詩人の墓

  • 集英社 (2006年12月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (60ページ) / ISBN・EAN: 9784087753660

作品紹介・あらすじ

哀切な愛のバラード。
「何か言って詩じゃないことを!」――詩人の運命を生きるしかなかったひとりの男と彼を恋したひとりの女。詩人・谷川俊太郎と絵本の名手・太田大八による贅沢な大人の恋の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 生きようとして、
    本能的に体が『食べ物』を欲するように、

    心は『言葉』を欲してやまない。

    そんな気がした。

    ふつふつと湧き上がってくる、
    この思いを、

    誰か、受け止めてはくれないか?
    誰か、応えてはくれないか?

    心も、体同様、糧となる言葉を必死に求めているのだろう。

    この地に住む詩人は、
    そんな人々の心に全て応える事が出来る『天才』だった…。


    言葉が秘める『謎』。
    …の、答えがここにあるような気がした。

    愛する人だけを見つめていては、
    愛する人の詩、しか歌えないように、

    この天才詩人には視点がふたつ、あった様に思う。

    ひとつは、此の世の愛するもの全て。
    もうひとつが、う~ん???
    わからないのだ…。

    恋人が問う。
    あまりにも遠くだけを見つめる詩人に
    「何か言って。
    詩じゃない言葉を何か言って!」

    今は美しいものも、
    今は健康で若いその体も、
    今は誰かを愛しているその気持ちも、

    全て不確かなものだと詩人は知っている。

    全ては『空』だと気付きながら尚、
    人々の気持ちを潤すことが出来る詩を書いた、
    いや、書かずにはいられなかった、と言うのは…。

    人が求める事を知っていたからか。
    人が『詩』を、
    望むことを知っていたからだろうか。

    と、すれば、
    恋人の問いに、答える言葉は持っていないだろう…

    悲しいかな、
    恋人が詩人に望む愛と、
    詩人が心に抱いている愛では、
    その資質が、全く(違う・・・)と、思った。

  • もともとある谷川さんの詩を絵本のような形、なのか、通じ合った絵と結ばせたのか、奇跡のようにうつくしい本。

  • 正確には一つの詩。
    時々この本に寄り添いたくなる。

  • 詩です。一つの詩。素晴らしいですね。
    感想を表現できない自分がもどかしい。
    でも読み流すことはできないのでレビュー。


    しかし残念なことに、私には絵はわからない

  • この人の言葉は綺麗でやさしくてでも遠いというか奥が深くて切ない気がします。
    絵も素敵で奥深い。自分は頭が硬いので、抽象画を描ける人は凄いと思います。
    2010/12/30

  • いいお話だったと思いますが、最後の一文の意味が自分には分かりませんでした(^_^;)
    次読むときには理解できたらいいと思います。

  • 谷川俊太郎さん自身の詩かも。
    胸に迫るものがあります。

  • 詩人と、世界。

  • 詩人を主人公にした物語詩です。
    谷川俊太郎自身の体験も、かなり反映されているようです。
    淡々としているようでいて、読むとすさまじさに圧倒される作品です。

    詩人というのは、とても個人的な世界に生きていると思っていたのだけれど
    多くの人を感動させる詩は、
    つまりそれだけ「一般化」された言語、なのかもしれない。
    そして詩人は個人的でも一般的でもない世界に生きようともがいている。
    個人的に見つめあいたい娘の苦しみと
    詩人としてしか生きることのできない男のすれ違いが悲しい・・・。
    ああでも男の人は
    多かれ少なかれこのようなものなのかも・・・。


    「何か言って詩じゃないことを
    なんでもいいから私に言って!」


    太田大八氏の絵も素晴らしくて、本当に手にして良かった本です。

  • 私の理解力・想像力不足かな。難しく思いました。
    でも印象に残ってる言葉とかいい言葉とか抜粋しようかと思ったけどたくさんあってひとつには絞れませんでした。

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著者プロフィール

1931年東京生まれ。詩人。1952年、21歳のときに詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来、子どもの本、作詞、シナリオ、翻訳など幅広く活躍。主な著書に、『谷川俊太郎詩集』『みみをすます』『ことばあそびうた』「あかちゃんから絵本」シリーズ、訳書に『スイミー』等がある。

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