水銀虫

  • 集英社 (2006年9月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784087748130

作品紹介・あらすじ

期待の直木賞作家が描く鬱小説。
誰もが抱える水銀虫。彼等は寄生する人の心に宿り自殺へと導くのだ。水銀虫に導かれた者達の暗い一日を描いた7つの短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 黒朱川作品。
    立て続けに黒を読んでしまいました。
    全て「○○の日」というタイトルで、様々な罪と罰を描いた7編の短編集。
    作中で描かれる水銀虫がなんとも良い。本当に誰しもが抱えているのでしょうね。
    徐々に忍び寄る恐怖に、読み手のこちらにもざわざわした感覚が伝染していくようです。
    なんとも言えない余韻に包まれ、朱川さんのセンスの良さを改めて感じさせる作品です。
    「はだれの日」「薄氷の日」が特に好みでした。
    禍々しさを感じさせる表紙も好きです。
    余談ですが夕食がたまたまアレで、食後に読んだので微妙な気持ちになりました(笑)

  • 短編集。帯にある通り、1話1話どんどん後味が悪く憂鬱になってくる作品。
    話の流れというかネタ的には平山夢明の「東京伝説」小説版みたいな雰囲気なんだけど、朱川さんの簡素な描写が小説にぞわぞわするような深みを与えているような気がする。
    一番うわーと思ったのは「病猫の日」。これはホラーだけどどこの家庭にも起こりうることだし。
    「薄氷の日」が一番好きだった。勧善懲悪的な部分じゃなく、狂い方がいいと思った。

  • 禁断の愛に苦しむ兄と妹。。。
    過去にいじめた同級生におびえる女。。。
    母を自殺に追いやった女を殺した男。。。

    さまざまな罪を犯した人々が、描かれているのですが、
    なんとなく後味が、湿っぽく、ゾクリとする、
    一味違ったホラーだと思います。

    この本の中では、水銀虫とは、
    「人の魂の中に入り込んで、這いずり回り、
    やがて無数の穴を開けてしまう、実際にはいるはずの無い虫」とあります。

    なにやら、心がぞわぞわする。。。
    首筋が。。。頭の中が。。。もぞもぞする。。。
    それは感覚のみで、虫がいるはずはないのだけれど、
    もしも、そんな虫がいたら。。。

    幼い頃、体温計を割ったことがあります。
    水銀が飛び出して、玉になってコロコロ転がって、
    つかもうとしてもつかめないんです。
    まるで、生きている虫のような。。。
    きっと、そんな感じなのかも。。。

    表紙も、なかなかいいでしょ。
    少女のまわりにうごめく虫。。。ではなく、よく見るとナイフ。
    好きだな、こうゆうの。読書欲をそそられます。

  • なかなか楽しめましたが、若干消化不良と言うか、後は読者の想像にお任せみたいな感じで、もう少し深掘りして欲しい話しばかりでした。短編集なので、それはそれでサクッと読めて良かったですが、、、
    ホラー物ですが心霊的な物ではなく人間の悪の部分を前面に出した作品集です。それぞれを長編にしたら一冊ごとにもっと面白い作品になるのではないか?!そこが唯一残念な所でした。

  • どの話もじんわり気味が悪くて楽しめました。

  • 6つの短編から。
    登場人物達の罪、罪悪感について、がテーマだろうか??


    あまり読み返したくない辛いものが多い。。

    小学生の山の話が一番怖かった。集団心理というか、情けない所は見せられないという見栄、相手に引きずられるノリ、
    少年犯罪の「そんなつもりはなかった。」というのは
    こういうのが原因なのだろうか。。

  • こわいけど、何度も本を開けてしまう。

    濃い話が多い。面白い。
    この本の表紙の様に、不吉さが漂う。

    罪悪感を感じていなかった、薄氷の日が気になった。
    私は罪悪感を感じるべきことで、反省出来るのだろうかと思って・・。人は無意識のうちに、酷いことをしている場合があるから。感じられるといいなぁ。

  • Xmasモノ?ということで(^^;;、「薄氷の日」を再読。やっぱりこの作品は後味悪い〜(>_<)

  • 人の心を蝕む「水銀虫」という存在。短編集ですが、怖いもの見たさで一気に読んでしまいます。心霊物ではないホラーを求めている人におすすめしたい1冊。

    熊本学園大学:まい

  • 連続朱川本。

    二日続けて朱川さんの本を読むと同じような文章表現が見つかる。
    「この文、昨日も見たぞ」といった体で。

    帯に「罪と罰」ってあったけどああなるほどなと思う。うまい具合に話が罪と罰で構成されている。最後の話は微妙だけど。
    時々ゾッとするくらいで全体的にホラー要素は低めかなという感じだけど「博氷の日」は怖かった。毎年クリスマスになると必ずやって来るあの子。その薄気味悪さに。
    でも最後がファンタジー色が濃くなっちゃって怖さは半減してしまった。

