蒼海に消ゆ 祖国アメリカへ特攻した海軍少尉「松藤大治」の生涯

  • 集英社 (2011年4月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784087806069

作品紹介・あらすじ

特攻で散った日系二世の数奇な運命
太平洋戦争中、米国生まれの二世ながら日本海軍パイロットとして神風特攻に散った松藤大治少尉。運命に翻弄されながらも毅然と生きたその生涯から「日本人とは何か」を問う感動ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 生きたかっただろうなあ。
    いろんなことをしたかったろうなあ。

    ほんとうになんてもったいないことを
    かつて日本はしたんだろう。

  • アメリカに生まれた日系二世でありながら、日本海軍の戦闘機乗りとして、自らの母国である米国艦船に特攻攻撃を行い23歳という若い命を散らした、一人の日本人の物語。

    なんたる命の浪費であろう。
    資源の無駄使いであろう。
    米国移民の子として、米国籍をもち米国人として育った男の子は、その非凡な才能を活かすために、日本での勉強を望んだ。そして、将来、外交官になりたいと東京商大に進学する。そこで、彼は学徒出陣の日を迎える。
    勉学に秀で、スポーツ、なかでも優秀な剣士であった彼は、その才能のまま、戦闘機乗りとなる。
    そして...
    P.222「残酷だが、特攻させる限りはどんなことがあっても「成功」しなければならない。貴重な航空機で爆弾を抱いて敵艦船に突っ込むのである。燃料も含め、物資が絶対的に不足している中で、できるだけ多くの「戦果」を挙げなければならないのだ。」

    歳優秀なものから、順に特攻していった。
    日米両国の心を持つ彼は、生き延びていたらおそらく優秀な外交官以上のものになったに違いない。
    そんな彼の名を、覚えておきたいと思った。

  • 米国籍がありながら日本軍に志願入隊し特攻隊員として散って行った若者を追ったノンフィクション。日系人で構成された第442連隊の話は聞いたことあったが、いわば逆バージョンだが、こういう人がいたというのは全く知らなかった。この作者ならではの丹念ながら極力抑えた筆致がよけいに戦争の不条理さが感じられた。
    「永遠の0」に比べるとこれはもう地味なのは明らかだが、似たテーマではあるものの違う書き物なので、これはどっちが良いとかいう話ではないと思う。

  • 太平洋戦争末期に特攻隊員として戦死した日系二世の松藤大治の生涯を追ったノンフィクション。
    「日本は戦争に負ける。でも俺は日本の後輩のために死ぬんだ」とアメリカ国籍を持ちながら特攻隊としてゼロ戦で母国アメリカの艦艇に突入していった松藤の気持ちを思うと改めて戦争の愚かさと平和の大切さを考えさせられました。

  •  アメリカで生まれて育ち、<アメリカ人>であった松藤大治海軍少尉は、1945年4月、零戦の沖縄特攻により23歳の若さで亡くなった。<アメリカ人>の彼は、“なぜ”祖国アメリカへと特攻していったのか。本書は、この“なぜ”を追うノンフィクションだ。
     著者は、少尉をめぐる人々に会い、話を聞き、当時を伝える膨大な資料を読み込む。そうすることで、“なぜ”への答えを見出そうとする。その試みは、死者からの声に耳をそばだて、<聞こえない声>を聞きとろうとしているように見える。
     終戦から66年、そして震災から5カ月。<聞こえない声>を聞きとろうとする著者の姿勢には、学ぶところが多い。

  • 普通に面白かったが、門田氏の著作には私の期待が大き過ぎるのか本作品の出来は今ひとつと感じた。大治の心情についての著者なりの解釈が甘いというか薄いというか。歴史的な史料としては優れたものだと思うが、ノンフィクションの観点からすると門田氏にしては珍しく駄作の部類だと。(あくまでも期待が大きすぎる故の採点です。門田さん、ごめんなさい。次回作もものすごく期待しておりますので。)

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著者プロフィール

作家、ジャーナリスト。1958年、高知県生まれ。中央大学法学部卒業後、新潮社入社。『週刊新潮』編集部記者、デスク、次長、副部長を経て2008年独立。『この命、義に捧ぐ─台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、後に角川文庫)で第19回山本七平賞受賞。主な著書に『死の淵を見た男─吉田昌郎と福島第一原発』(角川文庫)、『日本、遥かなり─エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」』(PHP研究所)、『なぜ君は絶望と闘えたのか─本村洋の3300日』(新潮文庫)、『甲子園への遺言』(講談社文庫)、『汝、ふたつの故国に殉ず』(KADOKAWA)、『疫病2020』『新聞という病』(ともに産経新聞出版)、『新・階級闘争論』(ワック)など。

「2022年 『“安倍後”を襲う日本という病 マスコミと警察の劣化、極まれり!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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