くちぬい

  • 集英社 (2011年9月26日発売)
3.23
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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784087754032

作品紹介・あらすじ

夫婦が移り住んだ村の忌まわしい因襲とは…。
首都圏の放射能汚染から逃れるために東京から西日本の村に移住した夫婦。村の暮らしは悪くないものに思えたが、些細な土地のトラブルから村人による虐めが始まり…。日本の暗部を暴く長編。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館。
    土佐弁や四国の訛りには慣れているので私には読みやすかった。
    50代の主人公の性欲にちょっと驚いてしまったな…。

  • 田舎暮らしに対する憧れが打ち砕かれる本(笑)
    後味は悪いが結構鬼気迫る

  • 坂東作品の好きなところは、ヤッパリこの田舎風習の閉鎖的ドロ沼感です。映画をみているような描写がスキ。途中で本が閉じれない!一気読みでした。

  • タイトル的にホラーかと思ったら、田舎は怖いという話やった笑
    春夏秋冬の田舎の自然の美しさが書かれ、それとは対照的に嫌がらせが書かれて対比が良かった。

    田舎に住みたいなーと思いつつも、人との距離が近すぎ、狭すぎて自分には向いてなさそう笑

  • くちぬい とは…
    口を縫う 口をつぐんで何も言わない 隠すこと

    自分たちの意に添わないものは排除する集落の人たち…そして口をつぐむ…

    東京から移住した夫婦を、追い詰めていく…

    怖い‼️

  • 書き下ろし作品。

    福島の原発事故の翌年、妻は拡大す放射能汚染から逃げるため、夫は定年退職後田舎に自分の陶芸の穴窯を持つ夢を叶えるため、高知県奈祁村白縫に移住して来た。

    十戸ほどの老人ばかりの集落は、表面上はにこやかだが、外部の者に対しては結束が強く、絶対に余計なことをしゃべらない。「くちぬいさま」という神様に口を縫いつけられるという。

    夫が作った穴窯が「くちぬいさま」を祀る祠へ通じる道にかかっている、として取り壊せと言われたのを断ってから、執拗な嫌がらせが続いた。

    猫の死骸が吊るされ、愛犬が殺され、水源からのパイプが切断され、飲み水に農薬らしきものが混入されても、警察も医者ももとりあわない。

    唯一、役場の職員が過去にも集落でいじめと不審死があったことを知って、心配する。

    家のガラスを割られて犯人を追いかけた夫婦は、猪狩りのために鉄砲を持って山に入った老人たちに逆に追い詰められてしまう。

    青そこひ(緑内障)になると「くちぬいさま」の神意を行うことが許されるという。結末もだが、決して荒唐無稽とは言えない怖さがある。

  • ふむ

  • 結末がとてもよくまとっていただけにそこに至るまでの展開には色々と言いたい。
    田舎はもっと陰湿である。わかりやすい嫌がらせをすると後々に面倒になるという事は百も承知だから、目つきとか、陰口で陰湿に攻撃する。
    本作がフィクションだというのはわかっているが、あそこまで大っぴらに動けば流石に警察は動く。物語の核となる赤線についても、「何かあるんですよ」程度の説明しかなされていないので恐怖の象徴がぼやけた形でしか見えてこない。
    夫にしても妻にしても夫は意地っ張りで妻は現実が見えていない。人生の失敗を噛みしめに田舎に来てしまったようなもので、そうなると予定調和の結末しか見えてこなかった。残念。

  • どろどろの集落の話。住みたくない。

  • 老後に田舎生活を夢見ている人もまだ多いのではないだろうか。知らない土地で、新しい生活。ワクワクするよりも知らない土地に長年住んでいる人とのコミュニケーション、新たな人間関係の構築、見知らぬ土地での孤立感、慣れた生活との離別は大きなストレスになるだろう。あり得そうで静かに怖い話だった。

  • 2019/4/17
    面白い、映画にしたら怖そう。

  • ロスジェネ、ゆとりなど、世代によって独特な思考があるように、団塊世代前後にも特徴的な傾向があるように思います。

    昭和一桁生まれの人びとは、思春期前後の終戦によって価値観の崩壊を経験したことにより、自分たちが日本を作り上げなければいけない使命感で生き、新たな価値観を生みましたがが、それを今でも必死に守ろうとしているように思えます。

    しかしその、例えば、終身雇用や持ち家神話、東京至上主義、年金制度は崩壊したにもかかわらず、それにボクも縛られざるをえないことに腹立たしさを感じます。
    本書の違和感は、読了後も続きますが、久々に考えさせらたれ小説でした。

