JOJO’S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087806304

作品紹介・あらすじ

かつて空条承太郎の手によって焼き捨てられ、エンリコ・プッチ神父が切望したDIOのノート。世界の深淵で、DIOが探し求めた「天国」とは。小説家・西尾維新が、禁断の手記を再生する。"VS JOJO"第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 某所では散々な評価をされていると聞いていたのと、以前読んだこの作者のノベライズが、個人的にあまり好みで無かったので敬遠していたのですが、友人から『手記としては面白い』と聞いて借りたので勇気を出して読んでみました。

    『DIO』が書いた彼自身の数奇な半生と『天国へ行く方法』についての手記、という体で展開していくので、物語性はほぼなし。というか、原作を知らないと何が書いてあるかすらわからないと思います。
    原作に目を通さず、これに手を出そうという人はそうそういないと思いますが、『アニメを見てディオを好きになったから取り敢えず読んでみようかな』で読んでもさっぱり面白くないと思うので、そこは注意が必要。
    最低でも3部まで、すべてを把握するなら6部まで、更に深読みしたいなら7部まで読み切っている、というのが目を通すにあたっての必須事項でしょうか。
    なんというか、色んな意味でハードルが高いです。

    多分私はディオ・ブランドーという人のことが『とても好き』なので、そういうフィルタがかかってます、という上での個人的な感想。
    彼のことを『完全無欠の悪の帝王』だと思っているとこんなキャラじゃない!と怒ることになりそうですが、個人的な印象として、ディオという人はすぐに調子に乗るし、間の抜けたところもあるし、子供っぽいし、なんというか割と駄目なところも多い、という印象を持っていたのでそれほどギャップを感じませんでした。
    カリスマ、って完璧、って意味とはちょっと違うというか……
    むしろ『こんなに駄目なのにそれでもついていきたい』と思わせてしまうのがカリスマなんじゃないかなあというのは個人的な感想ですが。

    本当に色々と雑多に書いてあるので、どこがどう、と述べるのは難しいのですが、個人的には彼の生い立ち……ジョースター家に引き取られるまでの話と、聖女概論、チップの色分けについて、時間と引力について、何より『棺桶』の話が大変興味深かったです。
    ジョナサン・ジョースターに対する評価・見解は、さすがに的を射ていて笑ってしまいました。ああーありそう、ありそう。
    話題があっちこっちに行くのは手記だから仕方ない……というか、まあこうなるだろう、と思います。
    凄く重要なことも書いてあれば、どうでもいいようなことも書いてある。
    そういうところがすごく『らしい』と感じました。
    西尾維新の文章なのでくどくて冗長にも感じるのですが、『手記』という体裁なので飲み込めます。
    これが『小説』なら放りだしてたと思います。

    すっごく面白いというわけでもない、ワクワクもしなければドキドキもしない。そんな『ジョジョらしくない』作品で、人に勧めるのもためらいます。
    正直言って私は『面白い』とは感じなかったんだと思うのですが、それでもぼんやりとした何かが残る、そんな読みもの。
    愛しさには足りない。切なさと呼ぶには頼りない。
    怒りはない。失笑苦笑は少し。穴が空いたような感覚も少し。
    他人の日記を読むのは背徳、それがあのディオのものであるならなおさら『いけないもの』を見ている気がしてどこかソワソワする。

    『DIO』に過分な期待や思い入れを持っていない人なら、『こういう視点もあるのか』という楽しみ方が出来ると思います。

  • DIO様信者として購入し、読んだ後はなんともいえない気持ちになりました。
    この本は大分酷評が多いみたいですが、所詮これはDIO様のノート、独り言です。
    吸血鬼にも弱いところがあっていいんじゃないだろうか。人間でなくとも、母に救いを求めてもいいのではなかろうか。
    悪をぶちのめし、悪人を悪人と見なし救わないジョースターに救われることの無かった彼は救われてもいいと思うのです。
    人間賛歌を歌っている作品なんですから、いくら人間をやめていても、彼は救われて欲しいのです。
    生まれついての悪人なんてやっぱりいないのです。

