- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087754056
作品紹介・あらすじ
天正元年(1573年)。吹き荒れる一向一揆衆弾圧のため、信長軍が越前に侵攻する。信仰の名のもと、戦に駆り出され、命を落としていく数多の罪なき民。蹂躙され尽くす、のどかだった村々。何処からか流れ着いた少女は起ち上がる。大切な仲間たちを守るため、封印された己のおぞましい過去に立ち向かうために-。
感想・レビュー・書評
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織田信長による越前一向宗門徒との苛烈な戦い。
のどかな村に暮らす記憶を無くした1人の少女。忍びとして、かつて鍛え抜かれていたかすかな記憶。
少女は村人を助けるため戦い続ける。
読み応えあります。
やはり、信長による一向宗への殺戮は許されない所業と言わざるを得ない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近流行りの少年漫画っぽい残酷さと戦闘シーンが多い。が、読後にキャラクターをまざまざと思い出せるので面白かったんだとおもいます。
村の男たちが、弱いながらも必死で戦おうとする姿が印象的。 -
単行本はやはり重い、寝転がって読まない分あまり進まない
戦国時代の越前門徒衆の一揆を描いているが、背景に朝倉、織田、元守護、門徒の僧、身勝手な輩に翻弄されながらも隠し谷に平和を築いた大きな犠牲を払った若者たちと、結衣と忍者の頭領、曽呂利の死闘の果て、 -
大満足!こういう本を読みたかった。こういう物語を読みたかった。こういう想いを感じたかった。
ストーリーが漫画っぽくても構わない。しゃちほこばった文体でなくても構わない。人を本当に感動させるのは、ど真ん中のストレートだけなのだ。とあらためて思った。
苛酷な時代に苛酷な運命を背負った結衣の、ひたすらまっすぐな感情と迷いとが胸を打つ。親しい人たちが次々と死んでいく中、それでも前を見続け、それでも生きることをあきらめない結衣とその仲間たち。この物語では、足軽の一人であっても決してコマではなかった。それぞれがそれぞれの物語と人生とを背負った人であった。こんな素晴らしい本を書いた著者が、なぜ「破天の剣」のような戦ゲーム本を書いたのか本当に謎である。この作品で本当に書きたかったことを書き尽くしてしまったのだろうか。
いや、それにしても大満足。傑作です。本当に大好きです。 -
時代ものというより、ラノベ的な活劇ものという印象。悲惨な話だけど、救いのある最終章のおかげで読後感は良かった。
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歴史ものと言うことで清々しさと力強さを求めていたんですが、人間の汚い部分が生々しく描かれていて、不快でした。
ビートトライブは明るい雰囲気でよかったですが、こちらはあまり好きではありませんでした。
でも戦う女子はとても素敵でした。 -
実は忍びの技を持っている結衣の心意気がよかった。彼女が育ての父の遺体と対面するシーンはなかったけど、ちゃんと受け止めたと思う。
曾呂利の思う通り、戦国時代に限らず、人を殺すことは因果応報だと思う。
殺戮のシーンが続いて苦しかったけど、結衣が村を立て直したことは凄い。
戦国時代が終わって忍びが不必要になることを考えると、曾呂利の名を継いだ若者が気になる。
どんなに辛くても、死んだ村人に対して、生きようとする結衣がよかった。 -
初めて読んだ作家でしたが、読みやすかったし、各キャラが大切にしている想いが伝わって、最後まで一気に読めた。一向一揆も民衆の側から見たら、こんなに無意味な戦いなんだ~ 結構ドラマ性のあるストーリーなので映画で見てみたいな。