恥知らずのパープルヘイズ ―ジョジョの奇妙な冒険より―

著者 :
制作 : 荒木 飛呂彦 
  • 集英社
3.98
  • (260)
  • (330)
  • (190)
  • (35)
  • (5)
本棚登録 : 2100
レビュー : 315
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087806168

作品紹介・あらすじ

舞台は第5部完結の半年後。"裏切者"パンナコッタ・フーゴのその後どうなったのか。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ストーリーの流れはとても『ジョジョの奇妙な冒険』らしく、本筋とは別のところで
    出てくる設定も、著者がジョジョという作品を、5部以外の全編を通して大事に考えて
    おられるのが伝わってくる内容でした。
    新しく出てきたキャラクターのスタンド能力もいかにもジョジョ!

    ただ、ジョルノに関しては理解の落としどころを見つけられません。
    ラストであの口調と態度になるのは将来的にそりゃアリとして、でもこの本の中で
    起こっている物語は5部本編から半年そこら。
    そこでああ成ったのは彼にどんな心境の移ろいがあったのか?
    それとも実は5部本編から本質はああだったのか?
    読んでいる自分にとっては、点から点に飛んだ感じ。
    まだ自分の中でジョルノが線になりません。

    詰まるところ、この本に出てくるジョルノはDIOの息子なのです。
    5部うんぬんは関係なく、DIOの息子なのです。
    この本に出てくるジョルノはあくまでも「DIOの息子」がギャングのボスになったとしたら、
    というイメージの塊であり、それは5部本編のジョルノとは一線を画しているように思えます。
    口調も態度も5部のそれとは大きく違い、それが好ましく感じられる人もいれば、
    到底受け入れがたい人もいることでしょう。
    個人的にですが、私は後者です。

    これが公式として出されたからこれが正解、不正解、ではありません。
    長年ジョジョを読んできた、いわゆる『ジョジョラー』にとって大事なのは
    『公式の続編なのかどうか』じゃあないのです。
    この一つの物語を書き上げた人の内側では、登場キャラクターにどんな時間の
    流れや経験があったと考えているのか?
    その人物にどんな心境が起こり、それがどんなふうに言動に変化を与えたのか?
    追求したいのはそんな部分なのです。

    この物語はジョジョとしては素晴らしいです。
    いかにもジョジョな人物、スタンド、展開です。
    ただ、キャラクターの内面性についていうなら、5部からはスッとストレートに
    繋がらない部分もある物語だと覚悟して読むことが求められると思います。

  • 原作ファンならきっとみんな気にかけたことがあると思う、第5部/黄金の風でチームを裏切ったパンナコッタ・フーゴのその後。私も原作で彼が離脱したときは、「いや、ジョジョなんだからきっとその後またチームにカムバックしてくれるはず!」「もしかして、実はボスのスパイで、今後目の前に立ちはだかるかも?」「いずれにしても、いつかまた出てくるよね☆」と想像力豊かに好き勝手思っていたけど、何と驚くべきことに、最後まで再登場せずじまい。
    なので、そのフーゴのスピンオフとあって、同じくジョジョファンの彼氏と一緒に発売早々に本屋さんで入手した作品。本体はパープル一色!表紙はシルバー!と体裁もステキ。

    やっぱりあの絵がない分、このキャラはこんな感じなんだっけ?と違和感を覚える瞬間はあるものの、基本的には全く問題なく楽しめました!
    今回フーゴの敵となるのは、彼が離脱した組織の麻薬チーム!しかも、その中心人物はフーゴに因縁のある人間だった、というお話。戦闘の挿絵等はないけれど、オリジナルキャラとスタンドの挿絵があるから、それをベースに各々自由に妄想できます。
    ※個人的には、アンジェリカはもう少し幼いものかと思っていた。。。
    一個だけ気になったのは、この方、ダッシュ(―)多くないか?と。まぁでも、読書そのものに支障をきたすほどではないのでいいけど。

    あの活字嫌いの彼があっと言う間に読了したんだから、ジョジョの魅力ってすごい。けれど、本当にすごいのは、活字嫌いの原作ファンが抵抗なく読めるこの作品―ジョジョの世界の空気を文章だけで創り出し、5部のキャラたちとオリジナルキャラたちがちゃんと息づいている小説に仕上げた著者の面目躍如といったところでしょう。

    何かで読んだ荒木先生のインタビューで、本当はフーゴは裏切る予定だったけど、結局そうしなかったというお話がありました。フーゴの失踪(?)がこんな形でハッピーエンドを迎えてくれたのも、5部好きとしては嬉しい限りです。
    本当は★4かなと思ったけど、バカみたいな原作ファンなので結局★5にしちゃいました。

    他のVSシリーズも読まなきゃ!

