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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784087753691
作品紹介・あらすじ
信長の鉄砲隊を作った男の苛烈な生涯。
天下を狙い撃て! 鉄砲伝来後、いちはやくその威力に気づいた橋本一巴。まだ尾張の弱小勢力であった織田信長のもとで、苦労して鉄砲隊を作り上げてゆく。壮大なスケールで描く絢爛歴史小説。
感想・レビュー・書評
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鉄炮の登場は、戦い方にどのような変化をもたらしたのか。
織田家の鉄炮頭・橋本一巴を軸に描く、時代小説。
鉄炮で天下に平穏をもたらすため、工夫と戦略を追求していく、一巴。
なぜか信長には嫌われがちで、報われないのに頑張る姿は、どこかコミカル。
硝石を求める旅や、その作り方なども、新鮮。
天下一と日本一の鉄炮大将を自負する、一巴と孫市。
ライバル関係もすがすがしかった。
戦が進化していくうちに、だんだんと変わっていく、一巴。
最後はやるせなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
命の灯火が尽きる5時間半前に最後の作品となる「平安楽土」の6回目の原稿を出版者に送り57歳と早すぎる人生に幕を下ろした。「火天の城」で直木賞にノミネートされ、4年後の「利休にたずねよ」で直木賞を受賞した山本兼一先生。まったくもって惜しまれる…
僕は火天の城で山本ワールドに引き込まれた!歴史上の主要人物が脇を固めて一般的にはスポットの当たらない人物が中央にいる。そして主人公というよりも山本先生の鋭い視線でズバズバ切り込んでいく。これが僕にはたまらない!
「雷神の筒」
デビューから3作品目のこの作品も主人公は信長公の鉄砲の師匠とも言える橋本一巴!正直聞いたことはないのだが、ストーリーの中にすぐに溶け込んでいった。彼は何度も信長の勘気をこうむるのだが、支えていたのも一巴だった。
常に最前線で体を貼り続けた彼は最後には孫一と闘い?命を落として完結となるのだが、信長と駆け抜けた人生を事細かく描いている。本当に面白い!こんな陳腐な言葉しか出てこないほどです -
信長の父秀が亡くなり、信長の後見役だった宿老たちが離反した。信長をかばうどころか、旗をあげて信長にはむかってきた。常人ならば、人心のうつろいやすさを嘆くところだが、信長はそこから人間心理の原則を読みとったらしい。
人は信じられぬ。
ではなく、
人はすぐに転がる。
と感じとった。
さらに、
ならば、転がす織を手に入れるべし。
そのように人のこころを読み解いたのだ。
千年も降りそうに思っていても、雨はいつかあがる。
欲の深さは生きる力の強さだ -
織田信長に疎まれても、淡々と役目を全うする。
信長の非情さがよく分かる。
信長の周りの人を描くことで、信長を描き出そうとしてるのかな。
戦国時代の死の近さにおののいてしまう。 -
織田信長の鉄炮隊を率いる橋本一巴の話。信長とはそりがあわず、常に最も危険な戦場の先鋒を受け持つことになる。兄弟や古くから仕えてきた組頭が戦で酷い死に方をしていく。そんな中、敵の雑賀孫一とは敵同士でありながら心が通じて来る。鉄炮とはなんのためにあるのか一巴の胸中は哲学的になっていく。
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織田信長の鉄砲の師である橋本一巴が見た信長の尾張統一〜本願寺攻略を描いた作品。鉄砲という武器が戦を変え、世情を変え、人を変える様を一巴の視点で追う。流通や兵法についても触れており、また雑賀孫市についても多く言及がある。長編だが読み易い作品。
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織田信長の鉄砲頭として名をはせた橋本一巴の半生を描いた作品。見所は鉄砲伝来の背景や当時の火薬生成の方法が丹念に記されている。そして合戦時における鉄砲足軽の心からの怯えを見事に描いている事か。更に主役ではないが天下布武に向け"物"と"銭"の渦を一気呵成に作り上げた信長の熱き野望と戦術としての鉄砲の関係も余すことなく堪能する事ができる。それにしてもよくもまあ史実が少ない戦国時代の脇役にスポットをあて心を与えて甦らせる筆者の想像力は凄い!
