22歳の扉

  • 集英社 (2024年4月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784087754674

作品紹介・あらすじ

【小説すばる新人賞、史上最年少受賞から8年】
京都の大学に入学した数学好きの田辺朔。
大学生活に馴染めず、漫然と授業を受け、バイトをしているうちに一回生前期は終わってしまった。
後期に入り、旧文学部棟の地下、通称「キューチカ」でひっそりと営業されているバーのマスター夷川と出会い、朔の大学生活は一変した。
夷川につれられ、初めてのウイスキー、タバコ、そしてバーやクラブなど、これまで見たこともない世界を知っていく。
しかし、ある日をさかいに、何の前触れもなく夷川はナイジェリアへ留学に行ってしまった。「バー・ディアハンツはお前に任せる!」の一言を残して。
そこからマスターとしてバーに立つことになった朔は、その大学内の不思議なバーで数々の出会いと別れを経験する――。自由奔放な女の子に振り回されたり、学生運動紛いに巻き込まれたり、自分の行く末に悩んだり……
20代前半の「不変」と「今」が詰まった圧倒的青春小説!

【著者略歴】
2000年愛知県生まれ。京都大学大学院にて修士号を取得。高校2年時の16年『星に願いを、そして手を。』で第29回小説すばる新人賞を史上最年少で受賞し、デビュー。他の著書に『凪に溺れる』『青く滲んだ月の行方』『幾千年の声を聞く』がある。

感想・レビュー・書評

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  • 読書備忘録897号。
    ★★★。

    青羽さんは凄い方です。高校生の時に小説を書いてなにか賞を獲った。そして、この作品は京大大学院在学中に書いた。
    究極に頭良いんですよ。そしてカッコいいんですよ。見栄えが!

    本作品はラノベ感覚の青春小説。
    青羽さんがどういう学生生活を送っているのか存じ上げませんが、私小説的な感覚はあるのかないのか?
    京大出身の小説家、森見登美彦さんや万城目学の世界観は京大にあるのでは?と京大に入ったとのこと。すげえ!
    ただ、この作品は大学生を主人公にしたステレオタイプの青春小説という感が。
    「ふぞろいの林檎たち」の衝撃は全然超えられない・・・、と思う。知らんけど。
    そして、ホルモーに代わるとんでも世界感・・・、でも無く。

    大学とは?
    ①普通に行けば、在学中に成人する。未成年から大人へ。タバコ、お酒。ただただ闇雲に大人を経験する時。
    ②学生という枠組みの存在から、百人百様の社会人・・・、もっと言えば自分はなんなんだ?何になるんだ?という試行錯誤の時。
    この2つの"時"が交錯するとき、登場人物たちが青い世界に不安定な足場の上で浮遊する。

    ちょっと良いな、と思ったのは物語の舞台。
    旧文学部棟という壊れかけた建物の地下(キューチカ)。そこにひっそり営業するバー「ディアハンツ」。
    主人公の田辺朔は、バーのマスター(学生)夷川歩からマスターを引き継ぐ。
    歩は言う。「人は人を救えないけど、場所は人を救える。ディアハンツを任せた」と。
    場所がヒトを救う。良いなぁこのフレーズ!

    ただ、う~ん。

    自分が京大のような個性の塊のような大学には行ってないし、大学時代、学業以外は体育会テニス部に明け暮れていたので響かない世界でした。
    テニスだけをやってどうやって単位を取るか!しか考えていなかった・・・。
    平凡すぎる大学時代を過ごしたってことなんだろうな。今考えると寂しいわ。

    ということで、大学生活の風景が描かれているだけでストーリーが見え難かった。ジジイには。
    なので備忘録はこれにてさよなら。

    • 1Q84O1さん
      私のレビューこれだけかもしれませんよ

          ↓↓↓

      (●`ε´●)フガーッ!!
      私のレビューこれだけかもしれませんよ

          ↓↓↓

      (●`ε´●)フガーッ!!
      2025/03/02
    • shintak5555さん
      _| ̄|○
      _| ̄|○
      2025/03/02
    • yukimisakeさん
      1Qさん、僕は単なるヌーディストですよ?中身はまとも!好青年!!(だった頃もあったのになぁ…)
      1Qさん、僕は単なるヌーディストですよ?中身はまとも!好青年!!(だった頃もあったのになぁ…)
      2025/03/02
  • 初めて読む作者の作品だったのでどんな感じだろうと期待と不安があったが、読んでみた結果結構好きな感じだった。

