夜の朝顔

  • 集英社 (2006年4月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784087748062

作品紹介・あらすじ

人生で一番長い6年。
05年『檸檬のころ』で一気に注目を集めた著者。小学生センリが初めて知る不安、痛み、恋。新しい発見に満ちた濃密な日々のなか、ゆっくりとオトナになる少女を描いた連作集。

感想・レビュー・書評

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  • このひとはなぜこんなにも忘れさられてしまった風景を克明に書くことができるのだろうか、なんて読みながら思った。もう2桁以上前のことなのに、あのころの自分の生きにくさや、どうしようもない、いまでいう若気の至りを思い出した。大人もたいていめんどくさいけど、子供も子供なりにめんどくさいのである。ちいさな違和感を抱えて、その違和感がなにか大きな存在にならないようにと必死にその芽を枯らそうとしている。そうやって生きていくのがあたりまえになっていくのはやっぱりさびしいもんだよなあ。
    この歳だからできることはたくさんあるし、逆にああいうまだ子供として生きていたころににしかできないものがある。いろんなものを得たり捨てたりして生きていくんだよなあ、踏ん切りがつかないと悲惨だけども。
    「先生のお気に入り」を読んで、だれかのトクベツになってみたいと思うことの甘酸っぱさを思い出した。

    (200P)

  • 小学生って見栄っ張りやしいじめてみたり恋してみたり先生に好かれてみたり、大変やな
    自分の周りにはいじめとかなかったけど都会じゃこれが普通なんかねー

  • #24奈良県立図書情報館ビブリオバトル「おとな」で紹介された本です。
    2013.1.14
    http://eventinformation.blog116.fc2.com/blog-entry-917.html?sp

  • 小学校一年生から六年生までのひとつずつの出来事。自分は全然覚えていないけれど、何故だか自然と感情移入してしまった。小学生は、六年間でしっかりとひとつずつ、いろんなことを学んでいくんです

  • 作者の思い出が詰まった、アルバムのような作品。
    子どもの純粋だけど、「それだけじゃない」部分がそれぞれの物語にうまく組み込まれていてよかった。

  • 自分の小学校時代に、こんなことを考えていたかな~?と、思いながら読みました。

    最後の「夜の朝顔」が好き。

  • 豊島ミホ2ndがこれ

    やっぱりこの人は、何気ないんだけど
    みんなが共感できる感情を描写するのが本当に上手い

    しいて言えば、小学生にしては考えが大人すぎる気もしたけどね

  • 小学生の女の子。女の子って、小さくても女だ。
    すぐグループを作る。トイレに連れだって行く。
    そうゆうの嫌いだったなあ。共感した。子供の頃の私。
    きっとセンちゃんと友達になれたよ。
    ちょっとヒリヒリした。ちょっと泣いた。

  • 小学生のアルバムをイメージして書かれた連作短編集。全7編。
    鄙びた田舎で暮らす、着飾らない女子小学生の日常。小1~小6まで。

    お姉ちゃんなんだから。虐待児童との遭遇。犯罪の影。
    クラス内のしこり。拭いきれない疎外感。
    バレンタイン、ませた女子による牽制。

    元・女子小学生だと、どれかは体験したことがありそうな話だが、男性はどのような印象を抱くのだろう?

  • 小学生の気持ち。よく覚えてて表現出来てるな。

  • 親戚のお兄ちゃんにはしゃぐとか周りがずっと同じメンバーで他校の生徒に自己紹介でドキドキするとか田舎の子あるあるだなあ...自分も小児喘息だったのでチエミが健康に育って安心しました。妹ェ...。
    ビニールの下の女の子と五月の虫歯が好きです。

  • ★1.5

  • 小6の娘に薦められて読んだ。小学生の頃の甘く切ない気持ちを引き出してくれた。懐かしさを感じさせる小説。

  • 安定の甘酸っぱくほろ苦い豊島ミホ。
    「先生のお気に入り」がとてもとても良い。

  • 子供の頃の気持ち、小一から小六までの少女の成長。

    体が弱かった妹、田舎ゆえにクラス替えはなく毎日顔を会わせた友達
    いじられてばかりの男の子が拾った鳥のヒナ、隣町の歯医者通いで出会った女の子
    妹が歌っていた星座の歌、友達が抱いた先生への恋心、初恋

    いつの間にか忘れてしまう子供の頃の気持ち。
    ただ何となく流れる日々を漂うように過ごしていたわけでは、なかったあの頃。

    ふーん。著者は小学校六年間の遠足の行き先を憶えているらしい。
    中学生くらいから既に小学校の記憶が曖昧な自分)^o^(

  • あの頃感じてた、言葉にできなかった気持ちを代弁してくれる本。最後の3つのストーリーが、すごくいい。

  • 少女の小学1年生から6年生までの物語です。

    この少女はなんというか,けっこうドライです。
    後半になるにつれてそれはハッキリしてきます。
    周囲に対して一歩線引いているという感じです。

    自分が小学生の頃はこんな風なオトナな考えはなかったんじゃないかなぁ。
    むしろ何も考えてなさそうだったかも…。
    と思うのですが,このドライな自分はどこか心の奥底にいたような気がしてしまうのです。

    それはあの頃の自分はあまりにも言葉を知らなかったから,
    だから,その感情をどう表現していいかわからなかったし,その正体がわからなかったような気もする。
    今だったらわかるっていうことはだんだん増えていきます。

    あとがきにもありましたが,そういうあの頃わからなかったものを表面化したような、そんな物語でした。

    最後の1編はちょっと柔らかくなった感じがしてちょっと切ないようなほほえましいような気持ちでした。

  • ドコドコドコドコ、と、不格好な音を立てながらバイクは山道をのぼっていた。私はじいちゃんの背中につかまりながら、気持ちよく頬を叩いていく風を感じている。

  • 子どもの頃の上手く言葉にできないモヤモヤが詰まった本。
    今はもう通り過ぎてしまった場所だけど、読むことで当時のもやもやとした、何と言うか、言葉にできないいろんな想いが思い出された。

  • memo:自分も主人公のセンリみたいな立ち位置だったなぁ。小学生のあの、特有な文化(笑)を思い出させてくれました。

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著者プロフィール

2002年、新潮社「女による女のための『R-18』文学賞」で読者賞を受賞し、同年『青空チェリー』刊行でデビュー。著作に『檸檬のころ』『夜の朝顔』『リテイク・シックスティーン』などがある。

「2010年 『神田川デイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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