  • ②/34

  • 舌禍に巻き込まれ最期は皮肉にも舌癌で命を落とした…存在は知っていても作品は読んだことのなかった坂東さん、やはり彼女の何事においてもストレートな姿勢は賛否両論となるであろうことを強く感じる。
    作家の誰もが書くことを躊躇した震災後にいち早く災禍をモチーフとしていることもそのひとつであるのだがこの救われない結末とするのであれば敢えてそれが必要であったのだろうか?
    作り方としてもそうで中盤まではのらりくらりの直球勝負で挫折しそうになることもしばしば、「いったい何が書きたかったのか?」と聞いてみたいが既にその口は縫われてしまったようで…

  • さすがに坂東さんなのでうまい。うまいんだけれど、面白くはない。過疎の高齢化集落に根を張る陰湿な感情が次第に立ち現れてくる描写に終始し、そこには意外性も不条理もない。はなからミステリーを書く気はないのかもしれないが、このお話だったら原発とか赤線とか口縫いとかの意味ありげなワードは不必要ではないですか?

  • ホラー的な作品かな?と思ったら違ってた。

    、田舎怖い、夫婦怖い、人間怖い… 霊より怖いのね。

  • 福島原発事故の影響から逃れるために、高知県の山の中に移り住んだ、一組の夫婦。
    夫は、自宅敷地内に趣味の陶芸の窯を作ったが、そこは古くから伝わる神社への通り道、赤線とよばれる部落の通路の上だった。
    赤線の上に邪魔になるものは置いてはいけない。赤線の上で起きたことは、部落の外には伝わらない。
    その日から夫婦への陰湿な嫌がらせがはじまる...

    田舎に泊まって、体験をするのは良いけれど、移住する時はよく気をつけましょう。
    お客さんには、一見親切そうにみえる人たちも、自分たちの部落の内側に入ってくるものには、敵意を示す場合があるからという、恐ろしい教訓的お話。

  • 一月に亡くなった、坂東眞砂子の最新刊。

    未完の絶筆となった「眠る魚」も発売されているが、いずれも東北の大震災後の作品。

  • 定年退職を機に、東日本大震災の脅威と放射能汚染の恐怖からのがれて、東京から四国の高知県白縫へ転居してきた麻由子と竣亮の夫婦。

    高齢者ばかりの過疎地で余生をのんびりと過ごすつもりの二人だった。
    村の中に広い土地と家を購入し畑を耕して、
    村の共同作業にも顔を出し、村人たちの仲間に入ろうとしていた。
    やがて二人は村の守り神として祀られているくちぬい様という神社のことを知る。くちぬいは普通は蛇のことをさすから、水神様とも言われているらしいが、白縫の高齢者たちにとっては、くちぬい様は絶対侵してはならない神仏だったのだ。
    春に引っ越してきて夏が来るころには、村人が竣亮の陶芸窯がくちぬい様へ通じる赤線とよばれる道の上にあるから、どけろと言い始めた。夫婦が断ると、それから少しずつ嫌がらせが始まったのだ・・・。

    過疎の村独特の閉鎖的な習慣や考え方がこの作品のテーマだろう。
    所詮、都会からの移住者は、余所者でしかないのだろうか。
    そういえば、つい最近もこのテーマと近い状況での事件があった。
    実父の看病をしに、町から生まれ育った村へ戻って来た男性が、
    両親が亡くなるとともに、だんだんと村八分に近い扱いをされた事件・・・。
    小説と同じよう状況の事件だったので、読みながら思い出してしまった。

    一人一人は弱いのに、集団で一つの秘密を守り抜こうとすると強大な結束力ができるのが人間なのだろう。そこへ崇拝する神まで存在していれば、全くの怖いものなしだ。
    周りの意見も聞かない図太い神経と凝り固まった自分勝手な思想に圧倒されてしまった。

    神の名前とばかり思っていたタイトルには隠された秘密があった。
    作品の終盤でそれと気がつき、やはり怖いのは人間の心だと思った。

  • 坂東さんらしい作品。
    人間の醜さ全開。

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著者プロフィール

高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築と美術を学ぶ。ライター、童話作家を経て、1996年『桜雨』で島清恋愛文学賞、同年『山妣』で直木賞、2002年『曼荼羅道』で柴田連三郎賞を受賞。著書に『死国』『狗神』『蟲』『桃色浄土』『傀儡』『ブギウギ』など多数。

「2013年 『ブギウギ 敗戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂東眞砂子の作品

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