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Amazon.co.jp ・本 (424ページ) / ISBN・EAN: 9784087754421
作品紹介・あらすじ
「すげえの書いて、デビューしようぜ」
落ちこぼれヤンキーといじめられっ子中学生が、小説界に殴り込み!?
小説家を目指すデコボココンビの奮闘を描く、渾身の青春長編小説。
小説家となった入江一真のもとに、一枚の葉書が届く。とぎれとぎれの汚い字で「インチキじゃなかったぜ」とだけ書かれたその手紙は、もう20年ほど会っていない「元相棒」から送られてきたものだった――。
いじめられっ子だった中学時代の一真は、万引きを強要された現場でヤンキーの田口登と出会った。登は一真の境遇を聞くと、いじめをやめさせる代わりに、一真に「小説の朗読をしてくれないか」、と意外な提案を持ち掛ける。
登はディスレクシアで文字の読み書きができない。しかし一度聞いた物語は一言一句忘れない特技があり、頭の中に湧き出すストーリーを生かして作家になることを目指していた。
はじめはイヤイヤながら朗読のために通っていた一真だったが、名作小説をふたりで一緒に読むうち、いつしか「面白い小説を作る」という目標に向かって、興奮と共にぐんぐんのめりこみはじめる。しかし次々に難題が表れて……。
熱い友情と挫折を描く、渾身の青春物語。
感想・レビュー・書評
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まさしく『青少年のための小説入門』
優等生の一真(中2)と、ヤンキーでディスレクシアの登(二十歳)が出会い、小説を書くための研究を重ねていくお話。
障害のため読み書きができない登だけれど、小説に対して熱い思いがあり、小説家になるためにたくさんの本を読み込みたいと思っている。その朗読係に選ばれたのが一真。そして、登のアイデアを文章にして小説に仕上げる役目も一真。
初めはイヤイヤ付き合っていた一真も図書館の司書に良い本を紹介され朗読しているうちにどんどん小説にハマっていく。
朗読をしていると度々登からストップがかかり、言葉の意味を調べるよう言われたり、小説の中の主人公と語り手の違いとはなんぞや?ということを司書さんに教えてもらったり、そのまま読者も現代文の勉強になること間違いなしです。
読み込みのあとは、読んだ小説の設定と語り手を変えて自分達でオリジナルの小説を書いてみたりして、なんだか楽しい授業を受けているような気分の読書でした。
ただ、二人の小説が成功した後は仕事になってくるので、産みの苦しみが続いて、読んでいるこちらも苦しくなりましたね。
昭和の時代を思い返している物語なので、色々な場面が不適切にもほどがあるって感じでした(^^;
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小説作法に関する本のような本だけど、小説家を目指す青少年二人組の話。もちろん、中には小説を書くのに参考になる記述もあって、タイトルに偽りはないとは思った。
表紙の絵は『バクマン。』の作画担当の小畑健。だからというわけではないけど、バクマン。の小説家版のような話だと思った。多分、表紙が小畑健じゃなくてもそう思ったと思う。性格は違うけど、コンビによるデビューとか、ヒロインとなかなか会う機会がないところとか。
それでも、キャラクターの設定自体はだいぶ違うのでそこまでパクリと思えるようにも感じなかった。もしかしたら、この小説にもあった、過去の名作の設定を、違うキャラクターや舞台で置き換えるという手法を使ったのかもしれない。
キャラクターが勝手に動き出してうまく続きが書けなくなる話はちょっと笑った。明らかにおかしい方向にいこうとしていて、こうやって続きが書けずに苦しんている小説家っているんだろうなと思った。意外とあるあるネタなのかもしれない。
ちょっとよく分からなかったのがいつぐらいの時代を想定した話なのかというのが、途中までよく分からなかった。最初は現代の話かと思って読み進めていたのだけど、時代錯誤な不良がいたり、携帯電話の話がでてこないところで現代の話ではないのだろうなと気づいた。結構最後のほうで「日本は間もなく未曾有の好景気に突入し、その後長く不況に苦しむはずだ」という言葉が出てきて、多分1980年代前半ぐらいのイメージなんだろうなと分かった。なんでどこにも明言してないんだろう。 -
地頭が良いがいじめられっ子気質の男の子と、ディスレクシアという、文字を文字として認識できないけど物語がとにかく好きなヤンキーがタッグを組んで、物語を作っていくお話。
そんな設定だけで本好きにはたまらない話になるが、本の一文が引用されているだけでなく、その物語、ひいては主語や述語に対しての考察が素晴らしい。
コンビ作家として華々しくデビューをするが、少しずつ翳りを帯びていくさまも美しい。
最後は悲しく、切なく、しかし爽やかな読後感が待っている。 -
面白いです!登さんとかずまが出会ったきっかけが万引きっていうのが面白かったです!