    敢えてジャンル分けするなら青春&恋愛小説といった感じ。主人公の大学4年間での成長が描かれる。

    登場人物の性格の描き分けが繊細で好きだった。

  • 朔の4年間を通して、私も大学時代を過ごした京都の景色を少し懐かしく感じました。

    それにしても若いです。
    大学生だからこその馬鹿らしさ、青さを存分に楽しませてもらいました。
    その時間は楽しいけれども、乗り越えて先に進まないといけないもので、ある意味まだ学生気分を抜けれてないようです。
    でもこんなパワーもう私は失ってしまったかもしれない。
    没頭できるもののある人生を羨ましく思います。



    僕はただ、好きなものを好きだって言いたい。

    俺は面白いものが見たいんだよな。面白くないものを見てると、搾取されてる気分になるだろ。何だろうな、そう、面白いというか、弾けるというか、しがらみのないものが見たんだよ。



    We live in the top point of our past even though we forget the past.
    Just living means not forgetting everything.


  • 大学4年間に主人公とその周りの人たちが、
    考え、悩み、もがき、乗り越えてその人なりの
    覚悟と決着を見つけていく物語。

    高校時代の悩みや甘酸っぱさとは違う、
    もっと根源的で深く自己矛盾と欲求に
    何度もぐるぐと繰り返しながら向き合う
    苦さが印象的。

    大学生というある程度の自由と自己責任の
    両方を背負った感じや、大学という社会と
    区切られた環境と時間の中で過ごす開放感と
    将来への漠然とした不安や淡い希望、
    時間の経過とともに気配を増す焦り、
    人物たちのどこまでももどかしい様子から
    滲んで感じられた。

  • 人は人を救えない。でも場所は人を救える。

    まともじゃないし、強くない。だから誰かのそばにはいられない。

  • Amazonの紹介より
    京都の大学に入学した数学好きの田辺朔。
    大学生活に馴染めず、漫然と授業を受け、バイトをしているうちに一回生前期は終わってしまった。
    後期に入り、旧文学部棟の地下、通称「キューチカ」でひっそりと営業されているバーのマスター夷川と出会い、朔の大学生活は一変した。夷川につれられ、初めてのウイスキー、タバコ、そしてバーやクラブなど、これまで見たこともない世界を知っていく。
    しかし、ある日をさかいに、何の前触れもなく夷川はナイジェリアへ留学に行ってしまった。「バー・ディアハンツはお前に任せる!」の一言を残して。
    そこからマスターとしてバーに立つことになった朔は、その大学内の不思議なバーで数々の出会いと別れを経験する――。自由奔放な女の子に振り回されたり、学生運動紛いに巻き込まれたり、自分の行く末に悩んだり……
    20代前半の「不変」と「今」が詰まった圧倒的青春小説!



    大学の地下にひっそりとあるバー。そのバー近くで同級生と待ち合わせしたはずが、来ず。そのかわりにバーのマスター(大学生)と出会うことで、出会いと別れ、様々なキャンパスライフを体験することになっていきます。

    最初はどっちかというと地味な感じの主人公だったのですが、段々と存在感が大きくなったといいましょうか、主張をはっきりと「前」にでている感じがあって、成長したなと思いました。

    最初は客のつもりでいたのに、マスターとなって客をもてなし、そして恋の展開も垣間見られます。それぞれが恋をし、傷つけられ、お互いを癒し合っていく模様を見ていくと、学生でもあり大人でもある「今」が青春だなと思いました。色んな経験を経て、大人へと成長していくんだなとしみじみ思いました。

    全体的に大学というと、わちゃわちゃ感を想像するのですが、そういった要素は抑えていて、バーみたくしっとりとした雰囲気を醸し出しているので、大人な感じがしました。
    後半では、ちょっとした衝撃の展開が待ち受けていきます。
    それぞれの登場人物がどのように大学生活を迎えていくのか?そしてどう旅立っていくのか?
    別れるのは寂しいけども、これもまた人生だなと考え深く思いました。

