でいごの花の下に

著者 :
  • 集英社
3.26
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本棚登録 : 97
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087753349

作品紹介・あらすじ

プロのカメラマンだった男は姿を消した。死をほのめかすメモと、使いきりカメラを残して。フリーライターの燿子は、恋人の故郷である沖縄へ。どこまでも青い空と海、太陽と風につつまれて、愛した男を追い、その過去を知ってしまう…。戦後六〇年、沖縄に咲いた切ない純白のラブストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 耀子が自らの醜さを「大人の恋愛はこういうものよ」という態度で肯定し続けていたのが見苦しい見苦しい。執着したり自棄になって少年を誘惑するのは面白かったけどうーん最後までどうしても耀子を好きになれなかった。沖縄戦のエピソードは涙ぐんだ。

  • ちょっと切ない恋愛小説です。
    恋愛小説ってあまり読まないのだけど、前に読んだ別の作品が良かったので、こちらも読んでみました。
    池永氏の文章はとても読みやすくて、すんなりと頭に入って来ます。そういう意味でも好みの部類に入りますね。
    失踪した(おそらくはすでに亡くなっている)恋人を追って沖縄へ辿り着いた女性の話なのですが、恋人がひた隠しにして来た過去などが絡み合って・・・ちょっと切なくてホロリとしてしまいました。
    最後は悲しいだけじゃく、心を勇気付けてくれるものがあって、とてもいい話でした。

  • ダラダラしちゃう暑い夏に読むと、しんみり深い思いが。生きているって色々なものを背負うけど、余りに辛いものを背負うと、、。

  • 人間の汚さや、脆さをよく表現していた。

  • 突然別れを経験した主人公。綺麗でないドロドロとした想いが湧いて出てくる。これ、普通なんじゃないかな?追いかけたい、理由が知りたい。
    まぁ、相手が生きていたら相当重たいストーカーになっちゃうんだろうけど。

  • H25.9.22
    プロのカメラマンだった男は姿を消した。死をほのめかすメモと、使いきりカメラを残して。フリーライターの燿子は、恋人の故郷である沖縄へ。どこまでも青い空と海、太陽と風につつまれて、愛した男を追い、その過去を知ってしまう…。戦後六〇年、沖縄に咲いた切ない純白のラブストーリー。

    沖縄戦の悲惨さ、残酷さを強く感じた物語。個人的に、嘉手川の失踪した理由より照屋の過去の方が切なくて心に残った。最後、台風が来て照屋の60年もの努力が報われた場面は思わず涙。

  •  耀子の恋人、嘉手川はなぜ死ななければ
    ならなかったのか。それが、最後まで疑問だし
    不満でもある。

     行動的で気の強い主人公耀子の描かれ方や
    中学生カップルの男子(圭)を誘惑するシーン、
    また嘉手川との性の描写は細やかで美しいと感じた。

    沖縄が舞台になっていることで、
    以前読んだ灰谷健次郎「太陽の子」と
    印象が重なってしまった気がした。

  • 沖縄は戦争の舞台だったということを思い知らされた話。

    でいごの赤い花は、それは戦死者の血の色、白い花は骨の色。知らなかった悲惨な歴史を知らされた小説。米軍との混血の子供たちの苦悩。終戦して60年経ち、沖縄はそういう土地であることを忘れ、沖縄出身者が明るくテレビに出ているのをみると、戦争は、そこに住む人のために忘れた方がいいのか、日本の将来のために忘れたらいけないのかを考えさせられる。

  • でいごの花の下に

    沖縄の明るい話と闇の部分が書かれている作品です。

    旅行で見た、青い海と空、白い砂浜と雲。
    それも書かれていて、また行きたくなりました。

    また、闇と言ってはいけないかもしれませんが、
    沖縄戦の話や米兵との間に生まれた子の話など、
    やはり日本人として知っておくべき内容だと思いました。

    後味は悪くないので、おすすめです。

  • 沖縄の、海だけではない過去を垣間見れる作品。
    しっかり勉強しようと思った。
    主人公や消えた男の心理ははっきりせず、胸にせまるものもない。
    作者が沖縄の歴史を伝えたかったのではないか、
    というくらい本ストーリーとサイドでは密度が違う気がしたかも。

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著者プロフィール

1998 年「走るジイサン」で第11 回小説すばる新人賞受賞。2002 年「コンビニ・ララバイ」で注目を集める。06 年「雲を斬る」で第12 回中山義秀文学賞受賞。その他著書多数。

「2021年 『おっさんたちの黄昏商店街 それぞれの恋路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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