オートフィクション

  • 集英社 (2006年7月5日発売)
3.22
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784087753646

みんなの感想まとめ

作品は、作者と語り手が同一人物でありながら、フィクションの要素を取り入れた独特な物語です。連作短編集として、22歳から15歳までの時系列を遡る形で描かれ、主人公リンの複雑な恋愛模様が展開されます。彼女...

感想・レビュー・書評

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  • オートフィクションは、自伝のように作者と語り手とが同一人物であることに依拠しながら、同時にフィクションを、主として小説の形態で描く物語のこと。

    金原ひとみさんの4作目は、イカれてて重い小説だ。
    世界観が最も色濃く出ている作品の一つではないかと思った。

    22歳冬→18歳夏→16歳夏→15歳冬と遡っていく連作短編集。
    メンヘラ女子リンは、それぞれの時期にシン、シャア、ガトウ、にゃんこと付き合っている(あるいは、結婚している)。あぶなっかしい、というか破滅的な距離感で清々しいまでに全てをぶち壊していく。
    凄まじい。

    • たけさん
      naonaoさん

      恒岡章さんはチャットモンチーのサポートやってたんですね。
      チャットの「こころとあたま」はドラムが炸裂した名曲です。
      追悼...
      naonaoさん

      恒岡章さんはチャットモンチーのサポートやってたんですね。
      チャットの「こころとあたま」はドラムが炸裂した名曲です。
      追悼に繰り返し聴いています。
      2023/02/17
    • naonaonao16gさん
      たけさん

      金太郎飴っていう表現、いいですね!
      金原さんの描く、特に女性はただでさえ苦しいのに、ティーンエイジャーだと尚更でしょうね…

      チ...
      たけさん

      金太郎飴っていう表現、いいですね!
      金原さんの描く、特に女性はただでさえ苦しいのに、ティーンエイジャーだと尚更でしょうね…

      チャットモンチー、わたしあんまり音楽の方向性合わなくて聞いてなかったので、サポートやってるの知らなかったんですよ!笑
      でも、51歳は本当に若いし、昔の人が飛びまくってる映像みて打ちひしがれています…

      あと、今までAmazonMusicでしか配信されてなかったELLEGARDENのトリビュート・アルバムが他のサブスクでも配信されるようになったので是非!
      2023/02/17
    • たけさん
      naonaoさん

      エルレトリビュート了解です!
      naonaoさん

      エルレトリビュート了解です!
      2023/02/18
  • 胸が痛い。むねがいたいよう・・・・
    現代から遡っていくまるで映画のように並行しているかのように。
    一人の女のオートフィクション。
    さかのぼればさかのぼる程痛くなるのはなんでだろう。
    そして、何度でも何度でも人は再生して、それって15歳の頃に彼女が望んだこととはなんて真逆にある行為なんだ。
    彼女はその時、その時でいかに生きていることに深みを残していることか。
    全部その刹那がすべてで、そのおかげですべての行動、行為に深みがある。それは賞賛でもなんでもなくって、面倒くさい、大変なことなのです。
    無限ループみたいにくりひろがって行く彼女の自問自答。
    かったるい言葉遊びのようでいてそこに彼女と現実とを引き結んでおく最後の手段であるとおもえるそういう切ない言葉の羅列。
    どこまでもどこまでもアホらしくしたい、でも自分はどこかですべてを悟っているように思っている、それは本当にそうなのかどうなのか分からないけれど、彼女は病んでいる。
    世界をこんなにも諦めて、人をこんなにも愛する人。
    すごく淡白に感じるし、だけど病的だし。
    セックスばっかりだしでも濃厚なセックスには全然おもえないし。
    魚みたい。
    ほんとうは彼女・・・・
    深部にどんどんさかのぼって。
    どうして15歳までなのだろう。
    すでにこの時に彼女は救いを見出していた。
    そして人を殺す情熱をなくしていた。
    それ以前の彼女をいつか見れるだろうか。
    オートマティックにいけるのもここまでで、ここからだったんだ。
    その先、その向こうが痛すぎておもえない。
    ああ いつか・・・・

    ほんとひとみ嬢好き・・・・
    順番に読んでいるので次はハイドラだ・・・

  • 18才位から遡りながら自伝(?)と思わせるような小説家という主人公の設定。
    大して状況の変化もないのに、頭の中での思考を幼稚な文体で延々と書きつつられているのを読むのはかなり辛い。

  • 愛してる人に
    本気で
    「死ね」って思ったり、
    その次の瞬間に
    「愛してる」って思ったり。
    20代からどんどん前に遡り書かれる自伝小説。
    ほんとに自伝なのかはわからないが、
    本の中の作家の自伝として描かれてる。

    内容だけで見ちゃったら、
    グロくて、下品で、支離滅裂。
    「なにこれ?」
    って感じるだけだと思うんだけど、
    なんか違うんだよ。
    文として書かれてることよりも
    もっと強く大切ななにかを本から感じる。
    いつもそれが金原ひとみだ、と思う。

    それはきっと作者が
    痛いほどの感受性と
    苦しみや悲しみを
    そして「自分でもわけのわからない、でも強いなにか」を
    包み隠さず書いた結果だと思う。

