こちら葛飾区亀有公園前派出所 小説

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087804669

作品紹介・あらすじ

両津勘吉、『新宿鮫』『池袋ウエストゲートパーク』etc.の人気キャラと夢の共演。超人気ミステリー作家7人が両さんを描く。

感想・レビュー・書評

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  • 偶然、図書館で出会った本。
    こち亀vs人気作家のコラボ。
    「こち亀」を素材にした短編集。
    「こち亀」の「何か意味がありそうでいて実は大した意味がなく、何も考えないで読める」良さが損なわれておらず楽しめた笑

    収録されていた短編の中では、東野圭吾さんの作品が抜きん出てました。さすがです。

  • 漫画「こち亀」の日本推理作家協会に所属する作家さんによるアンソロジー小説集。
    何より京極夏彦さんが書いてるというのに目が引かれたが、トップの大沢在昌さんも含めて、そうそうたる面々である。
    大沢在昌さんのあとがきにあるように「伝家の宝刀ともいえる自身の人気キャラクターを惜しげなく投入」した作品も多いが、その上で「こち亀」の雰囲気が感じられるのが、さすがというところである。
    個人的によかったのは、今野敏さん、東野圭吾さん、京極夏彦さん。今野敏さんの「キング・タイガー」は、ウンチクや細かな描写が、正に「こち亀」の雰囲気。ほとんど両さんも出てこないのに、これはすごい。東野圭吾さんは、乱歩賞という作家のネタで、「こち亀」を書くという点もおもしろいが、両さんの暴れっぷりもよい。京極夏彦さんは、細かいネタもさることながら、大原部長と丸井で話を進めてくという点がおもしろい。京極作品としては、バカ話に持っていきながらも、話がきちんと落とすと、よくできてるなという感じです。サクッと京極堂シリーズの後日譚にもなっていて、ニヤッとしました。
    他の作家さんも、元ネタの作品も読んでみたくなる作品で楽しめました。

  • ミステリー作家たちが、こち亀キャラクターを使って書いた短編集。
    全体的に両さんは漫画より優しく頭脳も使っている(笑)

    【大沢在昌「幼な馴染み」】
    「新宿鮫」の鮫島、晶、藪監察官が登場。
    三人が浅草に初詣に行くと、藪医者の幼馴染の両さんとばったり出会って…。

    両さんはゲーセン立ち入ったり人をおちょくったりしているが、人を良く見ていて人情派。原作の両さんよりずっと人情派かも(笑)

    【石田衣良「池袋⇔亀有エクスプレス」】
    池袋のトラブルシューターのマコトが、眉の繋がったクロマニヨン人みたいなスーパーコップ両さんとある相談を解決することになり…

    こちらの両さんは小悪党を子供にほだされて大目に見てやるくらいの人情派。

    【今野敏「キング・タイガー」】
    退官した警視が、今後の趣味として始めたプラモデル作り。
    プラモデル屋には実に見事な完成品が展示されていた。
    元警視は作者の「両津勘吉」に興味を持ち…

    両さんの出番は少ないけれど、元警視が「どんな人だろう…」と想像している。

    【柴田よしき「一杯の賭け蕎麦-花咲慎一郎、両津勘吉に遭遇す」】
    無許可保育園長兼探偵の花咲慎一郎の元に駆け込んできたピンクのミニスカ金髪ポリスの秋本麗子巡査。
    言われるままにパトカーに乗せられ…、その運転手はお洒落なストライプ制服のむかつくほどの美男子、この二人怪しい。
    連れて行かれた派出所にいたのはもっとさらに怪しい両津勘吉だった!

    麗子も中川も漫画では普通に読んでしまっていますが、一般人と一緒に出てくると十分怪しいですね(笑)

    【京極夏彦「ぬらりひょんの褌」】
    休日秋葉原に出かけた大原部長と寺井。
    妖怪ぬらりひょんのフィギュアを見た時に蘇る大原部長の記憶。
    大原部長が二十数年前に住んでいた部屋に、妖怪としか思えないものが出入りしていた…!

