ひろしま

  • 集英社
4.05
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本棚登録 : 116
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (92ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087804829

作品紹介・あらすじ

花柄のワンピース、水玉のブラウス、テーラーメイドの背広、壊れたメガネ。写真家・石内都が被爆遺品を撮った。美しいから辛い、可憐だからむごい。風化しない広島。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年、この写真集の撮影風景を追った番組をTVで見た。
    撮影をしながら、原爆が落とされたその瞬間でも人々は普通の生活を
    していたということ、女性はおしゃれをしてお気に入りの柄のワンピースや
    ブラウスを着ていた‥‥ということを記憶に留めていたい。というような
    ことを石内氏がおっしゃっていた。
    被爆者の着ていた45着のぼろぼろになった服を撮った写真集。
    着ていた人は亡くなって、残った衣類は風化せずに部分的にしっかりした
    縫製の後などを残している。どうして戦争なんてしたんだろう?と考えさせられる。特注のライトテーブルの上で撮られた服のディテールからは風に揺れるスカートの動きや涼しげな素材感、着ていた人の体型までが皮肉にも生き生きと見て取れる。写真になった一着一着が心に刻まれた写真集だ。

  • きれいな写真集がみたいな、と思って、図書館の写真集の棚を眺めていたら、見つけた
    どうしてもひかれてしまい、手に取った

    広島で被爆死した方方の、遺品の写真集
    ワンピースや制服や小物など、時間を奪われてしまったものたちが写されている
    撮影者と寄稿者の文章を読み、色色な布地に染み込んだものは、確かに血や汗だけではないと感じた
    生生しい写真こそないものの、想像をかきたてられる
    確かにその人が存在していたこと、確かに(私たちが?)殺してしまったこと、感じたことをそれぞれ受け止めて、私たちは生きていかなければならない
    写真にはこういう働きもあるのだと知った

    • Eさん
      そのときには、どうしようもなく、時間を奪われてしまったものだと感じます

      たしかに、資料となった今では、自らが力や意思を持って時間を止めた、...
      そのときには、どうしようもなく、時間を奪われてしまったものだと感じます

      たしかに、資料となった今では、自らが力や意思を持って時間を止めた、という感じかもしれません
      2013/07/25
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「どうしようもなく」
      そう、どうしようもなかった。悲しい事実ですね。
      リンダ・ホーグランドのドキュメンタリィは、観に行く予定。また違う顔が見...
      「どうしようもなく」
      そう、どうしようもなかった。悲しい事実ですね。
      リンダ・ホーグランドのドキュメンタリィは、観に行く予定。また違う顔が見えてくるかも、と期待しています。。。
      2013/08/01
    • Eさん
      やっぱり、恐ろしいものや醜いものの存在を知る義務もあると、最近感じています
      戦争自体はまがまがしいものでも、そこに生きていた人たち一人ひとり...
      やっぱり、恐ろしいものや醜いものの存在を知る義務もあると、最近感じています
      戦争自体はまがまがしいものでも、そこに生きていた人たち一人ひとりは、そういうものでもないですものね

      ドキュメンタリー映画のこと、知りませんでした
      岩波ホール、私も観に行こうと思います
      nyancomaruさん、教えてくださり、ありがとうございます(^^)
      2013/08/02
  • 『ひろしま 石内都・遺されたものたち』 2013年夏、岩波ホールほか全国順次公開予定
    http://www.thingsleftbehind.jp/

    『ひろしま 石内都・遺されたものたち』 Things Left Behind / ひろしま 石内都・遺されたものたち
    日本、アメリカ / 2012 / 80分
    監督:リンダ・ホーグランド(Linda HOAGLUND)
    ©NHK / Things Left Behind, LLC 2012
    配給:NHKエンタープライズ

    【作品解説】
    平和記念資料館に収蔵されている原爆犠牲者の遺品を撮影したシリーズ「ひろしま」で知られる写真家、石内都。リンダ・ホーグランドの監督第2作である本作は、2011年10月、カナダのバンクーバーにあるMOA(人類学博物館)で石内都の大規模な個展が開催されるまでを1年以上にわたって記録したドキュメンタリーである。衣類、靴、人形など、原爆で亡くなった人々の様々な遺品たちは、時の流れを越えて見る者に静かに語りかけてくる。映画は、個展の準備の過程に密着し、バンクーバーで個展に訪れた人々の率直な反応を記録する。更に興味深いのは、様々な人々へのインタビューから明らかにされるカナダと原爆との間にある意外な関係性である。監督デビュー作『ANPO』において現代アートを媒介にして日米安保の問題を投げかけたホーグランドは、本作でその方法論を更に深化させたと言えるだろう。数々のドキュメンタリーを撮影し、『誰も知らない』など是枝裕和作品の撮影監督としても知られる山崎裕が撮影を担当。

