誘拐の果実

  • 集英社 (2002年11月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (488ページ) / ISBN・EAN: 9784087753189

感想・レビュー・書評

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  • これはかなり面白かった!いつかまた読み直したいと思う。作品中で似た様なことを何度も記載しているけど、強調したい意図は伝わってきた。何より読後感が良かった。

  • 確か昨年あたりに、題名と○○誘拐のみを換骨奪胎したかのようなテレビドラマが放映された記憶があり、何気に書棚から抜き出し、12年ぶりの再読。
    やはり、ドラマよりも原作が面白い。
    時を置かずして発生した二つの誘拐事件。
    そして意表を突く身代金代わりの要求事項。
    犯人の動機は?
    やがて犯人の姿がおぼろげに解りかけるが、物的証拠の皆無。
    警視庁と神奈川県警の縄張り争いと、被害者家族それぞれの思惑。互いに問題を抱えながら、終幕へ。
    最近では珍しい2段組みの484頁の長編ながらも、最後まで読者を惹きつけて飽きさせない著者の筆力に真のエンターテイメントを思う。

  • 長かったな・・・

  • 二つの誘拐事件が起きて大変な騒ぎになるもなんか狂言くさくて振り回される話。
    長い。長すぎる。こんなに長くなくていいだろに。こんなに長いのに、未消化の謎も少し残って消化不良。

  • 数ある営利目的の犯罪の中で、もっともリスクが高く、実りの少ないと
    いわれる誘拐事件。

    この小説は、そんな誘拐事件を題材にしています。

    最後まで読み切ると非常に完成度の高い内容で、計算されつくした
    結末となっていて非常に面白かったとの評価が出来るのですが、
    出だしなどは、テンポも悪く、挫折しそうになる小説です・・・。

    正直、自分も途中で何度読むのを止めようとしたことか・・・。

    しかし、読み終わると”果実”が手に入る・・・と、思いますよ・・・・。
    多分・・・。

  • 2003年版週刊文春ミステリーベスト第2位。面白かったけどちょっと長い。なんか警察をバカにしたような巧と寄付のために一芝居打ったってのが一致しないんだよな。確かに賢い子なんだろうけど。恵美と巧の気持ちが分かるような、分からないような。ボランティアで会ってた子どもの死にこんなに引っ張られるか?私が10代の純真さをもう失ったってことなんだろうか。でも今どきの10代はこんなこと考えないよな。結局個人差ってことか。永淵どころか政國までもが無給の理事としてがんばっていた、ってのも納得いかないような。そこまで悪い人間じゃなかったってことか。孫のためなら心を入れ替えるってことか。何か誰にも感情移入できない感じなんだよね。

  • 最後は、え!そんな理由?みたいな。。。

  • 重圧は狭窄。

  • 病院長の孫娘が誘拐され、身代金は患者の命。そしてもう一件の誘拐事件の身代金は株券。
    前代未聞の誘拐事件なだけに、一体どういう風に事件が終焉するのか途中までは興味深く読めた。しかし、早い段階から犯人が予想でき、後半は動機の解明の方に重心が置かれていく展開に。動機に関しては読み手次第で良し悪しが変わるだろうが、私的には興醒めするものだった。誘拐というのは家族や周りの人間(警察も含め)に多大なる負担を掛けてしまうもの。最後に明かされる肝心の目的を果たすために起こしたものであるのなら、もっと他にやりようがあったのではないかと思ってしまった。単なる美談で終わらせてしまった結末に、読んでいて哀しくなった。

  • よく練られている作品だとひたすら関心。
    厚い本ですが集中力が途絶えることなく
    読み進められました。


    ただ…(少しだけネタバレ)



    ラストは何となく綺麗過ぎて
    そこまで考えて生きてる人はおるんかい…と
    少しだけ突っ込みたくなりました。
    私の心が汚れてるのかなぁ(笑)

  • 読み応え十分!