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どこかで作家になることを夢見ている青少年のための小説入門としてこの小説は未来永劫存在していくのだろう。
この「入門書」は一筋縄ではいかない、というか誰にも真似のできない唯一無二のこの二人にだけ許された方法だったのだろうけど、いくつもいくつもヒントはある。
図書館で司書さんにおすすめされた本を片っ端から朗読する、そしてそこからエッセンスだけを抜き取り別の物語を作る、あるいは今まで読んだ本を別の物語に置き換えてそれを当てあう。そういうあれこれはきっとものすごく役に立つだろう。もちろん作家を目指すところまでいかなくても本好きなら誰かとこういうやり取りができればとても楽しいだろうし。
だけど、この物語が唯一無二の二人の物語としてのみ存在するのはそれが登と一真という全然共通点のない二人のそれぞれの個性がぶつかり合い補い合い尊重しあいそして高めあってきたからであって、それはもう他の誰にも真似なんてできるはずもない。
登の生い立ちも一真の現状も、決して恵まれたものではないし、二人が全く別の、もっとなんというか人として間違った方向へと進んでいっていた可能性はとても高かったはず。そうならなかったのは、やはり物語の、言葉の力に他ならないと思う。
そう、言葉は、物語は無限の力を持っている。
誰かの救いになり、誰かの力になり、誰かの夢になる。
登がばあちゃんと過ごした最後の日々。そこに確かにあった切なさと優しさの温度を私も感じた。一真が登のいない毎日の中で感じた風の冷たさも私は感じた。そして、流れる涙の温かさを私は忘れない。
小説が、物語が、文字が、私を包み込んでいった。この記憶はきっと消えない。
そして、この小説を読んだ人は、きっと、ずっと、もっと、物語を好きになる、そう思う。 -
本紹介のYouTubeでおすすめされていたので手にとりました。
YAの部類に入るのか、とても読みやすかったです。
作中に出てくる作品を一つも読んでいないので登さんの反応の良かった作品を読んでみたくなりました。
ちょっぴり切ないラストですが、前を向いて生きよう!という感じが良かったです。
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真面目な中学生の“ぼく”と、黒い噂のある二十歳の登さん。接点のない二人が夢中になったのは本の面白さだった…。
障害のある登さんに頼まれ、小説を朗読する事になった。名作を手当たり次第に読み、自分達でも書き始める。
すげぇの書いてデビューしようぜ!『渾身の長編小説!』
ストーリー自体も面白いし、朗読本のチョイスも面白い。キャラクターも個性的でとても惹きつけられました。
「バクマン。」の小畑健さんのイラストがまたぴったりですね! -
2024.2.29 読了
80年代という時代背景もあり出てくる小説が古典作品を含め全て40年以上前の作品ばかりで朗読シーンは読みあぐねることもあったけど二人が書いた小説をかすみに読んでもらい始めた辺りから小説の面白さをとことん追及していく二人のワクワク感がこちらにまで伝わってきてぐんぐん面白くなっていきました。
終わりの方は少し冗長に感じてたのですが最後の一行にそういうことだったのか!と膝を打つような仕掛けがあって心暖まる納得の読後感になりました。
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面白すぎて、読むのがもったいない作品。
一真が主人公で語り手になっている。その彼が登さんのことを信頼しきっているので、読んでいるうちに自分まで登さんならどうするのだろうと考えていた。
とにかく、良い物語。 -
★「ぼくは小説は可能性の束だと思っています。ポール・オースターが作品の中で、小説の中心はいたるところにあって、結末を迎えるまで円周は描けない、という意味のことを言っています。編集者はもちろん、作家さんも、書き終わるまで作品の全体像はつかめない。本当にすぐれた小説とは、そういうものじゃないでしょうか」(464)
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読み書きができない20歳の田口登(ヤクザ?)と私立受験に落ちて公立校に行くことになった入江一真がコンビで小説を書く話。
読み書きができないっていう状況が想像できなさすぎて最初はよくわからなかったけど、できない分創造とかが秀でてる登さんの「一真の朗読」に対するツッコミとか指摘が的を射すぎてて、そんな捉え方もあるんだ、って発見が多かった。
あと、ただ単に小説が沢山登場してたから、気になるのも色々あって読んでみたくなった。
どこが1番面白かった、とかは明確にはわからないけど、強いて言うなら半分超えたくらいからどんどん面白くなって、一気に読み進めた。
かすみ(一真と同じクラス&マンションに住んでいた女の子)の話がどういう意味を持っていたのかがあまりつかめなかった…
解説でも言及されてなかったし…
とにかく、500ページ超える長編だったけど苦に思わずに読み終えられた!