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これまでに読んだ「火天の城」や「いっしん虎徹」の職人魂とは違い、鉄砲打ちの技術屋魂です。
一巴の強い信念や熱い情熱、誇りや誠実さはこちらをも熱くしてくれるのです。
主人公の人柄や生き方に共感したり学んだりしながら読むことができるので、読み終えたあとには心に何かしらの変化が芽生えると思います。 -
現代の作家では一押しの山本謙一。鉄砲師という、時代をつくったが描かれることの少ない群像に光をあてているのは素敵ですが、今回のは血のにおいが強すぎて、人が死ぬシーンがリアリティありすぎて、つらくなりました。が、それでも、人の欲望、野心が渦を巻いて歴史をつくり、人を巻き込んでいくというダイナミズムは、興味深く、納得。
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橋本一巴。信長の鉄砲の師匠にして鉄砲隊の頭を務めた男。著者の信長三部作の完結編になる。
これだけ織田信長は有名にも関わらず橋本一巴は全然知らなかった。そもそも初期信長を鉄砲で支え、鉄砲を利用した兵法を工夫していったのに全く論功行賞から洩れてしまうという気骨(多分気骨でいいと思うが)にあふれた人物像になっている。
この小説は信長の天下取りに必要になったもの「鉄砲」が主人公だ。そして鉄砲をあらゆる意味で兵器に育て兵器としての鉄砲の使い方(戦略)を気づいて行った橋本一巴の物語だ。
火天の城は安土築城を通して信長の天下取りの政治的視点を鮮やかに描いている。この作品は鉄砲戦術を通して天下取りの武略的視点を克明にしようとしている。摂津会戦での大筒の存在、長篠の戦いでの三段打ちと実行方法などだ。そして鉄砲が従来の戦よりも明確な意思の元、信長の元では使われたことを意識させてくれる。
新しい(平和な)世を作るための道具だ。
さらに一巴は信長に嫌われつつも自分の鉄砲放ちとしての信念を曲げなかった。「私のために撃たない」だ。単なる殺戮の道具ではないという自負からでた信念だ。
前作より信長と鉄砲の関係が薄い分、橋本一巴が目立つがやはり主役になるだけの人物描写かというと今一つだった。安土築城と炎上は信長という天下布武の過程だったから迫力があった。天下取りの過程で戦から遠ざかっていくのでどうしても鉄砲という現場の産物は意味が薄くなってしまう。
そういえば信長の最後は弓を引いていたというのが定説だ。そういう固定観念があるのもこの小説のインパクトの薄さに繋がっているかな? -
信長に仕えた、橋本一把の話。鉄砲に関しても面白く読んでたけど、あっさりな最期。
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視点が新しくて面白い。有名武将ではない世界観がまた面白い。少しグロテスクかも。
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てつはう 天下一
織田信長家臣の鉄砲頭の生涯を描いた歴史小説
鉄砲の威力に魅せられその人生を懸けつつ
引き金を絞る度に 南無マリア観音 と祈る
鉄砲伝来黎明期の、鉄砲をめぐる武士達の気持ちが生生しい -
一巴は、天下万民の安寧を願い、その道を開くのが「鉄砲」であると信じ、虜になっていく。
特別な強いオーラを放つ信長についていくことを決心するが、尾張統一後、安寧どころか野心を燃やし、
他の領地に挑んでいく信長。忠誠を一度誓ったからか、そのやり方に疑問を抱きつつも、信長の渦に
巻き込まれていく、、、
特別な強いオーラを放つ信長を見て、自分がついていくのは信長、と見込み、
自分も虜となった鉄砲で、信長をサポートするものの、信長の野心はどんどん拡大していくばかり。
尾張統一後、安寧どころか野心を燃やし、他の領地に挑んでいく信長。
疑問を抱き始めたころに出会う孫子の言葉。
戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。
一巴と一緒にいた者たちは、信長の野心に従い、どんどん昇格していくのに、
欲を持たない一巴は、その働きの甲斐なく信長から足蹴として扱われていく。
それでも忠誠を一度誓ったからか、そのやり方に疑問を抱きつつも、信長の渦に巻き込まれていく、、、
今年、直木賞を受賞されたということで、山本兼一に興味を持ち、図書館でみつけたこの書を
借りて読みました。この本に、というより、本当に単純に山本兼一の本に興味を持って読んだのですが、
どんどんストーリーに引き込まれていきあっという間に読んでしまいました。
鉄砲?橋本一巴って誰?
元々戦国時代にさほど興味がなかったので、「誤ったかな、、」と思ったのですが、杞憂でした。
一巴の目を通して、信長が展開する戦模様もおもしろいですが、前半にある鉄砲や塩硝、そして
種子島や当時の小売ルートについての話も非常に興味深かったです。
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6/26 織田の鉄砲隊を創った男の物語。時代ものは楽しい。
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主人公の織田家鉄砲頭・橋本一巴は、信長へ鉄砲を指南し、鉄砲隊を創設したが、生涯信長に疎まれつづけた人物として描かれています。鉄砲で天下万民が安泰に暮らせる国を作ることを夢見て戦に望み、次第にその行動に疑問を持ちはじめるというストーリー。『白鷹伝』『火天の城』に続き、信長に仕えた一流の職人たちを描いた三作目の作品です。
2007.9.5読了
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タイトルに惹かれました。<br>
雷神の筒ってなんだろう・・・そんな感じで。<br><br>
ストーリーはそれほど好きになれなかったけど、信長の鉄砲衆の成り立ちや構成要員など、鉄砲にまつわる様々な時代背景が盛り込まれている。<br>
戦国時代がまた違った視点から見られて面白かった!
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