家日和

  • 集英社 (2007年4月5日発売)
3.68
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784087748529

作品紹介・あらすじ

おかしくて切ない、〈在宅〉小説誕生!
ネットオークションにはまる主婦。会社が倒産し主夫となった営業マン。ロハスに凝る妻に辟易する小説家…。ちょっとズレても家庭は続く。夫と妻の心の機微を軽妙に描きだす、6つの物語。<b>第20回 柴田錬三郎賞 受賞作。<b>

感想・レビュー・書評

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  • 様々な家族の断片が垣間見られる短編集。

    15年前の小説なので、表現にちょっと違和感を感じるところがあった。
    それは「女」という言葉で一括りにするところ。

    最近では、あまり男女をカテゴライズしない小説が増えているので、余計にそう感じるのかもしれない。
    当時話題になった小説なので、読んでみたかったのだが、小説って、時代を映す鏡なのね…と感じた。

    続編もあるので、読んでみようかな…
    時代とともに、内容も変わるのかな?

    2022.3.4

  • 家族や家に関する話しで6編の短編集。

    同じような家族小説を描いている森 浩美さんとは違う家族の温かさを感じさせる作品です❗️森さんに比べて奥田さんの方が笑い度が少し強いかも⁉️

    第2弾の『我が家の問題』も非常に楽しみです。

  • もう10年位前に読んだ本。
    奥田さんのこの類いの話は、学校でテストに出ることがあると聞き、もちろん
    私が読み、息子に読ませた。
    でも、あまり興味を持ってくれなかったことを覚えている。「読んでおいたら?」「テストに使われ易いらしいわよ」
    今考えると、教育ママだったな~と
    懐かしく思う。

    それぞれの短編は、読み易くてすぐに
    読めたと思う。
    今でも覚えているのは、「妻と玄米御飯」
    温かみを覚えるお話は、やっぱり読後感が良くていいなあと思う。

  • 国民の生活の知恵
    日々の生活そのものを描いた短編小説でも「夫の会社が倒産で失業」は家族世帯にとって危機だ。だが妻は元の会社に復帰、自然と夫は主夫となり、妻の家事仕事を理解するようになる。今後世の中は「専業主婦」という職業は諸外国と同じ様に無くなるかもしれない。その理由はここ10年ほど物価上昇はあれどサラリーが上がっていないことが起因する。日本はこの先更なる経済停滞から右肩下がり、少子高齢化で年金減、介護保険高騰など、一向に無能な政策ばかりで10年後も不安ばかり抱える国になることが恐ろしい。 経済低成長、賃金減、物価高、国民は生活の知恵を絞り出すが、政治家にとっては生活インパクトは痒くも無い 忙しいいのは如何に予算を使い切るかに悩む。

  • 2024年64冊目
    『家日和』
    奥田英朗さん

     6つの家庭の小さな問題を取り上げてる短編集。ネットオークションにはまり、夫のお宝を売ってしまう主婦。会社が倒産し主夫となった営業マン。妻との別居を機に家を自分好みに模様替えする夫、ロハスに凝る妻に辟易する小説家…。

     どれも大したことないのかもしれないけど、家族だから、夫婦だからそのまま気にしないのもしんどくて、、、。ズレてるんだけど悪意があるわけじゃない人たちだからのほほんと楽しめました。

  • いつもの如く一瞬で読了。
    ほんわか話ばかりで、幸せな気分。
    一話目のネットオークションの話は、まるで自分みたいで特に面白かった。
    また奥田英朗読もうっと。

  • 40歳付近の夫婦の物語の短編集。
    サクッと読める。


    サニーデイ
    ここが青山
    家においでよ
    グループフルーツモンスター
    夫とカーテン
    妻と玄米御飯

  • 読了日2010/01
    家をテーマに描かれた6篇の短編集。
    どの話も軽いタッチで楽しめます。
    個人的には2つめの「ここが青山(せいざん)」が好き。
    会社が倒産して主夫になる。奥さんが代わりに働き始め、何事もなかったかのように新生活スタート!
    現実にこうなったらきっととても悲惨なんだろうけど、とってもとっても前向きな夫婦。
    クビになった同僚は死に物狂いで再就職を探す中、幼稚園の子供にブロッコリーをどうやって食べさせるか頭を悩ませたり、公園デビューをがんばったりと主夫を満喫する主人公。
    会社が倒産したと突然電話で打ち明けられた妻は、早速、美容体操。出産前のスーツを着て明日から働きに出るため!
    どんな逆行に立たされても、自分の気持ちの持ちようで、未来は明るくなる!これは覚えておこう・・・。
    この夫婦のように気持ちに余裕を持って、楽観的にのんびり生きていきたいな。