    青春小説でも、大人な雰囲気もあって、色んな人生の要素が詰まった作品だったなとしみじみ思えた作品でした。

  • 大学生の苦悩を描いた、どこか文学的で情緒的な作品でした。
    ただ流されるだけの人生、ただ好きな物を追い求めるだけの人生に疑問を持ち、青春を謳歌しながら自分なりの答えを出せた主人公の成長が感じられた。
    そこには僕らのすべてがあった。帯に書かれたその言葉がこの作品の全て。思い出が過去として消化されず、確かに胸の中にある。そんな境地に至れたのは、主人公の成長と呼べるのだろう。

  • 新しいことにチャレンジする大切さと勇気。そして、自分の好きに正直になれる小説

    自分の大学時代にこんな青春を送れたら楽しいだろうなって思いながら読みました。
    新たな場所が人を変えくれるのかも知れません。

    これぞ、青春小説と思う小説でした。
    青春不足やこれから青春を謳歌する予定の人にはいいかもです。

  • 京都で過ごした4年間。ディアハンツのマスターを務めながら、友人の北垣とその彼女の三井さん、もはや腐れ縁?的な野宮さん、真っ直ぐに朔を見つめる日岡さんらとの日々。これらを朔に与えてくれた夷川が死んだ時、彼は京都を離れる決意をしていた。大学時代は良いなぁと思い出させてくれた一冊。

  • 頭の中で今夜はブギーバックが流れてました。
    この小説を読んで主人公のように自分も物事に対してもっと深く考え、行動するべきだったとおもいました。

  • またいつか読み返したいと思える本に久しぶりに出会った。静かに熱く流れる4年間を、沁み入る言葉と共になぞる感覚。少し暗めの装丁も似合ってる。

  • 大学にバーがある?と思ったけど、ある所にはあるのかな?
    恋愛の気持ちを思い出せた。

  • 若い方の作品はほんと素敵ねぇ、と思いながらどっぷり浸らせていただきました。
    史上最年少ですばる新人賞を受賞された作家さんですが、意外に感じたのは、一回り以上違うはずの自分の学生時代とキャンパスライフの印象があまり変わらないこと。
    え? 今の若い子って、こんなにハチャメチャやるの……?
    もっとスマートでドライなのかと勝手に思っていましたが、お陰様で自分の青春の思い出に引き寄せて読み進めることができました。

    ファム・ファタールの野宮さんと、乗り越えるべき壁としてそびえる夷川さん。
    父親不在の機能不全家庭で育った野宮さんが人として未完成な若いうちに、彼女の中へ入りこんで懐柔していった(と主人公の田辺くんは見ている)夷川さんのグロテスクさが冴えていました。
    彼のマッチョイズムから強烈な洗礼を受け、地下サークルのバー「ディアハンツ」を守り、そして彼からの卒業に成功した田辺くんにあっぱれと言いたいところですが、一方でそんな田辺くんも日岡さんを振り回しているところにリアリティを感じます。
    人からの影響って、プラス面もマイナス面も渾然一体となって、ぐちゃぐちゃになって押し寄せてくることがありますね。
    モラトリアム期であればなおのこと。
    だからこそ臆病な田辺くんは、人との関わりでなく「場所」や「学問」を志向したのでしょう。
    田辺くんは抑制的で控えめ、そして自覚的な青年ですが、日岡さんや北垣君に対しては割と鈍感というか、ナチュラルに傷つけている場面がありました。
    そういう相手こそ大切にしてもらいたいなと、おばちゃん目線で感じてしまいます。

    なんにせよ、みんな自分の生き方を真剣に見つめていてえらい!
    若者を応援する気持ちがあふれてくる、素敵な小説でした。
    京都という場の設定も素晴らしかったです。