  • すごいの一言。


    読んでいてふと連想したのが、宮部みゆきさんの『模倣犯』。
    でも、格段にこっちの方が面白い。

    以降ネタバレ。






    センセーショナルな誘拐。
    その手口、要求。
    明らかになる事実。
    その奥に隠されたさらなる真実。

    これだけミステリーらしく事件が散々起きているのに、
    最後にはなんとなくみんなハッピーエンドになっているのが心憎い。

    途中で、巧くんのお父さんが永渕さんなんだろう、とは気付いたものの、
    妻と愛人の愛憎劇までは思いも拠らなかった。
    更に福祉団体の設立、基金。
    果ては自分たちを罰するため、だなんて…。

    誘拐の萌芽から、ふたつの誘拐を経て、誘拐の果実まで章は進むが、
    なにがって果実に単に誘拐成功という意味だけではなく
    様々な意味がこめられていて、そのあたりは最後まで読まないとわからない
    というのが面白い。

    模倣犯がなぜ模倣なのか、は別になんとも思わなかったんだけど、
    この果実にはもう、やられたと思いました。

    やられたと言えば、永渕さん宛ての手紙が巧くんと恵美ちゃんの連名だったこと、
    ふたりがちゃんと結婚しているところがほっとした。

  • 犯人が誰かというよりも、動機の解明がメイン。犯人はけっこう分かりやすいと思うし、実際中盤あたりでほぼ明かされてしまう。だけど動機が……凄い、としか言いようがないな。途中の細かな要素要素にはある程度気づいていたけど、それがこう結びついてくるとは! こんなの考えもつかなかった~。
    様々な要素がすべて絡み合い、かなり重量級の読み応え。読後感も良くてけっこうお薦め作品。

  • 身代金は入院患者の命という導入部はひきこまれたのだが、後半で真実が分かるにつれて、トーンダウンした印象。

  • 病院長の孫娘が誘拐され、身代金はその病院の特別室に入院している要人の命
    そして時期を同じくして起きた、もう1件の誘拐事件、そちらの要求は株券だった
    犯人側の行動を描かず、家族と警察側から描いた作品で読者は事件に挑む家族と警察と同じ目線になります。

    憎むべき犯人のその姿は……



    えーと…株券が要求された時点で物凄い社会派ハードボイルドを期待し過ぎました…(苦笑)
    病院が舞台にもなっていて、私としては馴染み易かったデスが…物足りない…って感じが…(汗)
    ハードボイルド度は少なめですが、面白い、後味の良い作品でした。

  • 16冊目(京橋図書館)※ママンオススメ作品
    前回初めて読んだ真保裕一の作品は舞台がアメリカの「探偵もの」であって「警察は敵でもないが味方でもない」といった描写であったが
    今回は日本での誘拐事件として「警察の視点」で描かれた作品。
    どちらの作品も「頭のいいワカイコ」が鍵を握っているよう。
    しかしこの「株券」を巡る誘拐劇を思いついたのは作者の思いつきなのか…。これは度肝を抜かれました。

  • 後半がトーンダウンしたのが残念…

  • 確かコレが読み初め。<br>
    ちょっとオチがある程度予想できてた。。。

  • ふたつの誘拐の繋がりとは・・・?
    頭のいい少年の犯罪、引き込まれました。世間体や社会の地位を気にする大人と純真な少年少女。複雑に絡み合って楽しかったです。

  • 17歳の女子高校生の誘拐。犯人の要求は女子高生の家の病院にかくまわれている要人の命。
    19歳の男子大学生の誘拐。犯人の要求は現金をしていの株券に替えての取引。
    この二つの事件の因果関係は?事件が進行、明らかになるにつれて、この本の面白みがましていくのはもちろんのこと、犯人がだれなのかよりもその動機が、重要なのです。
    事件が終わって8年後。確かに誘拐の果実は実ったのではないでしょうか。


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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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