    『ひろしま 石内都・遺されたものたち』 :特別招待作品 : TOKYO FILMeX 2012 / 第13回東京フィルメックス
    http://filmex.net/2012/ss13.html

    • Eさん
      こんにちは

      先日、「ひろしま」、観てきました
      石内都さんの撮影における思いは、良い意味で想像と異なりました

      ありがとうございました(^^...
      こんにちは

      先日、「ひろしま」、観てきました
      石内都さんの撮影における思いは、良い意味で想像と異なりました

      ありがとうございました(^^)
      2013/08/15
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      > 良い意味で想像と異なりました
      そうでしたか、此方では朝1回の上映だったので、観に行く都合をつきませんでした。今から次のチャンスを待ちます...
      > 良い意味で想像と異なりました
      そうでしたか、此方では朝1回の上映だったので、観に行く都合をつきませんでした。今から次のチャンスを待ちます。。。
      2013/08/19
  • つらかったです。
    透明感、清潔感、生地やデザインの可憐さが。

    これらのお洋服や小物の素材を買った人縫った人、着て鏡にうつして見た人、お母さんや姉妹やお友だちにちょっと自慢した人、好きな人に見てもらいたかった人。
    もういない。その朝から。

  • 物言わぬ遺物の雄弁さ。
    ここで紹介されているものは、持ち主が生前身に付けていたものだという。

    付録のしおりの、井上ひさしさん、柳田邦男さん、鷲田清一さんの寄稿も、ぜひ読んで欲しい。

  • 「ひろしま」石内都著、集英社、2008.04.30
    78p ¥1,890 C0072 (2018.11.15読了)(2018.11.15借入)
    読売新聞の読書欄で「平成時代名著50」が順次掲載されています。その中の一冊として、この本が紹介されていました。図書館の蔵書検索で検索したらヒットしたので、借りてきました。石内都の展覧会は、今年の1月に横浜美術館で見ました。「ひろしま」に収録されている作品も何点かありました。洋服を撮った写真だったように記憶しています。
    この本に収録されている写真は、洋服の他に下着、防空頭巾、化粧水瓶、入れ歯、櫛、腕時計、靴、靴下、眼鏡、手袋、等です。すべて被爆者の方々が、被爆の際に身に付けていたものです。
    一通り、見た後に「被爆資料リスト」を見ていたら、同じもの(洋服、下着、防空頭巾)を映した写真が何組かあるのに気づきました。アップにしたり、光の当て方を変えて撮っているようです。撮り方によって、ずいぶん印象が変わってしまいます。

    【目次】(なし)
    写真
    在りつづけるモノ達へ  石内都
    石内都 主な個展/主なグループ展/パブリックコレクション
    被爆資料リスト
    (別冊) 栞
    世紀の没落  ヴィスワヴァ・シンボルスカ
    より鮮明になる記憶  井上ひさし
    風化を拒否する表現  柳田邦男
    <衣>の無言  鷲田清一

    ―――――――――――――――――――――
    【展覧会】石内 都 肌理と写真
    会場:横浜美術館
    会期:2017年12月9日(土)~2018年3月4日(日)
    今年、デビュー40周年を迎える石内都。建物や皮膚そして遺品などに残された生の軌跡から記憶を呼び覚ます石内の作品は、「記憶の織物」とも評され、世界各地で高い評価を受けています。本展は、石内の40年にわたる活動を展覧できる、国内では8年ぶりの大規模個展。「肌理(きめ)」をテーマに自選された約240点を紹介します。
    ―――――――――――――――――――――
    【展覧会メモ】 (2018年1月15日)
    石内都さんは、綺麗な風景や建物、人物を撮るわけではないし、戦争や事故の現場を取るわけでもありません。見るのに戸惑いがあります。
    それでも、ヒロシマ、フリーダ・カーロ、傷ついた女性たちを見ていると痛ましさが伝わってきます。
    老人のしみやしわを見ると自分も大分これに近くなっていることを自覚させられます。
    ―――――――――――――――――――――
    (2018年11月15日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    花柄のワンピース、水玉のブラウス、テーラーメイドの背広、壊れたメガネ。写真家・石内都が被爆遺品を撮った。美しいから辛い、可憐だからむごい。風化しない広島。

  • 衣類を中心とした遺品の写真集。
    グッと胸にきました。

  • 物が物語る。
    主人をなくした物たちが語る声なき声が聞こえました。

  • 言葉を持たないことはときに言葉より雄弁。

  • 半世紀以上も前の、しかも戦時中に着られていたとは思えないほどに色彩が鮮やな衣服たち。
    この花柄のブラウスは、どんな少女が身につけていたんだろう?
    このワンピースを着た女性は、いくつくらいの人だったのかしら?
    彼女、彼らの生きていた記憶が、布地にしっかりと残留しているようで。
    私は、この原爆投下の悲劇を決して忘れてはいけない国に生まれたのだ。
    写真を見ながら、そんなことを思い知らされました。

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