エンブリオ

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 228
レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087753134

感想・レビュー・書評

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  • この小説、人が死ぬ必要あるのかなぁ。
    科学的知見とガジェットが素敵。そう考えると、とても近い未来を描くSFなのかも。

    ***
    「魚の群れって、小鳥の群れ と同じね。全体ではいろんな形になる」加代は水槽の上の方を見上げる。「でも唯一大きな違いは、音が全くしないこと。さっき先生を探すときも、叫ぶという行動を思いつかなかった。魚みたいにいろんな部屋を回ってみて、やっとここに辿りついたの」

    「疲れやすいでしょう?」岸川は訊く。易疲労感に対しては何も処置をしてやれないが、質問することでいくらかでも患者の負担は減らせた。一部始終を主治医に分かってもらっているという安心感が苦痛を和らげる。

  • 医学の小説だが結構衝撃的 産まれる前の赤ちゃんの臓器を培養して部品取りしたりする話

  • 産婦人科の先生の話で終わると思いきや……。
    金持ちというのか?おじさんの病気を治すために若い愛人を妊娠させ、その胎児を利用するみたいなのは受け入れられない。
    でも、ページをめくる手は止まりませんでした。

  • http://mediamarker.net/u/pyon/?asin=4087753867
    これの続編だという「インターセックス」についてを
    メディアマーカー・読了コメントRSSで興味を持つ。

  • 初めて読んだ著者でしたが、読みやすい。医大出身だけに医療用語や内容がとても詳しく引き込まれました。男性が妊娠したり、不妊治療の最先端の話。しかしながら裏ではひっそりと誰にも知られず人を殺していた主人公。どんどん読み進められる1冊です。近い将来、本当に男性が妊娠できれば世界の価値観が変わると思いました。

  • 医療の奥深い所に鋭いメスを入れながらも、
    素人でも読みやすい作品だった。

    内容紹介どおりの内容。。。
    九州の小さな海岸の町に
    贅沢な施設と高度な医療で知られるサンビーチ病院がある。
    不妊夫婦に福音をもたらし
    患者たちに「神の手」と慕われる院長は、
    産婦人科医の岸川卓也だったが、彼にはもう一つの顔があった。
    男性に本人に無断で妊娠させたり、
    人工子宮で中絶した胎児を育てたり、
    死産の胎児から臓器移植を目的で臓器を冷凍保存したり・・・。
    法律に触れてはいないが、
    人間としてタブーとされてきたことを
    研究と称して医療の裏側で行い、学会に発表していた。
    彼の妻や右腕として働く男性たちも彼を裏切る行為におよぶと
    服毒死させたり、事故にみせかけて、殺されていった。
    果たしてこの医者はどこまで神域をおかすのだろう・・・。

    エンブリオとは、
    ヒトの場合、受精してから8週までの生命体をいうそうだ。
    それ以降は「胎児」というが、それまではエンブリオ。
    「人工子宮で胎児を育てる」ではなく、
    「人工子宮でエンブリオを飼育する」といわれている。

    不妊で悩む夫婦や
    未婚で妊娠してしまい処置に困った女性たちにとって
    岸川は神様に近い存在なのだが・・・
    私は、どうももう一つ、好きになれない。
    やはりこの世に生を受けた以上、
    人間の力では触れてはいけない部分もあると思う。
    大自然の摂理とでもいうのか、人としての道徳というのか。
    神秘的なその領域は
    解明されていけば不治の病も直せてとても画期的なことなのだが・・・。

    幸いにしてこの手の悩みもないアナログ人間の私には、
    岸川の行っている医療は受け付け難い。
    健康体で医者の世話にならずにすんで本当に良かったと思う。
    健康に産んでくれた親に感謝したい気分だった。

  • 医療についての記述は読み応えがある (かなり生々しいが)。
    が、ストーリーとしての面白味がない。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/13404095.html

  • 高校の図書館の新着コーナーにあったので読んでみた本。
    男性妊娠を試みる同人誌かよっていう内容だった。
    受精卵を男性の体内に入れて出産に至るかっていう感じだったかな?
    幻想小説、奇怪小説とかのたぐいではなくて、普通にまじめに?現代小説だったよ。

  • 読みおわったトコでは、え!これで終わり?と思って私が盛大に読み飛ばしたかと思ったけど、そうではなく、他にもそう思った、という方の感想を見て少し安心。続編があるらしいので、ぜひとも読んで見なければ。

    主人公の医師は善人か悪人か。
    この医師は患者のために精一杯できることをしてるし、医学の進歩にも多分貢献しているのでしょう。
    その一方でエンブリオをパーツとして扱い、患者のために使う。
    自分の中で倫理観というものがよくわからなくなりました。
    あ、でも、奥さんを含め、邪魔になった人間を次々と排除するのは明らかにダメでしょ。

    あと本筋にはあんまり関係ないけど、子供が欲しいけど、なかなか出来なくて不妊治療をしている人の気持ちが少しわかりました。

  • 2014.10.31

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著者プロフィール

1947年、福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』(新潮社)で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』(新潮社)で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』(新潮社)で第10回柴田錬三郎賞、’10年『水神』(新潮社)で第29回新田次郎文学賞、’11年『ソルハ』(あかね書房)で第60回小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』(ともに新潮社)で第1回日本医療小説大賞、13年『日御子』(講談社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』(新潮社)で第52回吉川英治文学賞を受賞。近著に『天に星 地に花』(集英社)、『悲素』(新潮社)、『受難』(KADOKAWA)など。

「2020年 『襲来 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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