  • 京都の大学に入学した田辺朔を主人公にした青春小説。いわゆる“Z世代”の話だが、旧文学部地下棟にあるバー「ディアハンツ」に集う面々はかなり時代錯誤な印象だ。
    そもそも大学の敷地内でサークルとしてバーをやるってありなのか? 20歳未満の学生が堂々と酒を飲みタバコを吸っているのだが? まあ、そういう世界なんだなと理解しておこう。
    朔をディアハンツに引き込んだ夷川という男と野宮という女がキーパーソンだ。そもそも朔はあまり自己主張をしないタイプで、進路すら人に勧められて決めたようなものだ。そんな彼がバーのマスターとして人と関わることで様々な出会いが生まれ成長していく姿が描かれる。
    いやあ、青春だなあ(^o^)。

  • 23歳の今、何気なく手に取ったこの本は、読んで本当によかったと心から思える一冊だった。
    大学4年の自分と重なる部分が多く、自分の中でも言葉にしづらかった感情が、この本の中で丁寧に描かれていた。

    大学生になると、「自分とは何か」「自分は何をしたいのか」といった問いに向き合わざるを得なくなる。
    明確な答えのない問いを探し続けることは、時に苦しく困難でもあるが、その過程に無駄なものは何一つない。
    悩み、もがき続ける中で、少しずつ“自分”という輪郭がはっきりしていくのだと思う。

    ディアハンツのシーンでは、思わず自分もお酒を飲みたくなった。

  • 高校卒業したばかりの主人公が、大学生活の4年間で出逢った人や出来事を通じて、少しずつ大人へと成長していく物語。その過程でみせる、大学生ならではの、完全な大人にはなりきれず、しかし子どもでもない中途半端さや儚さが、人間関係の変化や自分自身の心の揺れを通じて鮮明に描かれている。
    誰もが大学生活で経験するであろう、人生の分岐点にたった時の葛藤や、思い通りにいかない他人の気持ちへのもどかしさ、親しい友人との心のすれ違い、こうしたリアルな感覚に自然と自分と重ねてしまう。あの時の青さや自由の中にある青春が、ページをめくる度に蘇る。もし22歳の時に出会っていたら、きっとより自分と重ね深く共感していたと思う。

  • 京都の大学に進学し、様々な人や場所に出会い、自分らしさも模索する主人公。将来に迷いながらも、人生の選択をしていく姿に共感しました。自分の大学時代をなんか思い出す、いい作品でした。

  • 読み終わった時には22歳の扉というタイトルに誰もが共感するのではないだろうか。自分の学生生活に重ね、主人公と同じように同じような悩みを抱えていたな、友達や他人と比べ彼らを羨んでいたな、自分に自信がなかったなと、でもそうやって毎日を生きていくことで多少なりとも成長しているんだと、よくやっているよ、と声をかけたくなった。誰だって頑張る時もあるけれど、休息の時間も必要で、決して自分がダメなことなんてない。これといって特別何かが起こるとかはないストーリーだが、主人公が大人になっていく様子が鮮明に書かれていて若さ、美しさ、鮮明さ、心地よさを感じる非常に読みやすい本だった。青羽さんの本を初めて読んだが他の作品も読みたいと思った。単純に私の感性に刺さる本だった。

  • 大学生になり京都にやってきた朔はあるきっかけでバー「ディアパンツ」のマスターに。そんな彼が4年間に様々な人と出会い別れて考え成長する物語りだったと思います。もう子供ではなく、でもまだ大人にもなりきらない時期の心情機微を丁寧に描いた内容と思いました。そんなやりとりでそんなに分かり合えるのか、と感じる部分がゼロではなく、一方でその年代に思うであろうことがリアルに表現されているようで、好印象読了しました。星3つです。

  • なんかしんどかった。
    懐かしくもあり、知らない世界でもあり。
    京都の大学ものが読みたくて、かつ作者が生まれた年に縁を感じて買ったけど、その年月の差によるものか。
    「中国文化史I」を受講したくはなった。

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著者プロフィール

2000年、愛知県生まれ。2016年、『星に願いを、そして手を。』で第29回小説すばる新人賞を史上最年少で受賞して、作家デビュー。著書に、『幾千年の声を聞く』(中央公論新社)、『青く滲んだ月の行方』(講談社)など。

「2023年 『凪に溺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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