    --
    JUMP j BOOKSがおくる、荒木飛呂彦画業30周年&ジョジョ25thアニバーサリィ企画“VS JOJO”シリーズがいよいよ始まる!!
    第1弾は上遠野浩平が挑む“VS GIO GIO”!!
    舞台は第5部完結後の半年後・イタリア、主役はパンナコッタ・フーゴ!!
    “裏切者”フーゴのその後どうなったのか。

  • フーゴはジョジョの中でとても好きなキャラのひとりです。なので原作のあのシーンの後、彼はどうなったのかがずっと気になっていました。
    フーゴのその後が書かれてると聞いたので、買って読んでみたのですが、この小説はまさにファンなら皆「こうあって欲しい」と思う展開が、形になったものだと思います。
    特にラストは泣きそうになりました。

    簡潔な文でも難しい表現を使った文でも、場景をはっきりと書き表してる上遠野さんの文章表現も良くて、ひとつひとつの場面の想像がしやすかったのでさくさく読めました。
    荒木作品独特の台詞回しらしい台詞も、ところどころ使われているのも面白いなと思います。
    戦闘シーンはみんな、原作と比べると淡々と終えてしまってる感じがしましたが…。

    またこの小説では、原作と繋がりがある部分が多々あります。(というより、下遠野先生なりのジョジョの解釈…?みたいな感じ?)
    舞台でもある五部はもちろんですが、他の部とも何らかの繋がりがいくつもあるので、本作を読む前に、原作一部~五部まで一度読んでおくと一層楽しんで読めると思います。

  • こう言ってはなんだけれど、基本的に身内に対して信用するとか疑うとかいう意識が埒外だったシリーズで唯一"離反"を描写した5部を、ほとんど外から要素を持ち込まずに補完してみせたこの1冊は、なるほどとても価値があるものだと思う。

  • 第5部の途中でリタイアしてしまってそのまんま出番なしのフーゴのスピンオフ作品。

    いやぁーおもしろかったです!!

    こういった原作の後日談ストーリーってどうしても蛇足になってしまったり、原作のイメージを崩してしまう作品が多いと思うけどこの『恥知らずのパープルヘイズ』は全然そんなことなくむしろこの作品を読み終わった後もう一度原作をまとめ読みしたくなるような気持ちになりました。

    5部登場のキャラの背景がわかりやすく補完されてるのはもちろん、小説オリジナルキャラと4部のあの人が血縁関係だったり、ジョジョファンなら名前見ただけでニヤニヤするような小ネタもたくさんで満足できる内容なのは間違いないです。
    著者の上遠野浩平さんのジョジョ愛を感じました。

    本の装丁もシルバーとパープルで正にパープルヘイズって感じで好きです。ページの端がパープルなのも気合い入ってる!!

    ジョジョ5部まで読んだ方には絶対お勧めな一冊です♪
    エリエリエリエリエリエリエリーッ

  • ジョジョのノベライズ、作者は「ブギーポップは笑わない」でラノベの一時代を築いた上遠野こうへい。
    このノベライズシリーズは、西尾維新と舞城王太郎も出してますが、これが一番ジョジョらしい作品です。
    ジョジョファンなら、これが一番ダントツにおススメ。
    他の二冊は、同人誌でやってろ的な内容でした。

    原作レイプすることなく、丁寧に、ジョジョ第五部の後日譚を書ききってます。連載当初、影の薄かったパンナコッタフーゴを見事に復活させた金字塔的な、ジョジョ小説でしょう。
    内容も、ちょうどよい長さで、お手本のようなバトルマンガ小説になってます。

  • フーゴが主人公という事で、華々しい活躍があるのかな、と、読む前に期待したのですが、いい意味で裏切られました。

    この作品は、フーゴの心の戦いの物語だった。
    彼がかつての仲間の事を思い出し、あの時どんな気持ちだったのだろう、と考える姿には、胸に来るものがありました。
    死んだ人というのは、残された人間にとてつもない楔を打っていくものです。