    さかさかと読めるのも無駄を省いている感じで、私はこのようなDIO様がとても好きです。
    要は捕らえ方次第ではないかと。

  • Dioが遺した手記。
    Dio視点での1~3部回想でもあります。

    普通の子供であった幼年時代、
    家族を取り巻く劣悪な環境が齎す生活難、人間関係、
    そして母に対する想いが赤裸々に綴られています。

    ディオ・ブランドーでも、
    ディオ・ジョースターでもなく、「Dio」。
    Dioになって以降の人格、思考、心の機微を自己分析します。
    他人を認め、友を求める感情が有る事に驚き、また、
    人で無くなって以降も、心の内側に依然在り続ける母親の存在と、
    彼女の宗教観念が、自分の人生を生涯に渡り左右し続けた事から、
    Dioを形作った原点が母親にあったこと、
    過去に捕らわれ、ある意味過去に生きていること、を知ります。
    そして人であるかどうか、という事はさして重要ではなく、
    Dioという一人の男が、その人生に於いて何を思いどう実践して来たか、
    自分は何処へ向かうのが相応しいのか、
    その部分に注目し突き詰めた持論が「天国へ行く方法」でした。

    圧倒的なカリスマ性を持つDioの、それまで私が想像していた人物像は、
    国家や民族を率いて理想に向かい、やがて壊れて行く歴史上の偉人でした。
    しかしこのノートを読むに連れ、それが大きな誤解である事に気付かされました。

    自分をDioと呼称し、実際に人間以外の生き物に成りはしたものの、
    幼少期から連綿と続く自己形成とその変化を観るに、それらは正に人間のものでした。
    私はそう感じました。多くの人の成長と何ら変わらないと。
    ディオ・ブランドーは生れついての悪ではなく、
    人の世のあらゆる悪や悪意に対し、向き合う姿勢が余りにも素直過ぎた為に、
    自分の経験則では咀嚼し切れないものを、取捨選択すら叶わずに取り込み、
    その結果として、ある意味周囲の人々が求める「悪の権化の衣を纏ったDio」
    という存在に成ってしまったのだと思います。
    スタンドを擁するほど精神力は強いのに、精神の成長そのものは遅かった。
    心の在り様をそのままに受け止め、先の分岐を自然に超える力を自覚出来たのは、
    Dioと成って以降であり、彼を取り巻く特殊な状況下ではもう既に遅かったのですね。

    6部でプッチ神父がしくじった時点で、Dioの「死」が確定したわけですので、
    果たして彼は「天国」に辿り着けたのでしょうか?
    それとも、
    やはり永遠の命を以って、時間の特異点にて転生を繰り返し、
    今も並行世界の何処かで「天国に行く方法」を模索しているのでしょうか?

    文中の句読点の打ち方がおかしいのは、作者の意図か、或いはDioの癖か。
    読み手にそんな疑問を抱かせたら、このノートは成功を収めたと言えますよね。
    満足の☆4つです。

  • 再読。言葉遊びは控えめ。『The Book』よりも本編とリンクした内容なためか、よりJOJOっぽいなと思った。以前読んだときは本編がうろ覚えの状態だったが、今回は、春から本編をしっかり読んだ後だったため、登場人物がはっきりと頭に浮かびスッキリと話が理解できた。ディオにはディオなりの考えや論理があり、本書の最後はその後の展開を知る身としては一抹の寂しさを感じた。

  • うーん、わかってたけどダメだったね!笑

    『ジョジョの奇妙な冒険』の、DIOを主役において
    DIOによる手記、という形をとったスピンオフ小説。
    まさかの西尾維新。

    自分の中で、「ディオ・ブランドーってどういう人なのフェスティバル」が
    開催されてしきり、
    そのヒントを少しでも得たくて読んだんだけど、
    これは、プロがお金を取って出していい本じゃないと思うなあ。
    PIXIVとかで投稿されててもブックマークしないレベル。

    まず第一には構成がまずくて、
    ①1部の出来事の回想
    ②3部の出来事の進行
    ③6部裏(プッチ神父との交流)
    の三つを交互にまわしてくんだけど、テーマがバラバラで
    ①に至っては、「ぼくの考えた1部解釈」を読まされているような気持ちに。

