- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087805987
作品紹介・あらすじ
街に出ると見えてくる!歴史、世界、思想、未来-。トーキョーから「今」を読み解く知の散策。
感想・レビュー・書評
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姜尚中が東京のスポットを巡りながら日本に想いを馳せる大人な感じの本。
自分自身を鳥瞰するには、自分をも引いて見ることができる精神的な幅が必要。つまり「大人」として自分が引き受けたものと一定の距離をおくのが必要だそうだ。深ェ~!
最近あちこちに溢れてるような「男の作法」的な本よりはずっと役に立ちそう。
ただ、読んでるとどうしてもあのウィスパーボイスを思い出して眠気が襲ってくるため、ページが全然進まない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あるサンクチュアリの中でソフィスティケートされてきました。なんやそれは!
日記みたいな感じでぐっとくるやつがなかった -
アイデンティティとは、簡単に言うと自分は何者であるかということ。
大切なことはステレオタイプ化された幸福感ではなくて、自分が肯定できる人生の意味を見出すこと。そしてそれにはやはり悩む力が必要。
社会における大学の役割が変化したことも大学の在り方を変えた。即戦力を求める流に従って、大学の学問はすぐに役立つ実学を重んじるようになった。具体的には高額、エンジニアリング、土木工学、応用技術化学など。
そもそも生きる目的や目指す社会が名になのかわからなければ、豊な社会は築けない。だから広い意味での教養、人文学のしっかりした土台が必要。たとえ正解にたどりつけなくても、意味や目的について関gなえる思考回路を学ぶことは非常に重要。そしてそれこそが智の共同体であるUniversityの本来の役目。
文学を読んだら知性が高まるとか人間性がよくなるというわけではない。むしろ文学を読まば読むほど悩んでしまうところがある。ではなぜ文学を読むのか。それはおそらく本と対話することで、肥大化した自己から、もう一人の自己を発見していくことができるからでしょう。自分の抱え込んでいる両義性について考えたり、自分の存在理由について思索を深めることで、幾重にも自分を発見することができる。そのきっかけを文学は与えてくれる。 -
だいすきな姜尚中さんの東京探訪記。
これが雑誌BAILAの連載だったとは。意外。
そういえば以前、女性誌で悩み相談の連載を
持たれていたのを読んで、姜さんに好感をもった
んだった。
文章だけの読み物とは趣が違ってよかった。
取材後記みたいなのからも姜さんの人となりが
伝わってきて。
それにしても姜尚中さんてフォトジェニック! -
ミーハー根性で姜尚中のサイン本ゲット。
女性誌のバイラに連載されていたコラムとあって、現代思想のバックグランドがない人にも簡単に読める。
なぜ東京は人を集めるのか?
という直球のクエスチョンに、姜尚中が実際に各エリアを訪れ、ポストモダニズム的観点から分析。 -
著者は本当に社会を深く分析する人である。
彼のように冷静に客観的に、しかし暖かい目でもって社会を見つめられる人が日本で活躍しているというのは、とてもいいことだと思う。
本にも書かれているが、今は、多くの人が物事を損得で見ようとする時代であるが、それだけではとても寂しい社会になってしまう。そして長い目で見ると未来もない。
少し日常に疲れたら、読んでみたい本である。 -
東京深いんじゃぁー。
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姜さんが東京の街を探訪しながら思索するエッセイ。
国会議事堂を訪れての、「家業を継ぐはずだった長男(自民党)がダメになったから、急に次男(民主党)に・・・といっても、今まで何の訓練もしていなかったら難しいのと同じようなもの」「新しい政権を育てていくという胆力が、国民にも必要」との指摘には、全く同感。
(ただし、これが書かれたのは1、2年前のことなので、現在はもう少し逼迫した状況ではあると思うが)
どこぞの市長が大人気だけど、「強い力を持った指導者が、一気に何もかも変えてくれる」と思うのは幻想であり、また非常に危険なことでもあると思う。
猫カフェを訪れた姜さんの周りに、猫たちがぞろぞろと集まっている写真が、何とも微笑ましい。
猫は「甲高い声」より、「低い声」が好きなんだそうで。納得。