王妃の離婚

  • 集英社 (1999年2月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784087752489

作品紹介・あらすじ

15世紀末。国王ルイ12世の離婚の申し立てに、王妃は徹底抗戦の構え。弁護を引き受けたフランソワの鮮やかな戦略とは。法廷サスペンスと歴史小説を見事に融合させた作品。第121回直木賞受賞作。

みんなの感想まとめ

歴史的な背景を持つ法廷サスペンスが織りなす物語は、登場人物たちの悲しみや葛藤を通じて深い感情を呼び起こします。特に、裁判が始まると物語は一層引き込まれ、当時の結婚観や男女の力関係について考えさせられま...

感想・レビュー・書評

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  • ハッピーエンドなのかな?
    終盤までのそれぞれの登場人物の悲しみが、心にいつまでも残る。突き刺さっている感じ。
    佐藤賢一さんは、以前、『傭兵ピエール』を読んだのを思い出した。どこまで事実なのかわからないけど、当時のリアルであろう描写に、グロテスクだなと思った一面も。
    でも、それが美化するより、事実を学べて良かったり。

  • フランソワが弁護を引き受ける場面が1番好き。私もこういうふうに生きられたら、と思う。
    街中の民衆含め、全ての登場人物が生き生きとしていて魅力的。誰も聖人君子じゃなくて、極悪人にもならないのが良い。私はオーエンが特に好き。最期のシーンももちろん好きだけど、やっぱり「ルイ11世の犬だ」ってなるところが一番好き。こんな風に盲目的に尊敬できる人がいるのは憧れる。
    結婚や、男女や、キリスト教について考えさせられる本だった。結婚観よりも、人間関係の答えを見た気がする。誰もが夫や妻、キリスト教や、君主などを絶対的な主として生きてるって考え方は、自分にも当てはめられる部分があるかもしれない。
    でも、それよりも共感できたのは学問観。「インテリは権力に屈してはならない」もそうだけど、何のために勉強してるのか、私の勉強はどんな時に役立てるべきなのかを考え直せる。紙の上の学問ではない感覚がある。フランソワの裁判記録の授業は生きた感覚のものではない、と言っていたけれど、反対に私も、勉強の時に何か過去に目を通した時に少しでも生きた感覚を多く感じられたら、と再認識した。普段もそう感じていたけれど、こんなに面白いレベルまでは想像したことがない。特に、離婚裁判なんてつまらないという先入観があった。それを本当に覆されたから、自分の想像力の欠如の方に問題があったのだと気付かされた。

  • 読み応えのある作品でした。特に裁判が始まってからはどんどん引き込まれて、当時の結婚の完成、という観念や、今と変わらない男の身勝手さや、逆に今とは違う思うに任せない結婚事情などとても興味深く読めました。なかなか女には屈辱的な場面あり、そこまでするのか・・・と思ったりもしましたが。フランソワの攻める姿勢、譲らない誇り等、ちょっとリーガル・ハイを思い出してしました。もちろんコミカルな所など皆無ですが。最後に分かった意外な事実には驚き。多分ハッピーエンド。王も離婚できて良かったのかな。その後はダメっぽかったけど。

  • 舞台設定のせいなのか、はたまた若干持って回ったかのような言い回しのせいなのか、序盤はどうにも読み辛く、とっつき難かった。
    いや、たぶん模擬裁判風の問答のせいかな。
    ところがフランソワ・ベトゥーラスが王妃の弁護を引き受けるあたりから、俄然物語は吸引力を増す。
    もちろんフィクションだから、力技のご都合主義を感じぬわけではないが、それを差っ引いても娯楽性は十二分。
    どちらかといえば直球のストーリーに、程よくスパイスを効かせる具合のミステリー性も見事に好バランスを生み出している。
    そして何といってもラストが抜群にいい。
    うん、面白い話だったな、と比較的ライトな心持ちで読了しようとしている読者の心を一気に揺さぶる秀逸のラストシーンに、星5つ。

  • ルイ12世から離婚をせまられた正妻の公女ジャンヌ。
    その裁判に、かかわりあうことになる敏腕弁護士フランソワ。
    そして、彼の若き日の恋人ベリンダとの過去が明らかになってくる。