    いちいちごていねいに1部の場面やセリフを再現してくれるんですが、
    そんなもんいちいち勝手なモノローグつけて再現してくださらなくても知ってますという感じが強すぎる。

    いっそのこと、これ、論文にした方がきっとよかったよこの本。

    キーワードは「奪うもの」「与えるもの」「受け継ぐもの」「捨てるもの」。
    このキーワードの設定はうまいと思う。
    ディオは「奪われるもの」から「奪うもの」になって、
    「受け継ぐもの」だったジョナサンを憎んで、
    そのジョナサンは最後に「与えるもの」になる。

    DIOの前に立ちふさがるのは「受け継ぐもの」であるジョセフと承太郎。
    DIOがあのとき生き残ったのはエリナによる救済、という解釈から
    「与えられるもの」となったDIOは、最後には
    プッチ神父へ「与えるもの」に変わるわけだよね。構造的には。

    このキーワードを使って論文を一本書いてくれたらもっと
    すっと読める。本当に。

    小説として致命的なのは、いちいちの場面に対して「DIOのモノローグ」みたいなものを入れてくれるんだけど、それがいちいちとんちんかん。
    DIOというのを一人の人間として同情的に描こうとしすぎている印象。
    DIOはある種悪のカリスマだから魅力がある、と思っている人は絶対に
    読まないほうがいいですね。私もそのタイプなんですが。

    肉の芽によってスタンドが極端に弱体化する、とかいうのも
    3部のバトルを愚弄してんのかレベルの不要な設定。

    このDIOは「迷えるDIO」なので、ハイになりそうもありません。
    あと、統率力もないみたいです。

    西尾維新だめだろうなあと思いながらダメもとで買ったら
    やっぱダメだったなあ。
    そもそももうちょっと文体なんとかなんないものかな。同じ表現多すぎ

    というわけで☆2つは美麗なカバーイラストと、レビュー中で述べた
    「~もの」論を評価してのもの。
    読むにはまったく値しないと個人的には思います。

  • ディオの手記。3部のジョースター一行がエジプトに向かっている時のディオの行動や心情が描かれています。面白いです。
    人間をやめたディオだけどこれを読むとやっぱり人間なんだなと思えます。後悔したり、不安になったり、怒ったりなかなか人間らしい。幼少期からジョナサンの肉体を手に入れるまでやその後の心情も記されていますが永遠の敵はやはりジョナサンらしくなんだか嬉しい。
    最後の方のエリナがディオを助けた説はなかなか面白いけど、エリナはそこまで聖女なのか、あの惨状を見てディオに情けをかけられるのか疑問。しかし、ならどうやってディオは助かる事ができたのか・・・・謎です。

  • 常に歴史は正義の勝者について語られるなか、悪の敗者であるディオの直筆という形でこのような本が発売されたことに大変感謝。
    内容としては、私は人間的で汚くて感情的で器が小さいディオ様がとてつもなく好きなので震えながら読ませて頂きました。
    そして、(上記の通りドス黒い悪役、しかもカリスマの割には小物っぽさが漂う)ディオを全力で肯定し、むしろジョースターが悪ですらあるかのような視点が素晴らしかったです。(誤解されそうですが、私は悪の帝王であるカリスマ性溢れるDIO様も大好きです)
    全体の評価が低いのは、三部ディオの信者の間では弱気で小さいディオなんて認めないッ!みたいな風潮があり、この小説ではひたすら弱気で人間的なディオが描かれていることが原因かと。
    また、作者さん独自の考察要素があり、その内容はとても秀逸でした。賛否両論あるかとは思いますが。

    ただ、個人的にこの人の文章の書き方が好きになれないという点はありました。あまり綺麗じゃないな、と。
    魅せ方、表現、言い回しにおいて上手くないと思ってしまいました。
    ジョジョっぽさがないというのはむしろ好感的ですが、所々名言を狙ってる感じがしました……。とはいえ全て許容範囲でした。
    ジョジョを知らない人が読む前提が成り立たないので、原作を知らない人にはおすすめできませんね。
    また、絶対的なDIO様が好きな方としては、受け入れられない内容だろうと思います。
    私は買って大正解でした!さらにディオ様を好きにならせてくれる素敵な内容を、ありがとうございました。

