マスカレード・ナイト

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087754384

感想・レビュー・書評

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  • 警視庁に届いた密告者からの予告状で物語が始まる。
    ホテルを中心に展開されていき、事件を未然に防ぐという形なので、密告者や犯人が何をしようとしているか全てが不明な状況。
    そんな何が起こるか分からない状況に、客側の行動が全て怪しく見えてくる。最後まで犯人が分からない展開には目が離せない。

    ホテル側のお客様第一のプロフェッショナルな考え方と、事件を防ぐことを第一に考える警察側との対立。どちらの言い分も正しいが、自分は警察側が少し横暴に思う場面が多いように感じた。
    どちら側に感情移入するかで見方が変わってくるのは面白い。

    舞台がホテル中心になっている影響なのか、犯人や密告者に関して伏線が薄いように感じた。証拠を掴んで犯人を追いつめたり、過去に迫っていき心情を察するなどもミステリの醍醐味だと思うが、そういう部分は薄かった。

  • 本性を隠す仮面を被った相手と関わるホテルマンと刑事。
    どちらが優れているとかなく, お互いの着眼点の違いを物語の進展に
    活かしており, クライマックスに至るまでにあった種々の謎解きは面白かった。

    ただ一番のクライマックスの事件に対して, 伏線が活かし切れておらず,
    その答えもバタバタっと最後に提示され辻褄合わせがされた様にも感じた。
    東野圭吾作品としては, 種々の謎解きに伏線が仕込まれており, そこがクライマックス
    で組み合わさって衝撃を受ける, 物語を期待したので少し期待と違った。

  • 伏線があちこちに散りばめてあり、読み応えがある。結末を知ってからはもう一度、それらを確認しに読み返したくなる。
    多くの人物の思惑が交錯するにも関わらず、最後に一本の線になって繋がり、納得感があるというのもさすがといった感じ。
    シリーズになっているようなので、他の関連作品も読んでみたい。

  • 間違えてシリーズ3作目?から読み始めたけど支障なく楽しめた。伏線や怪しい人物が多く、有頂天ホテルのような様々な人間像にミステリー要素が加わった感じ。実写映画を見てみたくなった。

  • 「東野圭吾」の長篇ミステリ作品『マスカレード・ナイト』を読みました。

    「東野圭吾」作品は、昨年10月に読んだ『素敵な日本人』以来ですね。

    -----story-------------
    累計265万部突破「マスカレード」シリーズ最新作

    若い女性が殺害された不可解な事件。
    警視庁に届いた一通の密告状。
    犯人は、コルテシア東京のカウントダウンパーティに姿を現す!?
    あのホテルウーマンと刑事のコンビ、再び――。
    -----------------------

    「マスカレード」シリーズ第3弾作品… 実質的には第1弾作品の『マスカレードホテル』の続きになるのですが、『マスカレードホテル』を読んだのは6年近く前なので、本作を読みながら、当時のことを、ちょっとずつ思い出した感じでしたね、、、

    相変わらず面白かったです… 散りばめられた伏線がキレイにつながるスッキリする展開でしたね。


    匿名通報ダイヤルにある情報がもたらされた… 匿名通報ダイヤルにもたらされた情報の内容は「練馬区のネオルーム練馬というマンションの604号室を調べてほしい。女性の死体があるかもしれない」というもので、匿名通報ダイヤルでは通常は受け付けていない類の情報だった、、、

    しかし、単なる悪戯とも思えないことから、匿名通報ダイヤルを運営する民間団体は、この情報を所轄の警察署に連絡した… 連絡を受けた警察署の警察官がそのマンションの部屋に駆け付けると、もたらされた情報通り、若い女性「和泉春菜」の死体が発見された。

    死体の状況から、「和泉春菜」は殺害された可能性が高かった… さらに、「和泉春菜」は妊娠しており、被害者宅に出入りしている男性を複数の人が目撃していた、、、

    警察は、その男性の身元を突き止めるため、「和泉春菜」の周辺を徹底的に探っていたが、なかなかそれらしき人物を発見することができなかった… そんな折、警視庁に新たな密告状が届いた。

    密告状の文面には、「ネオルーム練馬で起きた殺人事件の犯人が、12月31日午後11時にホテル・コルテシア東京で行われるカウントダウン・パーティーに現れるので、逮捕してください」というような内容が書かれていた… この密告状にはさまざまな疑問が浮かび上がるが、警察はこの情報を信じて、ホテル・コルテシア東京に潜入捜査することを決断した、、、