    私の中では林真理子と凄く似てる。
    もちろん、内容とか、人物とか全然違うし
    この二人は相いれないと思うけど、
    他人からの好き嫌いが完全に分かれる点と、
    他の人が同じこと書いたら完全にアウトなのに
    彼女たちが書くと人を惹きつける何かにかわるところ。
    そこが似てる。

    ただ一つ言えるのは、
    これは才能だ、ということ。

  • 【どうしてこの本を読もうと思った?】
    「金原ひとみマラソン」の一環。○○(作者名)マラソンとは、出版順に作品を読んでいくもの。本書は4作目。

    【率直な感想は?】
    「金原ひとみといえば、蛇にピアス」とよく言われるので、蛇にピアスを彼女の最初の作品として読む人がいるのかもしれないけれど、私は本作を最初に読んだ方がいいのではないかと思った。

    最初読み始めたとき、また被害妄想の女かよ、これまでと変わらないじゃんかよ、と思ったのだけど、それが違った。一般的に年齢が上がるにつれて、物事を抽象的に考えられるようになると思う。だが本作は、22歳、18歳、16歳、15歳と章立っているのだけど、年齢が下がるにつれて、思考が大人びていっている。その構造にとても驚いた。加えて最後まで読むことで、「これまでの作品の金原ひとみの背景」を知れたような気がして、これまでの3作(AMEBICはそこまででもない気がするが)の「独白」や「独り言」の源はどこなのかがわかったような気がして、少しすっきりした。(私の周囲に、希死念慮や自傷行為にはしる人がいたら受け止められてただろうけど、少しどこか違う空間でのお話、という風に捉えていた)

    つまり、私は好きだ。この人の考える想像(妄想)の世界が好きだ。それは、街で人とぶつかったほんの一秒のときに巡る頭の思考だったり、今この場であのときの不快な思い出を思い出すか?、みたいなほんのわずかな瞬間に体をのぼってくる思考のようで(私は陰部のことまで考えないけれど)、それをそれぞれの瞬間、あそこまで書けるというのは、この作家の書く力が凄い以外でも何ものでもないと思った。

    【テーマを挙げるとしたら?】
    若いからといって、バカじゃない。

    【その他】
    彼女の感想を書くときは、いつも自分の語彙力が試されているような緊張感を持つのだけれど、次回以降も続くのかな・・?

  • わくわくチンチン3回目⁡
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で、金原ひとみの『オートフィクション』⁡
    ⁡⁡
    22nd winter⁡
    ⁡18th summer⁡
    ⁡16th summer⁡
    ⁡15th winter⁡
    ⁡⁡
    ⁡⁡の逆時系列。⁡
    ⁡⁡
    ⁡22nd、18thはクッソ下らん内容で、これホント金原ひとみの本かなって思いながら読んでたけど、16th、15thになるにつれてまずまずオモロかったかな。⁡
    ⁡⁡
    ⁡15、16の時の方が凄まじい人生で、オートフィクションって自伝小説って意味合いもあるらしく、金原ひとみさんの自伝なのかと思うと、サンドの伊達ちゃんじゃないけど、興奮してきたな
    ⁡⁡
    ⁡愛と裏切り、愛と拘束、愛と自由、愛と洗脳、愛と従順、愛と言う名の幻想に取り憑かれとる様な
    ⁡⁡
    ⁡2022年20冊目

  • なかなか斬新な口調で短編も相まって一気に読破した。金原さんっぽい小説。蛇にピアスを思い出した。色んな世界線があるんだなと考えさせられる小説。誠実に生きたいな。

  • 金原さん好きだけどこの本が1番苦手だった。ストレートにめちゃくちゃだった。主人公は執着心と被害妄想が強くてヒステリック。最初はこんな感じのホラーかと思って読んでたら口汚く罵ってるセリフはちょっと真の口の汚さがなくて頑張って罵ってる感じとかちょっとしっくりこなかった。ヒステリックな部分はコメディ感がある。

  • ラストの章、「15th winter」が特によかった。分裂は金原文学の特徴的な主題だけど、親の分裂として生まれた自分という観点は、この4作目ではっきりと示された。両親が初めて登場したことにも注目したい。

  • 大学の生協に置いてあってパラパラ立ち読みしたことはあったけど、ちゃんと読んだのは初めて。
    約10年超しの再会。
    やっぱりよかった、分かる分かる分かる分かる好き好き好き好きとなった。
    わたしだって普段必死で噛み殺してるだけで、
    もっと構ってほしい、独占したい、わたしだけを見てほしいっていう思いは常にどこかにある。
    何か弾みがつけばわたしだって主人公のように錯乱し、口汚く罵ってしまうかもしれない、と金原さんの本を読んでいるといつも少しヒヤヒヤしてしまう。
    錯乱しているのに主人公の言葉はきちんと読むと
    論理的で筋も通っていて、ほんとに金原さんって狂った感情を俯瞰してるというか頭のいい人だなぁと思う。
    クレイジーな感じで思われがちかもしれないけど、
    しごく冷静なまっとうな人だと思う。
    「ノンストップ溌剌トランス」とか「ノンストップ溌剌レゲエ」とか思わず笑ってしまった。金原ひとみさんってモデルみたいに澄ましたアー写のお顔しか拝見したことないのですが、実はめっちゃ面白い人なんじゃないかと思う。友達になりたい。