  • 西尾維新は西尾維新にしかなれなかったなあと思いました。
    どうか勘違いしないで頂きたいのですが、私西尾維新氏の作品は好きです。少なくとも単行本化した物は全て読破しております。
    その上で、彼は戦闘シーンの描写はそこまで得意ではないなあと、以前から思っていました。人間思考の渦巻きや言葉遊びこそが彼の本領であり、味だと思うのでそれは別に悪くは無いんです。悪くないどころか私はそういう点が好きなので。ごく個人的には、無理に挑戦するよりも彼本来の持ち味を生かして書いたほうが結果面白くなるのではと思っていましたが、ただまあ、今回はジョジョのノベライズということですし、ジョジョといえばやはり熱い戦闘。そこをどう攻略してくるかが非常に楽しみでした。
    あともう一つ気になっていたのが人称の問題です。彼の作品は殆ど全て一人称で構成されています。彼の作風のままでいくならば今回も確実に一人称になる訳です。先程も申し上げた通り、私は彼の作風を生かすべきだと考えていました。しかし、そもそもがあれだけ個性の詰まったキャラクター。そして読者それぞれがそのキャラに対して抱いているイメージと理想と言う物があるわけで、それを壊さないように書くことは、一人称では本当に難しいのではないでしょうか。そして致命的な問題が一つ。

    ジョジョキャラってそんなうだうだ悩まないんですよねー
    そして言葉遊びを繰り返すよりはインパクトのある一言でビシッと決める。

    それがジョジョに登場するキャラクター達の特徴であり、だからこそあれほどスピード感のある物語になるわけです。まあつまり何が言いたいかっていうと、西尾維新氏の作風とジョジョキャラの相性が悪すぎるという。

    ここまでは発表された当時に思いました。
    で、発売間近になって、『DIOの物語!』と判明して「ぅええええええええええ?!」となりました。
    よりにもよってDIO様一人称かよ、と。
    あんな、人間を超越して、確固たる信念と野望を持ち、迷いなんて無さそうな、キャラクタを、一人称で?
    相性が悪いにもほどがあるっていう…。西尾氏の得意な人間の思考の迷いとか葛藤を描くにしたって、DIO様は人間を超越しています。
    また、例えばかの名言「貴様は今までに喰ったパンの枚数を覚えているか?」。これも一つのレトリックですが、これは西尾維新の言葉遊びとはベクトルが違いすぎます。
    西尾維新なら「僕は今までに何回食事をしただろう。朝昼晩と規則正しいいただきますの中でいったいいくつの米粒を噛み砕きすり潰し咀嚼し飲み込んだだろう。誰もそれを数えちゃいない。それで正しい。間違っていない。幼いころよく米の一粒一粒に神様が宿ると言い聞かされたものだが、それで言うならば僕は知らぬ間に、いったい何人の神様を食いつぶして来たんだろうか。僕はそれを数えちゃいない。数えるつもりも無い。ところで君はどうなんだい?何人の神様を食い物にしてきた?」
    くらいに文が伸びると思います。例えの文章内容が稚拙なのは勘弁して下さい。
    はてさて、それでじゃあどうすんだろう、と。

    私が考えたのは三つです。
    まず、一人称ではなく三人称にしてしまう。そうすればこの問題は一気に解決できます。ただし、作風には合わないので出来がどうなるかは微妙ですが。
    二つ目、DIOを傍から眺め続けた第三者視点の一人称で進めてしまう。これが一番可能性としてはありかなと思いました。オリジナルキャラを出す訳ですから、既存の枠には囚われませんし、そのキャラがどんなに思い悩む奴でも別に構わない訳です。
    そして三つ目。DIO様一人称で進める。正直これは無いだろうと思っていました。ファンが少ないキャラならばともかく、ジョジョの根底を支えるキャラクターです。皆それぞれ理想のDIO様像を持っていて、しかもそのハードルは非常に高い。あまりにもリスキーすぎます。


    まあ、そんなことをうだうだ考えながら発売を待っていた訳です。そうして発売日当日に購入&読了した結論を言わせていただくと、
    悪い想像全部当たったなっていう。