    そして、フロントクラークとしてホテル・コルテシア東京に潜入したのが、警視庁の「新田刑事」だった… 「新田刑事」は、以前にもホテル・コルテシア東京に潜入捜査した経験があり、その経験を買われて、再度潜入捜査官に任命されたのだった。

    ホテルの潜入捜査にはあまり気乗りしない「新田刑事」であったが、ひとつだけ楽しみがある… それは、前回の潜入捜査で「新田刑事」に協力してくれたホテル・コルテシア東京のフロントクラークからコンシェルジュになった「山岸尚美」にまた会えることだ、、、

    そんな、ホテル・コルテシア東京を訪れる様々の怪しい人物たち… 

    ・窓から見える東京タワーは見えるようにしたまま、ビルに掲げられた顔のポスターを隠して欲しいと要望する「秋山久美子」

    ・レストランを貸し切りプロポーズを演出して欲しいと要望し、プロポーズを断られた後は、ひとめ惚れした女性との接点の演出を要望する「日下部篤哉」

    ・「日下部」からのプロポーズを不快な思いを感じさせずに断る演出を要望する「狩野妙子」

    ・男性の名前で予約された部屋に偽名でチェックインして、二人で過ごしているように偽装する「仲根(牧村)緑」
     (しかも予約された男性「仲根伸一郎」は既に死亡…)

    ・ネームプレートのないゴルフバックを持ち込み、住所とは別な場所から段ボールの荷物が届けられる「浦辺幹夫」

    ・不倫目的で日頃からデイユースでホテルを利用しているにも関わらず、家族で宿泊している「曽野昌明」

    ・「曽野」と同じ日に宿泊した「曽野」の不倫相手「貝塚由里」

    ・ミイラ男の扮装でチェックインした「木乃伊男(キノヨシオ)」

    ・チャペルでウエディングドレス姿の撮影がしたいと無理を要望する関西弁の男女カップル

    等々、この中に殺人犯はいるのか? 一体誰が殺人犯なのか? 単独の殺人だったので、殺人犯は一人なのですが… 犯人だけでなく、犯人を恐喝しようとする女性たちや、その女性たちの愛憎、弱みを握られて犯人に協力する男性、犯人に捜査を攪乱するために金で雇われた男性等、悪事を働く人が数多く登場するので、なかなか全体像がわからない仕掛けになっています。

    狡猾な犯人が仕組んだ罠に振り回される警察… そして、偶然から犯人に捕らえられてしまう「山岸尚美」… クライマックスは盛り上がりましたねぇ、、、

    「東野圭吾」作品らしく、事件は多層的で複雑な構成をしており、事件の全貌が中途半端にしか把握できていない終盤ではモヤモヤと感じてしてしまう部分もあるのですが、最後の最後で断片的な情報が?がって真相や動機が明確となり、スッキリする展開でしたね。

    「山岸尚美」の祖母の形見の古い4分遅れの時計が、彼女等の命を救ったという展開は印象的でした… それにしても、「牧村緑」の正体には驚かされました、、、

    「新田刑事」や「山岸尚美」も欺かれる芝居… 女という仮面を仮面を被っていたとはね、まさかの展開でした。

    「日下部篤哉」の正体も、イイ意味で驚かされました… 「山岸尚美」がホテル・コルテシアロサンゼルスで活躍する次作を読んでみたいなぁ。

  • ケーブルTVでやってた映画、途中で寝てしまい挫折。たまたま図書館で見かけて読んでみた、一気に読み上げ!さすが東野圭吾。残念キムタク

  • 今回もおもしろかった。登場人物が多く偽名も使われて複雑でした。続編はロサンゼルスが舞台かな。

  • 圭吾 59歳の作品
    尚美、新田、渋い能勢が良い
    最後ちょっと盛り過ぎな感もあり
    でも楽しく読めた
    レイプ、仮装、ホテル特別な空間、お客様に応える

  • 再びホテルでの潜入捜査。
    今度は仮面舞踏会ですか。
    前回コンビを組んだ山岸さんがコンシェルジュに移動していてコンビが組めない。
    面白い展開でした。

  • 尚美はクラークからコンシェルジュへ。今回もお客様の無理難題を解決していく。事件の犯人は全然わからなかった!一流のホテルマンのおもてなしが素敵だなぁと思う1冊。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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