萌神分魂譜

  • 集英社 (2008年1月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784087748994

みんなの感想まとめ

テーマは、愛や存在の再生を巡る物語であり、神話的な要素が絡む独特の世界観が魅力です。物語は、古市遊郭で遊女に売られていたお札が地霊として数十年を過ごし、ようやく「姫」と出会う様子を描いています。語りは...

感想・レビュー・書評

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  • 古市遊郭で遊女に売られていたお札の売れ残りが地霊となり数十年、ようやく彼の思う「姫」と出会う。地霊の語りと、姫=いつもの私小説的「私」の語りが交互になる構成で、世界観としては『金毘羅』などの系譜。つまり「私」は人間の体に生まれてしまった神(金毘羅)であり、オリジナルの信仰を持っていて、それはサルタヒコからスクナヒコナになり、やがて台所の床から萌神、分魂が生えてくる(この分魂がお札の地霊)

    タイトルになっている萌神分魂のネーミング由来について作中で語られているけれど、そもそも「萌え」の定義をあえて誤読されているのかオリジナル定義なのか、そもそも純文学と相性の悪いこの萌えという言葉を乱発されることにちょっと居心地が悪くなる。腐女子についても解説があるけれど、当事者としてはなんかちょっと違う、という気持ち。鋭い分析もある反面、しょせん部外者の言葉だという気もする。

    まあそれはさておき。お札はどうやら男性なので、男性一人称というのは笙野作品では珍しいのではないかと思った。あと後半、なぜかジャズをやってる従兄と弟の大学時代のエピソードが延々続き、他の本ではあまり語られていない時期の話で新鮮でした。

  • 猫を立て続けに亡くした作者が悲しみから再生する話…で良いのかな?

    作者の宗教についての話が多く、神様なども喋っていたり、いろいろ話が切り替わるので難しかった。
    でも、最後まで読むと圧倒的なパワーに感動してしまった。

  • <b>父も母も私に良くしてくれたし愛も与えられた。しかしどこかで方向が狂ってしまって、私は人間以外の物に注いだ愛が返ってくる時にだけ、自分は愛されていると感じるようになった。</b><br>
    (P.149)

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著者プロフィール

笙野頼子(しょうの よりこ)
1956年三重県生まれ。立命館大学法学部卒業。
81年「極楽」で群像新人文学賞受賞。91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、同年「タイムスリップ・コンビナート」で芥川龍之介賞、2001年『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー大賞、05年『金毘羅』で伊藤整文学賞、14年『未闘病記―膠原病、「混合性結合組織病」の』で野間文芸賞をそれぞれ受賞。
著書に『ひょうすべの国―植民人喰い条約』『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』『ウラミズモ奴隷選挙』『会いに行って 静流藤娘紀行』『猫沼』『笙野頼子発禁小説集』『女肉男食 ジェンダーの怖い話』『解禁随筆集』など多数。
11年から16年まで立教大学大学院特任教授。

「2025年 『白内障完治年の老婆カレンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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