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とにかく色々な小説が登場してきて読みたくなった。また、登さんと一真が小説書くためにやっていたトレーニング(再現クイズ等)は、普通にやっても面白そうだと思う。最初と最後が「現在」で、メインの部分が「回想」だったのを忘れるほどのめりこんだ! -
声に出して読む、それは必要に迫られてやったことなのだけど、それが彼らにとって大きくプラスに働いているように思う。
黙読するよりも、言葉の、文章の流れが掴みやすい。
そして、ずっと言葉を聞いて過ごしてきた登さんは、それにとても敏感だったのだろう。
たくさん読み、たくさん聞き、そして研究して書く。
体の中に蓄積された言葉が、新たな作品となって紡ぎだされる。
でも、それが単なる再構成ではないものになるには、もう一段階超えなきゃいけない壁があるのですね。
図書館と、そして司書をたくさん活用してくれてありがとうございました。 -
読みはじめから絶対に面白いと確信して鼻息荒く読みはじめました。最初の勢いが失速し始めたあたりで不安がこみ上げるも何とか佳作と判断できる範囲内に着地していると思います。
ヤンキーといじめられっこ中学生が共作で小説家デビューを目指す。この舞台設定で面白くなかったら殴るという決意のもとに読み始めました。古今東西の名著を読み、分析して練り上げた物語を文章で形にしていく。実に地味で実にワクワクします。
巻頭でヤンキーが数十年後に亡くなり、その手紙が届くところから始まるので一抹の切なさを抱えながらの読書になります。そうか、いじめられっこが単独で小説家になるんだなと思いながら読むわけです。
そして出会いの時に戻り、ヤンキーは生まれつき文字を判別できない疾患を持っています。しかし物語を生み出す力が並外れている為、どんどんアイディアが産まれます。しかしそれを形にする為には技術がいる。その為に古今東西の名著の分析が始まるわけです。それほど本を読まない人にとってはメンドクサイ展開かも知れませんが、読書を愛する人は少々の穴も許せるくらい心引き込まれます。
表紙の漫画チックな表紙から考えると結構ビターです。全体的に陰った日暮れの美しさが漂っていて僕は好き。でもそんなに評価されなくても驚かないです。 -
不良に騙されて駄菓子屋で万引きを行った中学生、入江一真。あっさりヤクザ風の店員、田口登に捕まり、万引きを見逃すから、毎日小説を朗読しに家に来るよう言われる。といのも、登は小説家になりたいが、ディスレクアシアで文字が読めない。二人の交流と小説のレッスンが行われていく物語。
登のざっくりとした小説の内容要約は読んでいて面白い。けっこう楽しく読めた。小説を書く苦しみをなんとなく感じた。 -
漫画家の表紙がよく似あう、入りこみやすい設定と読みやすい文章だった。この作家のデビューが話題になっていたとき、気になったのだけれど手に取らずにいた。ラストの主人公のデビュー作はそれを連想させるし、こういうことが本当にあったら素敵だなと思わせてくれる。青春小説は喪失の物語だと思うので、その点でも満足。何かに本気で打ちこんでいる人が読んだら楽しめるのではないだろうか。
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おもしろい小説とは何がうまいのか、つまらない小説は何が悪いのか、その研究の仕方が独特。薦められた名作を片っ端から吸収していくのがすごい。小説の面白さを二人で共感できるのもすごいし楽しかったろう。残念な展開になってしまったが、とても濃い時間をすごしたのは羨ましい。
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文字が読めない書けないヤンキーの田口と、賢いけどこの先の未来に希望を持てない中二男子の一真。
一真は駄菓子屋での万引きを見逃す代わりに、田口に小説を朗読することになる。
小説家になりたいという田口。そんなことは無理だろうと思いつつも、言われるまま「小説家になりたい時にオススメの本」を図書館で借りて読んで聞かせる。
どんな本が面白いのか? どうして面白くないのか?
そもそもの読書がなぜ面白いのか、という根本的な問いをストレートに投げてくる。だって彼らは青少年だから。
インチキではない小説を書き始め、表現に悩む。あー本当に小説って面白いなと実感した。
自分の好きな小説のパターンとか、何を重視するかを考えたくなる。
活字中毒はもちろん、ふだんあまり本を読まない人へのガイドブックとしても面白いのかも。 -
なんというか、「小説」とはこーゆーものなのかと。
何気なく読んでるけど、作者の思惑や読ませ方など当たり前だけど練りに練られた物を読んでるのだなぁと。
もっとお気軽な内容かと思っていたので、骨太な内容に面食らいつつ、明るく前向きな雰囲気なのに、ちらちらと不穏な空気というかざわざわとさせられ、後にこう収束していくのかと納得。
著者プロフィール
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