    ここで出てくる寺井が妙に冷静沈着(笑)
    坂の上の古書屋を営む老人、スダレ禿の元作家京極夏彦などが出てくる。
    相変わらページの終わりは必ず文章の終わりと言う几帳面さ。

    【逢坂剛「決闘、二対三!の巻」】
    両津勘吉と秋本麗子がフェラーリで御茶ノ水署に乗りつけた。
    このことが梢田巡査、斉木警部補、五本松巡査部長の波乱の1日の始まりだった…。

    いきなり金を掛けた賭けを仕掛ける両さん…はまだしも、
    麗子がノリノリで片棒担いでいる姿がなかなか可愛いかもしれない(笑)
    両さんの賭けも、漫画では勢いで押し切るけれど、小説ではちゃんと作戦立てていて、漫画より頭脳を使っている(笑)

    【東野圭吾「目指せ乱歩賞!」】
    江戸川乱歩賞は賞金2000万?!
    それを聞いて黙っている両さんではない。
    翌日の締め切りまでに四台のパソコンを使いこなし、原稿に発信器を付け審査員たちを脅しにかかる…。

    うん、このやり口はじつに両さんっぽい(笑)

  • マンガと小説の人物競演

  • 東野圭吾が書いた部分は傑作。
    江戸川乱歩賞をめざす両さん。
    締め切りが明日だと聞いて、刑務所にいる犯罪者4人に原稿を書かせて,それを継ぎ合わせて間に合わせる。
    1次予選、二次予選で,現実的でないといって切られたところが,
    最終予選では「はちけていない」という理由で落選する。

    自分を両さんにたとえて,
    文学賞を笑い者にしようとしている。
    賞をもらったことがあるから書ける嫌がらせ。
    両さんを主人公にしたからこそ書ける嫌がらせ。
    与えられた条件を自分の好きなように利用する,技術者ならではの作品に仕上がっているかも。

  • ぬらりひょんの褌が「こち亀」っぽくて面白かった。

  • ほんの気分転換のつもりで購入したけれども
    作家それぞれの作品の個性がでていて
    最初から最後まで飽きずに読みきることができました(o・∀・o)

  • 大沢在昌、石田衣良、今野敏、柴田よしき、京極夏彦、逢坂剛、東野圭吾
    という、目もくらみそうな豪華メンバーによる

    「こち亀」コラボ!

    こち亀30周年記念コラボらしいんだけど
    いやぁ~~。もう最高っす!

    新宿鮫の鮫島が!
    ウエストゲートパークのマコトが!
    にこにこ園の花ちゃんが!
    そのほか、綺羅星のような人気メンバーが両さんと絡むんですよ!
    もう大興奮(笑)
    始めっから終わりまでニヤニヤしっぱなしです

    文句なしの☆5つ!!!

  • 7人のプロの推理小説家が書く両さん。
    最近、こち亀ブームが来てるから手に取ったわけじゃなく、以前から気になっていた作品。
    短編集で、それぞれいい味が出てて読みやすかった。
    漫画を読んだことないけど、両さんの性格が出てて面白かった(^O^)
    (2011.8)

  • 秋本治と日本推理作家協会、夢のコラボ企画!人気推理作家7人が「こち亀」を小説化する!「新宿鮫」や「池袋ウエストゲートパーク」と「こち亀」の共演も実現。ギャグあり人情ありハードボイルド(?)もあり、の豪華アンソロジー。描きおろしイラストも多数掲載。『週刊プレイボーイ』連載を単行本化。
    (2007年)
    — 目次 —
    大沢在昌『幼な馴染み』
    石田衣良『池袋↔亀有エクスプレス』
    今野敏『キング・タイガー』
    柴田よしき『一杯の賭け蕎麦:花咲慎一郎、両津勘吉に遭遇す!』
    京極夏彦『ぬらりひょんの褌』
    逢坂剛『決闘、二対三!の巻』
    東野圭吾『目指せ乱歩賞!』

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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