり得るんじゃないかと錯覚を起こす。(きのこの幻覚か!?(笑))
    きのこを巡って人生が繋がって行き、実は世界が?一つに繋がってるんじゃなかろうかと思ってしまった。本当、突拍子もない話だけれど、とても気に入りました。
    読み終わった後、休憩にあみぐるみを編んでいたのだが、無意識のうちにきのこ編んでた!私もこの物語に出てくるきのこ「マルコ」に魅了されてしまったのかも。。。

  • ゴールデンウィークが過ぎても就職が決まらない一馬は、フランスで働く姉の仕事を手伝うために渡仏し、どういうわけかその後三つ星レストラン「ル・コント・ブルー」で働くことになった。
    流されるように生きている一馬が、そこで自分を成長させる物語かと思いきや、今度は幻の食材「マルコ」の買い付けのために日本に戻される。

    幻の食材を求めて奔走する話なのかと思いきや、話はとんでもない方向へと流されてゆく。
    今日、途中まで読んだまま職場に忘れてきた「砂の女」がふいに立ち現れたかのように。
    本人の意思ではないところで運命が決められていく。
    絡めとられていく。
    キノコに。
    キノコに?

    ホラーでも、ファンタジーでもない、なにやらむずむずする読後感。
    いや、ホラーかな、やっぱり。
    だって麻痺および覚醒・興奮作用を持つ成分が含まれるきのこだけを食べてるよ、一馬ったら。
    しかも一馬の水分の摂取量ハンパない。
    キノコの最終形態は冬虫夏草ならぬ冬人夏草なのではないかと思い至る。
    考えすぎでしょうか。

  • 栗太さんの世界館がとても好き。

  • きのこにまつわる物語。きのこでつながる人と人生。きのこをネタにこれだけ広げられるところにまず脱帽。真面目な感じで流しているけれど、「ここ笑っていい?」みたいな箇所も有。兎にも角にも面白い一冊。サクサク読める。

  • 突き抜けるキノコ愛に満ち満ちた純愛小説。主人公の周りで起こるあれこれも、キノコにたどり着く運命も、媚薬のような胞子で魅了するキノコの正体も、元を正せば全てはこの半次元はみ出したキノコ世界。ヒビの入った眼鏡をかけ続けたり、女性にサインをもらうのをやめられなかったり、ほんの少し関わる僅かにずれた人たちもやけに気にかかる。すべてはキノコの計らい。何様だよ、キノコ様かよ。妙にリアルなテレビ塔の話と、収束に向け加速する幻夢が混在する幻覚小説。このシュールさを良しとする人とキノコ談義したくなる。これもキノコマジック。

  • マルコに出会いたい!
    マルコを嗅ぎたい!
    マルコを食べたい!
    マルコで痺れたい!

  • きのこに取りつかれたひとの話。
    というのが一番シンプルなのかな。。
    くりたさんぽく、スムーズに読み進められた。
    くりたさんの小説はいつも読みやすい。
    話の内容も謎っぽくて、どんなときでも読めるし気分悪くならないのが魅力。

  • 不気味なもの、美味しいもの、毒のあるもの、簡単に手に入らず珍重されるものなど、色も形もさまざまで生態も謎めいているものなーんだ? 答えはキノコ。
    この小説には“マルコ”という架空のキノコが登場する。一度食べたら虜になるという幻のキノコである。一馬は“マルコ”を探す旅に出て、思いがけない事実を知ることとなる。

  • 芥川龍之介賞の候補、オススメの棚にあったので読んでみた。この作者さんの本は初めて読んだけど、独特な雰囲気を醸し出す文章で、読み手を引き込む魅力がある。
    けど肝心の内容は何とも言えない、すかすかした感じ。
    結局分からずじまいなところもあって不気味さや疑問が残る作品だった。

  • ホラーじゃん!つかまってんじゃん!こわっ

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著者プロフィール

直木賞を受賞した恋愛文学の旗手から、早熟の天才少女作家まで。いま、もっとも切実な恋を描く6人の女性。

「2008年 『コイノカオリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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