    もうあの時どんな事を思っていたのかなんて、絶対に聞く事は出来ない。
    でも、もし生きていたとしても、フーゴがナランチャやブチャラティたちに、あの時どんな気持ちだったかと、聞く事は絶対にありません。

    彼が心の中で人の気持ちをすくい、向き合っていく姿に非常に心打たれました。
    相手を理解したい、知りたいという気持ちは、世界に対して無関心なんかじゃ絶対にない。

    ジョルノが半歩を埋めたように、そうしてフーゴも半歩、相手を理解しようと進み寄る。
    バトル的には敵が多すぎて、さらりとしたもののように感じましたが、フーゴの心情が描かれたこの作品で、このキャラクターが昔よりも理解でき、好きになれました。


    あと、気になったのがジョルノの役割。
    五部の主人公でありながら、この作品ではあまり姿を見せません。
    ですが、最後のシーンは台詞と共に強烈な印象を残す。
    開店前のレストランや閉館された図書館。どちらもはっきりと姿を見せない場所。
    それが、かつての三部の闇の中に潜むDIOのようなミステリアスさがあり、繋がりを感じました。

  • 「ジョジョ」でありながら「ブギーポップ」、「ブギーポップ」でありながら「ジョジョ」。
    上遠野浩平の「ブギーポップ」が、ジョジョの影響を受けているというのは、よく聞いてはいたものの、この本を読むまでピンと来ていなかった。「能力」を持つ者達の背景と狂気と激突、謎めいた(何を考えているか分からない)登場人物の言い回し。あまりにもハマり過ぎたこのタッグ、ノベライズとしては最高の出来ではないだろうか。

  • フーゴにとってどれだけナランチャが大きな存在だったかを考えた。
    ブチャラティ以上に。

    改めて自分のブチャラティLOVEを確認した。
    彼は愛すべき天然系カリスマですね。。。

  • 自分の娘さえも、保身のために殺そうとしたボス。己の信じる正義によって、組織へ反旗を翻したブチャラティについて行けず、ひとり離脱したフーゴ。あれから半年…IQ152、13歳で大学入学を認められたほどのエリートは、堕ちに堕ち、ギャングからピアノ弾きになっていた。

    ボスを倒しトップとなり、組織を再興したジョルノの指令を受け、フーゴの前に現れたミスタ。
    「裏切り者」フーゴは釈明のため、麻薬チームの壊滅を命ぜらるが…

    本人すら傷つける殺人ウイルスを撒き散らすパープルヘイズを持て余すフーゴ、ジョルノを盲信するシーラE、胡散臭いムーロロは任務遂行をはたせるのか。

    敵チームにフーゴの級友がいたり、サーレーやズッケェロが登場したり、エピソード的にイルーゾォやトリッシュも出てくるし、ちょうど5部を読み終えたばかりなのですごく楽しい!ジョルノはさらに神々しいし。そもそもフーゴ好みなんです。イチゴのピアスなんてきゃわわ。
    ブチャラティやアバッキオ、ナランチャとの思い出がせつなく、さびしい。

    ちょっぴりだけどトニオ・トラサルディーさんまで関係してくる辺り、上遠野氏のジョジョ愛を感じました。

全315件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1968年生まれ。
1998年、第4回電撃ゲーム小説大賞を受賞した『ブギーポップは笑わない』でデビュー。ライトノベルブームの礎を築き、以後、多くの作家に影響を与える。同シリーズは、アニメ化、実写映画化など、多くのメディアミックス展開を果たす。2018年に再アニメ化が発表された。
主な著書に、『殺竜事件』『紫骸城事件』などの「事件」シリーズ、『しずるさんと偏屈な死者たち』などの「しずるさん」シリーズ、『ぼくらは虚空に夜を視る』などの「ナイトウォッチ」シリーズなどがある。

「2018年 『殺竜事件 a case of dragonslayer』 で使われていた紹介文から引用しています。」

恥知らずのパープルヘイズ ―ジョジョの奇妙な冒険より―のその他の作品

上遠野浩平の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
荒木 飛呂彦
米澤 穂信
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印

恥知らずのパープルヘイズ ―ジョジョの奇妙な冒険より―を本棚に登録しているひと

ツイートする