    男と女とは、結婚とは、についていろいろと考えさせられる。
    また、若さとは、暴力とは、そして、失われた青春と、自分のなくしてしまったもの、についてもね。

    キャラがたってるし、テンポがいいので、読みやすい。
    ベリンダの弟のオーエン、教皇庁から派遣されたアルメイダ、そして有能な学生フランソワ。

    あのチェーザレ・ボルジアもでてくるし、ルネッサンス期のヨーロッパが好きな人ならとっても楽しめる。
    是非青池保子さんに漫画化してほしい

    フランソワ:
    インテリは権力に屈してはならない。意味がなくとも、常に逆らわねばならない。

  • オフクロに薦められた一冊。

    佐藤賢一さんが同郷ということもあり、親近感を持ちながらも、
    最初は読みづらいのかなぁ、なんて思いながら・・・。

    中世フランスという、なかなかなじみにくい時代が舞台ではあるが、
    なんのなんの。後半に行くにしたがって
    小説としてのテンポの良さが心地よく、ぐいぐい引き込まれる小説だった。

    前半にある、「女性蔑視」とその対比。
    あれよあれよと弁護に立ち、
    その手腕たるや、さすがインテリ。
    うん。爽快。

    そうなっちゃうんじゃないか、っていう
    ある意味僕の期待通りの・・・。

    面白かったですよ。

  • 初読は10年前ですが、何度でも読みたくなります。
    登場人物がとにかく魅力的で、最後まで一文も無駄がない。
    "負"を背負わされた人間が生きるために戦い、自力で勝利を勝ち取る爽快感。読む価値のある快作です。

  • 1498年フランス。王ルイ12世が王妃ジャンヌに対して離婚裁判を起こした。孤立無援の王妃に対し、かつてパリ大学きっての秀才と謳われた伝説の男、フランソワ・ベトゥーラスが弁護を担当する。中世ヨーロッパ王族の教会裁判という、なじみのない題材を扱っていながらも、魅力的で生き生きとしたキャラの数々、真面目な顔して卑猥な裁判内容、権力同士の力関係、正体不明の暗殺者、美しい恋人との悲恋、惨めな過去、意外な秘密、ちょっとしたエロ、とエンタメ小説の要素がふんだんに盛り込まれていてグイグイ読ませ、史実に基づいていながら読後感もこの上なく爽快。傲慢な天才であるが故に大きな挫折を味わい、パリを追われ田舎弁護士に落ちぶれた主人公フランソワがすごいイイ。ジャンヌ父に恨みを持っていながら、絶大な権力に理不尽に苦しめられるジャンヌを見過ごすことが出来ない、屈折しながらも正義感溢れる伝説の男。「インテリは権力に屈したら終わりだ。意味がなくても逆らえ。」というセリフの似合う男って、最近なかなかいないよ。

  • 中世フランスにおける、国王ルイ12世とその王妃との離婚裁判をテーマにした小説。

    ラストはどうなるかと思ったが、なかなか良い終わり方でした。
    西洋歴史小説に手をつけたのは初めてだったが、非常に面白く読めた。

  • ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
    https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/030104863

  •  この佐藤賢一の歴史小説は初めて読んだ。人物の会話を独特な文体で記載するところが特徴的だった。設定も独創的で、フランス国王の離婚裁判をテーマにしながら、そこに一弁護士の物語も織り交ぜている。雰囲気もいいし、おすすめしたい本。

  • このあたりの本で、レビューがないのは風邪引いて、熱にうかされながら読んでいたからです。みんな、こんなときにも読めるくらい、面白くてよかったです。

  • 2015/08/24

  • 佐藤賢一さんは初読。 中世フランスの法曹モノということで、読めるか心配だったけどサクサク行けた。細かいことがわからなくても、雰囲気とキャラで読ませる、読ませる。
    失われた青春を取り戻す、権力に屈しない知性、と言ったテーマを上手く絡めながら、何よりわかりやすくてスリリングな法廷シーンが楽しかった。

