貨幣の経済学 インフレ、デフレ、そして貨幣の未来

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087805062

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  • 本の内容としては貨幣とは何か?という貨幣誕生の歴史から貨幣の価値とは何か?貨幣の拠り所となるアンカーの役割、財の利子率(自然利子率)と貨幣の利子率(名目金利)と物価の関係によるバランスの重要性そしてこの3つのバランスを取るための電子マネーの存在とその将来的な利用意義といったことに触れられています。
    非常に分かりやすく書かれており、政府と中央銀行との関係性(国債と貨幣の関係)やお互いがもたれ合う関係ではなく、適度な距離感で経済のバランスをとっていくことが重要だと分かりました。

  • 多くの人が追い求める”貨幣”が、実はバブルにしか過ぎず誰かが
    「貨幣なんて虚構だ」と叫んだら価値のないものとなってしまうの
    ではないのか、という疑問に対して貨幣の歴史を紐解きながら解説
    しています。
    経済史や有名な経済学者の考え方をわかり易く記載してあり、勉強
    になります。また、貨幣の実質的な価値について考える新しい視点
    を与えてくれます。

    貨幣の価値をつなぎとめるものとしてのアンカー(錨)の必要性。
    アンカーとしては土地、株式などでも実質的な価値を認識できるもので
    あれば何でも良いのだが、現在のシステムの中では国債がその役割
    を果しているのではないかというのが筆者の結論です。
    ただその前提として、その国の将来の財政余剰に対する人々の予想
    =国債の総額ということを挙げておりこの点で少し疑問を感じまし
    た。日本で、将来の財政余剰に対する人々の予想というのがプラス
    になるのだろうか?それが前提となると円に価値なんてない、とい
    うことにならないのだいだろうか?

    筆者の見解についてまだまだ腑に落ちない部分が残りますが貨幣の
    根源的な価値に対して疑問を抱いている方には一読をお勧めします。

  • 電子マネーの可能性について少し興味を持てた。

  • 貨幣価値について論じた著作で、非常に興味深い。貨幣の価値を有らしめるもの、アンカーの存在に対する考察。じっくり読み込んで自分の考えの糧にしたい。要再読。

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著者プロフィール

早稲田大学大学院経営管理研究科教授
1974 年東京大学経済学部卒業。日本銀行に入行し、主として金融制度全般の企画調整を担当。ニューヨーク駐在員、金融研究所などを経て、1998 年から早稲田大学教授。国際会計基準委員会委員や政府の各種委員会の座長や委員を歴任。

「2020年 『ポストコロナの資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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