    あと麻薬、ダメ。ゼッタイ。

  • 二回目だけどやっぱり朱川湊人は面白いです。ただのホラーとは違う、気味の悪い掴み所のないけどどこかリアリティーを感じる一冊でした。作中の言葉を借りるなら、頭の中を蟲が這いずり回るような、そんな気持ち悪さがする感じ

  • 図書館より。

    水銀虫というのは人の魂に入り込んで這いずり回り、やがて無数の穴をあけてしまう、というものと作中で説明されています。それに憑りつかれたと思しき人々を描いた短編集となっています。

    全編を通して暗くぞっとさせる話です。朱川さんの作風は切なさや人の優しさが最後に残るものをここ最近読んでいたので、それを「陽」の朱川さんとするならこの「陰」の朱川さんは新鮮であるとともに、その暗さや不気味さにやられました。

    印象的なのは『しぐれの日』
    雨宿りしていた少年が偶然出会った若い女性に部屋で雨宿りさせてもらうのだが……という話。
    見ず知らずの大人と子供の気安い関係は、昭和時代を舞台とした朱川さんの作品に共通したものだと思うのですが、ラスト近くににゾッ……ついつい想像力を喚起させられてしまいます。

    『虎落の日』は孫を事故で失った友人を尋ねることになった老婦人とその孫の話。
    考えたらオチは読めそうだったのですが、あまり考えずに読んでいたので思わずうわっとなってしまいました。でもこれはオチが読めていてもかなりイヤーな雰囲気の残る作品になると思います。

    『微熱の日』は新しい秘密基地に向かう少年たちの話。これも想像力を喚起させられる描写もさることながら、幼さゆえの残酷さが鬱になります。そしてラストの救われなさもなかなかのものですね……

    各短編読ませる巧さと安定感は相変わらず。今のところ朱川さんの短編でイマイチ、と思ったものがないのってすごいなあ。

  • 2010 12/18

  • 暗い雨の日に読むと読後、鬱になります。

    水銀虫がぞわっと体を這いずる瞬間が、本当にありそう・・
    人間怖いと思わされます。


    私事なのですが、この本の装画描いた人が学校に講演しにきたので、この本の存在を思い出した。

  • かさぶたはできるそばから、
    彼女の爪ではがされたのです。

    (枯葉の日/しぐれの日/はだれの日/虎落の日/薄氷の日/微熱の日/病猫の日)

  • 会社を辞める気で立ち寄ったコーヒーショップで
    山中は1人の女に声をかけられた。
    そのなれなれしさから娼婦だろうと察しがついたが
    そんな気にはなれず、同じ金額で一緒に散歩をすることにした。
    動物園の前で女がトイレに立った後
    山中は1人の男の子にジュースをねだられた。
    そのことを戻ってきた女に話す。
    「どうして人を殺したりしたの」
    「枯葉の日」ほか全7編。
    装丁:菊地信義 装画:鴻池朋子

    こういうグロ系は苦手です…
    勧善懲罰というか、筋は通っているけれど全然救われない。
    「病猫の日」がまだましかなぁ。

  • じわ怖系の短編集。こういうの好きです。
    自分の体にも水銀虫が這いずり回っているような錯覚に陥りました。
    「都市伝説セピア」と同じような雰囲気でしたが、「都市伝説~」の方に比べたらラストに少し含みを持たせたような、謎なまま終わっている話が多かった気がする。

  • 図書館で立ち読みしてたら面白かったので、ちゃんと借りて読んでみた。

    コーヒーショップで突然女性から声をかけられたのはなぜだったのか・・・「枯葉の日」

    雨宿りさせてもらったアパートに暮らす、優しいお姉さんの秘密・・・「しぐれの日」

    姉の自殺後、うちの家族に寄生したあの女・・・「はだれの日」

    孫を失ってしまった友人。悪いとは思いつつ、「お孫さんと一緒に」という彼女の言葉通りに友人宅へ向かった富士子だったが・・・「虎落の日」

    クリスマスイブの夜、リッチな彼からのプロポーズに胸を高鳴らせる奈央のもとに現れたのは・・・「薄氷の日」

    山中で隠れて煙草を吸うことがステイタスな悪ガキ2人。彼らが山の中で見つけ、虐殺したモノは、本当に伝説の山ワロだったのか?・・・「微熱の日」

    うつ病の妻、彼女の過去の恋人。新しき熱は古き思いを焼き払うのか・・・「病猫の日」

    朱川さんらしいホラー短編7編です。
    しぐれと薄氷が面白かったな。
    (薄氷はまさにブラックサンタ)

  • 花まんまを読んだ時の衝撃をおもいだした。朱川ワールド炸裂。

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朱川湊人の作品

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