    正直、ツッコミたくなる部分も少なからずあるのだけど、それでも第三章の怒涛のラスト二部は素晴らしい!
    ネタバレになるので詳しくは言えないのだが、フランソワと王妃それぞれの立場と感情がほとばしる展開には唸った。う~ん、王妃様かわいいじゃないですか(笑)。
    フランソワのひねくれ熱血インテリぶりをにやにやしながら読んでいると、あっという間に読み終わってしまった一作だった。

  • 15世紀末のフランスでの国王ルイ12世とその妻、王妃ジャンヌ・ド・フランスの離婚裁判を描いた作品です。王妃ジャンヌの弁護士、かつてのカルチェ・ラタンの英雄フランソワの苦い過去、権力への復讐、舌鋒鋭い主張等、弱気を助け強気を挫くストーリーにはスカッとします。歴史ものではありますが、離婚裁判をとおした人間ドラマとして、十分楽しめます。もちろん歴史的背景をおさえた上で読めばもっと面白いと思いますが。

    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=146979

  • オナンの件、ひとつ賢くなりました。
    いやこれは面白い!
    読み応えもあるし。
    キリスト教の観念に基づいたストーリー展開で、最後はカタルシスを得られましたぞ。

  • フランス国王ルイ12世と王妃ジャンヌの離婚裁判。
    カルチェ・ラタン伝説の男フランソワが味方のいな醜女の王妃ジャンヌの弁護を引き受ける。

    結果が見えている、だらだらと続く、熱気の冷めたフランス最大の裁判がフランソワの登場により一気に加速する爽快感。
    王妃があんまりの言われようで、思わずフランソワと村人に肩入れして、結局最後までルイ12世への同情などというものは生まれてこなかった。否、無くて当然。

    個人的には色々あっても「男」だったフランソワの元教え子オーエンが満足ならそれでいいです。

  • もどかしかった序盤を通り過ぎたら、後は一気に読んでしまいました。面白かったです。

    王妃の離婚裁判に復讐を遂げる気持ちで傍聴していた弁護士フランソワ。それが、かつての恋人の縁もあって裁判に劣勢な王妃の弁護人になります。それからの展開が痛快でした。
    王の権威の圧力を受けながら、屈せずの精神で勝訴へ導こうとしますが、果たして“勝訴”が王妃の幸せになるのか、フランソワは悩みます。
    王妃の女心もわかりますが、それ故、例え勝訴してもその後の生活が寂しいものになってしまったら意味がないのではないか。
    まあ、確かに王の心は離れているし、ましてや「夫婦生活は無かった」と断言してしまうのだから、修復は不可能でしょうね^^;
    賢明な王妃は結局離婚を選びますが、それはハッピーエンドだったと思います。
    フランソワがかつての自分の青春を取り戻すために弁護人を引き受けたのだといっていましたが、彼は確かに再生できたと思います。そして新たに生きるために大切なものを得られたと思います。

    良かった^^

  • 中世フランス王と王妃の離婚裁判にかかわったフランソワの物語。

    独特の文体。
    男性にはおもしろく読めるのかな?

    描写、女性や性の表現、語り口が私にはあまりしっくりこなかった…。

  • 直木賞作品。ルイ一二世と王妃の離婚において王妃の弁護士を勤める主人公。フランスの400年ほどまえの社会がこんなに開かれて、王室批判が出来たのかな、と驚きましたが、駄作と思わざるを得ませんでした。

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著者プロフィール

佐藤 賢一(さとう・けんいち):1968年、山形県生まれ。東北大学大学院でフランス中世史を専攻する。1993年、「ジャガーになった男」で、小説すばる新人賞を受賞してデビュー。1999年、『王妃の離婚』で直木賞を受賞。2014年には『小説フランス革命」で毎日出版文化賞特別賞、2020年に『ナポレオン』全3巻で司馬遼太郎賞、2023年に『チャンバラ』で中央公論文芸賞を受賞した 。他の著書に『傭兵ピエール』『二人のガスコン』『オクシタニア』『女信長』『新徴組』『ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネ』『遺訓』『最終飛行』など多数。

「2025年 『歴史小説のウソ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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