  • 『ああどうして、世界は彼が浮気した瞬間に破滅するシステムになっていないのだろう。そうなっていれば、私は彼が浮気をした世界など生きなくてすむというのに。』

    「いやー、びっくりしましたよ。UFOの雑誌の"私UFO信じてます"って記事のインタビューでUFO信じてないって言うんですもん。ちょっと感動しちゃいましたよ」

    「何ですか? オートフィクションって」
    「一言で言えば、自伝的創作ですね。つまり、これは著者の自伝なんじゃないか、と読者に思わせるような小説です。」

    『私は常に皮膚感覚を信じて生きている。視覚や聴覚や嗅覚などほとんど信用していないと言ってもいい。皮膚が感じた事だけが全てだ。』

    『何だこの恐怖。きょうふかーん。叫びながら踊っていると足ががくがくした。気持ちいい恐い死にたい! この私の喘ぎ声よ天まで届け。』

    『どうして私は嘘ばかりなんだろう。私の頭の中を覗く人なんていないのだから、一人で考えている時くらい正直になればいいのに。』

    『子供を堕ろしてもらいたいという意思だけ分かればもう充分だというのに、それなのに私は自分で自分の生傷に指を突っ込む。爪をたて、肉を引っ掻く。爪を食い込ませ、脂肪を掻き分け、何かをえぐり出そうとしているかのようにぐりぐりと傷を広げる。何も出てこないよ。知ってるよ。』

  • 「蛇にピアス」「アッシュベイビー」に続いて読んでみた。
    過去の二作とはかすかに違ったものを感じたのだけど…。過激さが過去の作品に比べて薄かったからかなぁ笑
    もしくは、リン(※初めの方の)に同調できる部分があったからかも。恋愛していても結局人間は「自分」が一番なのか?という問い。少し前に私自身がその問いに苦しめられていたから、なんかギクリとした。
    だけど、リンが年齢を遡っていくにつれ、同じことの繰り返しで段々うんざりした。
    思考をそのままズルズルと読者の目の前に出してみせたような流れる文章は面白い。文章ってもっと奔放でもいいのかも、と思った。

  • 小説家であるヒロインの自伝とも言える小説。
    相変わらずと言えば相変わらず文章は読みやすい。
    そして共感は出来ない。
    こういう人もいるんだな的に淡々と読み過ごしてしまう本。

  • 2000.01.01

  • 【下品と高尚の狭間、光も闇も赤】

    金原作品は病的だなあ。といつも思う。煙草の臭いが付きまとう、あの感じに似ている。人の狂気を驚喜に凶器にするのが得意な人だ。

    金原作品を読める人にはまあ、評価は低くはないと思う。ただ、やはり、万人向けではないと思う。

    卑猥な言葉がバンバン飛び交うので、御子様の読書感想文には全く向かないだろう。

  • 怖かった。頭の中で動く世界、どうしようもなく無力ならばそれに従うしかないんだ。誰かに依存することも、そうでないことも。句読点がなく続く、文章は怖い。

  • 非常に感動した! わけではないけれど、なんだか、けっこう いろいろと考えてしまう小説

    なんだかとても正直に直截的に書いているような面と
    非常に技巧をこらしている記述が同居しているような
    印象でした。
    なんとなく、今後もフォローしていきたい作家かもしれません(わからんけど)

  • 蛇にピアスの暗くて美しい表現とはまた全然違っている。どちらかと言えば憂鬱の本と同じような滑稽な話になげやりな表現、妄想、鬱症状が描かれている。綿矢りさの文体をもっと暗く、衝動的に、攻撃的に書いているような感じ。でもこの感じ、すごく好きだったな。とくに18.16歳の話は最高だし、16歳の彼氏との喧嘩のシーンの言葉はかなり面白い!!
    マンコマンコいいすぎだわ。

  • 再読シリーズです。

    時代を遡って書かれているから、後ろに進むほど
    その先を思い出して切なくなる。自意識が鋭すぎる。

    主人公の話す言葉は汚いけど、文章が綺麗で、
    かえって美しい狂気を感じる金原作品の魅力。

    この作品では主人公がガツガツ食べてて、
    拒食ものばかり続いてたから嬉しかった。

  • 世界の割り方のちがい。
    矛盾だらけで痛々しい。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2003年に『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞を受賞。10年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、12年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、20年『アタラクシア』で渡辺淳一文学賞、21年『アンソーシャル ディスタンス』で谷崎潤一郎賞、22年『ミーツ・ザ・ワールド』で柴田錬三郎賞を受賞。他の著書に『AMEBIC』、『オートフィクション』、『fishy』、『パリの砂漠、東京の蜃気楼』、『デクリネゾン』、『腹を空かせた勇者ども』、『ナチュラルボーンチキン』『YABUNONAKA -ヤブノナカ-』など。

「2025年 『マザーアウトロウ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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