  • ★3.5…★4って思ったけど、1編がちょっと…(´⌒`。)

    家庭内の「明るい隙間」を描いた6編の短編集
    ・サニーデイ
    ・ここが青山
    ・家においでよ
    ・グレープフルーツ・モンスター
    ・夫とカーテン
    ・妻と玄米御飯

    家族は自分に無関心だと思い、ネットオークションに嵌る専業主婦。
    突然会社が倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマン。
    妻と別居したのを機に部屋の模様替えに凝り始めたサラリーマン。
    急にロハスに凝り始めた妻と隣人達に困惑する作家。
    様々な立場の人の日常が、軽いタッチで描かれている。
    何処か身近に居そうな人々の姿で、色々な家庭にあるだろうなぁって、
    思わせるお話しでした。

    良かったのは、「ここが青山」・「家においでよ」・「妻と玄米御飯」
    特に「家においでよ」は、理由も告げられず妻に家を出ていかれた
    サラリーマンが、凹むでもなく家の模様替をして部屋を〝男の隠れ家〟にし、
    彼の同僚の男性達も居心地の良さに彼の部屋に集まり、
    昔からやりたかったことを満喫するの面白かった♪

    「妻と玄米ご飯」…これは奥田さん自身の事かなぁって感じて、
    作者の生活を覗き見するようでドキドキ…。
    奥様への愛情が感じられて良かった

    • ortieortieさん
      初めまして。こちらの作品読了し、みなさんのレビューを拝見していました。しのさんの「家庭内の明るい隙間〜」の表現にまさに!その通り!と素敵な表...
      初めまして。こちらの作品読了し、みなさんのレビューを拝見していました。しのさんの「家庭内の明るい隙間〜」の表現にまさに!その通り!と素敵な表現だったので思わずいいねさせてもらいました。レビュー楽しみにしています☆
      2017/03/20
    • しのさん
      はじめまして(#^^#)
      コメントありがとうございました。
      私の感想に共感して下さってとっても嬉しかったです( *´艸`)
      奥田さんの...
      はじめまして(#^^#)
      コメントありがとうございました。
      私の感想に共感して下さってとっても嬉しかったです( *´艸`)
      奥田さんの家シリーズは本当に何処にでもありそうな家庭のお話でとっても大好きな作品です(#^.^#)
      2017/03/21
  • 「我が家の問題」が、とてもおもしろく読めたので、この本も読んでみようと思い、読み始めました。
    ちょっとした(大きなものあるが)日常の変化から、変わっていったり、また戻ったりしていく様子が、ほのぼのとした感じで書かれていっているのが、よいです。
    「サニーディ」や「家においでよ」は、ちょっとしたことから、変わっていくいく感じがよいし、「夫とカーテン」のスラップスティック的に話が展開しつつも、落ち着いてくる感じもよかった。
    必ずしも、万々歳の終わりでなくても、ほとんどが最後にホッとさせるようなことか、希望を持てるようなことがあるのが、好きです。

  • 初めて読んだ奥田さんの本。
    期待通りおもしろかった!この後、【イン・ザ・プール】も読みましたが、これもまた私好み。

  • 家庭生活におけるちょっとしたユーモア。
    ネットオークションで評価されて喜ぶ主婦の話、ヤフオクが流行り始めた頃、そういう光景はきっと津々浦々で見られたんだろうな。
    近年で言えば、メルカリか。メルカリで収益上げてるんだよって、ちょっと誇らしそうにいう人達もいた。時代は短いスパンで繰り返すんだな。
    ユーモア小説ではあるけど、当時の一般日本人の生活の記録でもある。

    ロハス生活玄米生活にハマる妻のことを書いたメタ的小説もおもしろかった。
    直木賞を獲得した小説家の「私小説」のようにも読めるけど、はたして。
    同じ人物が登場するわけでもないのに、「家での生活」をテーマに短編で3冊も本を出せる奥田英朗、さすが。安定のおもしろさ。

