トーキョー・ストレンジャー

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 179
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087805987

作品紹介・あらすじ

街に出ると見えてくる!歴史、世界、思想、未来-。トーキョーから「今」を読み解く知の散策。

感想・レビュー・書評

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  • 姜尚中が東京のスポットを巡りながら日本に想いを馳せる大人な感じの本。

    自分自身を鳥瞰するには、自分をも引いて見ることができる精神的な幅が必要。つまり「大人」として自分が引き受けたものと一定の距離をおくのが必要だそうだ。深ェ~!

    最近あちこちに溢れてるような「男の作法」的な本よりはずっと役に立ちそう。

    ただ、読んでるとどうしてもあのウィスパーボイスを思い出して眠気が襲ってくるため、ページが全然進まない。

  • 谷崎潤一郎の「秘密」という作品。
    「知らないと思った町が実は自分が住み慣れた町のすぐ近くだった」というオチが物語の中で使われている。
    この物語の舞台も東京なんだよ。
    風景や町並ですぐに分かりそうだと思うよね。

    けど、東京の町は数多くの人の欲望や思惑などをコンクリートや木材に練り込んで建築物を作り、コラージュしている。だから通りや川を一つ越えただけで世界が丸っ切り変わってしまう事も有り得る。

    この本は姜尚中さんのフィールドワークを基に書かれている。
    しながわ水族館からみる監視社会、猫カフェにみる脱欲望化の社会…東京の中に増え続ける新世界からトーキョーを読み解こうとする、姜尚中という異邦人。
    だが、読んでいるうちに果たして姜尚中が異邦人なのか、読んでいる自分が異邦人なのか、分からなくなって来る。

    新しい発見に富んだ本で面白かったです。1300円でこんな体験が出来るなら安いもんです。

  • あるサンクチュアリの中でソフィスティケートされてきました。なんやそれは!
    日記みたいな感じでぐっとくるやつがなかった

  • いろいろと考えさせられることがある本。
    東京についての深い教養を養ってくれる本、
    <メモ>
    ・絵画というものは、見る人の精神的な世界と混じりあうと、一瞬にして火花が散るようなことがある。視覚を通じて、直感的なひらめきがおこる。

  • アイデンティティとは、簡単に言うと自分は何者であるかということ。
    大切なことはステレオタイプ化された幸福感ではなくて、自分が肯定できる人生の意味を見出すこと。そしてそれにはやはり悩む力が必要。

    社会における大学の役割が変化したことも大学の在り方を変えた。即戦力を求める流に従って、大学の学問はすぐに役立つ実学を重んじるようになった。具体的には高額、エンジニアリング、土木工学、応用技術化学など。

    そもそも生きる目的や目指す社会が名になのかわからなければ、豊な社会は築けない。だから広い意味での教養、人文学のしっかりした土台が必要。たとえ正解にたどりつけなくても、意味や目的について関gなえる思考回路を学ぶことは非常に重要。そしてそれこそが智の共同体であるUniversityの本来の役目。

    文学を読んだら知性が高まるとか人間性がよくなるというわけではない。むしろ文学を読まば読むほど悩んでしまうところがある。ではなぜ文学を読むのか。それはおそらく本と対話することで、肥大化した自己から、もう一人の自己を発見していくことができるからでしょう。自分の抱え込んでいる両義性について考えたり、自分の存在理由について思索を深めることで、幾重にも自分を発見することができる。そのきっかけを文学は与えてくれる。

  • だいすきな姜尚中さんの東京探訪記。
    これが雑誌BAILAの連載だったとは。意外。
    そういえば以前、女性誌で悩み相談の連載を
    持たれていたのを読んで、姜さんに好感をもった
    んだった。
    文章だけの読み物とは趣が違ってよかった。
    取材後記みたいなのからも姜さんの人となりが
    伝わってきて。
    それにしても姜尚中さんてフォトジェニック!

  • ミーハー根性で姜尚中のサイン本ゲット。

    女性誌のバイラに連載されていたコラムとあって、現代思想のバックグランドがない人にも簡単に読める。

    なぜ東京は人を集めるのか?

    という直球のクエスチョンに、姜尚中が実際に各エリアを訪れ、ポストモダニズム的観点から分析。

  • 著者は本当に社会を深く分析する人である。
    彼のように冷静に客観的に、しかし暖かい目でもって社会を見つめられる人が日本で活躍しているというのは、とてもいいことだと思う。

    本にも書かれているが、今は、多くの人が物事を損得で見ようとする時代であるが、それだけではとても寂しい社会になってしまう。そして長い目で見ると未来もない。

    少し日常に疲れたら、読んでみたい本である。

  • 東京深いんじゃぁー。

  • 姜さんが東京の街を探訪しながら思索するエッセイ。
    国会議事堂を訪れての、「家業を継ぐはずだった長男(自民党)がダメになったから、急に次男(民主党)に・・・といっても、今まで何の訓練もしていなかったら難しいのと同じようなもの」「新しい政権を育てていくという胆力が、国民にも必要」との指摘には、全く同感。
    (ただし、これが書かれたのは1、2年前のことなので、現在はもう少し逼迫した状況ではあると思うが)
    どこぞの市長が大人気だけど、「強い力を持った指導者が、一気に何もかも変えてくれる」と思うのは幻想であり、また非常に危険なことでもあると思う。

    猫カフェを訪れた姜さんの周りに、猫たちがぞろぞろと集まっている写真が、何とも微笑ましい。
    猫は「甲高い声」より、「低い声」が好きなんだそうで。納得。

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著者プロフィール

姜尚中(かん さんじゅん)
1950年、熊本県熊本市生まれの政治学者。専攻は政治学・政治思想史で、専門はポストコロニアル研究。国際基督教大学準教授、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授などを経て、聖学院大学教授、同学長を歴任。東京大学名誉教授。
主な著作に『マックス・ウェーバーと近代』、『反ナショナリズム』、『在日』、『母―オモニ』など。特に亡き息子との共作とも語る『悩む力』、そして震災や生死、亡き息子への思いをテーマにする『心』などが代表作。

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