  • 同じ作家の(たぶん)シリーズ作「我が家のヒミツ」を読んだら読みやすくて面白かったのでシリーズ第1作目を読んでみた。

    どの話も夫婦の話。夫か妻、どちらかが主人公で、日常のちょっとした変化やできごとを切り取るスケッチのような連作。会社が倒産した夫が家事が楽しくなる話と、妻と別居した夫がオーディオや家具を買い好みの部屋をちくちくと作っていく話が好きだった。変化を楽しむ人の話は楽しい。

    著者がモデルなのではと思わせる作家が主人公の話は「我が家のヒミツ」にもあったのでシリーズのお約束なのかな。

  • 家庭をテーマにした6つの短編集。年代も近い設定が多いせいか、やたらリアリティが。。。 特に「家においでよ」は面白かった。妻に出て行かれた夫がここぞとばかりに自宅を男の隠れ家的にして、同僚たちと青春再び!みたいな。会社が倒産して専業主夫になる「ここが青山」とかも面白いが、そんなにうまくすぐ家事ができるようになるのか?という気もする。まぁもともと向いている人はそんなもんかもしれないけど。妻側が主人公の「サニーディ」「夫とカーテン」は結構面白かったけど、「グレープフルーツモンスター」はあんまり。。。かな。「妻と玄米ご飯」もオチがなかなか。

  • ネットオークションにハマってしまって禁断の夫のお宝に手を出してしまう主婦。会社が倒産して主夫になって人知れず家事育児に生きがいを感じ始めている夫の戸惑い。夫婦の別居を機会に家の中を自分の好みに変えて会社の同僚と男の時間を楽しむ夫…色んな家の中の出来事を素材にしたユーモラスな短編集。クスクス笑ったり大笑いしたり、そりゃヤバいよ、とハラハラしたり、ちょっと胸がジーンとしたり、とても面白かったです。最後の『妻と玄米御飯』はひょっとして、奥田英朗氏自身がモデルなのでしょうか?いや、きっとそうかも!(笑)
    全編主人公達に対する作者の優しい眼差しをを感じられて温かい気持ちになれるところがいいと思います。

  • 最終話をもって、著者の作家としての心理的葛藤を察した気がする。実際、モデルに対する呵責の念は結構な本音じゃなかろうか。作品6本、ネットオークション、専業主夫、理想のインテリア、妄想若返り、ポジティブ転職、そしてロハス。どれも現実に陥れば、脱却したくてもかなわずに苦悩するか、はたまた憑かれたかのごとく猛進するか。いずれにせよ、傍から見れば滑稽で確かにユーモア小説の恰好の的なんだけれど、すべて幸せな決着へと導いている。風刺する側が逆に風刺されちゃってて、センスいいなぁ。妄想妻だけは好みじゃないけど。

  • 08.03には3だったが、2回目でやはり傑作。★5へ。「ここが青山」、「家においでよ」

  • 奥田英朗による短編小説集であり、家シリーズの第1作。

    家族の形を描いた6本は、どこか共感するところがあり、ほのぼのした気持ちになります。

    「サニーディ」
    インターネットオークションにはまった主婦が、倦怠期?の夫の宝物を出品。出品後に夫の思わぬ優しさを知ってしまうが。。

    「ここが青山」
    会社が倒産し専業主夫になった奮闘を描く。。

    「家においでよ」
    妻と別居し、がらんどうになった部屋は趣味の部屋となって居心地が良くなっていく。そして妻は。。

    「夫とカーテン」
    夫が勝手に転職するたびにイラストレーターとしての仕事の質が上がる妻。。

    「麦と玄米御飯」
    ロハスにはまった妻とその仲間を揶揄する小説を書いてしまったことを後悔する作家。さて家庭はどうなる?

    時間を忘れて一気に読める一冊です。

  • 普通の家庭のちょっと普通じゃない短編集。
    個人的には「ここが青山」がお気に入り。
    常識にこだわる事無く
    それぞれのカタチがある。
    それぞれの作品にちょっぴりのスパイスとユーモアがある。

    2007年 集英社
    写真:本城直季
    装丁:大久保伸子

  • もっと家庭を楽しまなければと思い知らされた。でもやっぱりお金があるから幸せなんですね。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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