    まず人称はやはり一人称。しかもDIO様です。
    まあ、「他の人間が意訳したDIO直筆ノート」という設定なので、厳密にはDIO様一人称では無いですね。本文自体は終始DIO様一人称で語られていますが、設定を忠実に取りだせばそういうことになります。それで一つ、最低限の回避ルートは確保されていたように思います。
    どういう意味かというと、DIO様がどんなに私たちの想像と違っても、それは「意訳した人間のミス」という解釈が常に出来る訳です。それは別に悪いことではないと思います。西尾氏の書こうとしたDIO様像が、我々の描いている像と違うと言う事をちゃんと理解していたからこそ、彼はこのように私たちに「あくまでも他人(=作中の研究者)の解釈」という逃げ道を残してくれたように思います。それはとりもなおさず西尾氏の逃げ道にもなり得ますが。
    では、西尾維新の書こうとしたDIOとはどのような人物だったのか、です。
    ここからは本当にごく個人的な解釈になりますが、それは「人間としてのDIO」だったのではないでしょうか。
    人間をやめた筈のDIOを、あくまでも人間の心を持ったままの人物として描く、そうして新しいDIO像を見つけることが目的だったのではと思います。私たちが「悪の救世主」として神のように崇めている存在を人間というステージにまで戻した。そうすることによって「人間の内面の葛藤や矛盾」を得意とする西尾氏の作風が生かせるわけです。
    これは賛否両論だと思います。イメージからずれた所を描写するわけですから、当然のことでしょう。イメージと違う、DIO様では無いただのDIOが嫌な人には受け入れがたい物です。相当人間臭くなっています。ごく個人的には、まあ、無くはないかな、くらいの適当な感想を持ちました。イメージとは違うけど、でもまあ、無くはない、かな、うん。くらいです。

    私が最も失望したのは、そこまでしておきながら、神を人間にまで落としておきながら、西尾維新の良い所が全く生かし切れていなかったと、少なくとも私の眼にはそう見えた所です。
    内面描写は薄く、かつてあった出来事を表面だけなぞるばかり、解釈に終始して、言葉遊びも単純どころか、ただのくどい繰り返しです。
    同じ言葉を繰り返すのは一つの手法だとは思いますが、今回はあまりにも露骨過ぎて、「こいつ他に言う事ないんじゃあないか?」としか思いませんでした。
    ていうかこの内容もう四回目くらいじゃね?さっきと言ってる事何が違うの?DIO馬鹿なの?と思わざるをえませんでした。
    どうせ壊すならばもっと徹底的に、彼の心情を深く深く考察して西尾氏の言葉で書いてほしかったです。既存のDIO様像を壊そうとする割に、新しく作り上げるDIO像が薄っぺら過ぎて壊した意味がまるでみつかりません。最後の頁を読むまで評価は決めるまいと思っていましたが、最後の頁を読んでもこの評価は変わりませんでした。

    「荒木神の適当なフィーリングだろう」と思っていた単語や数字に意味を見出そうとするその心意気は良いと思います。解釈はたとえこじつけだったとしても面白かったので、より残念です。
    あと、開いた時に驚いたのですがあまりにも行に対する文字数が少なく、また行変えが頻繁で正直びっくりしました。その癖同じ言葉が何度も出てくるので実際内容としての文字数相当少ないんじゃあないか?ぶっちゃけあのページ設定でこの値段おかしくないか?絶対パープルヘイズの方が実際の内容量多かったぞ?っていう。別に今までに読んだ本の文字数なんて覚えちゃいませんが。時間が無かったのでしょうか。最近西尾氏は仕事をし過ぎではないか。余計な心配をしたくなります。


    総評として言わせていただければ、
    ・既存のDIO様像を求める方にはお勧めできない
    ・別の方向から物語を見たいならおすすめ(しかしその割に世界観が薄っぺらい)
    ・ジョジョではなく西尾維新氏のファンとして残念

    と言ったところでしょうか。次回は舞城王太郎さんですが、この方は完膚なきまでに既存の枠を壊して彼の世界を作り上げてくれるのではと期待しています。多分、舞城王太郎がジョジョの世界を書いたらそれ多分もうジョジョじゃない。JDCトリビュートで学びました。舞城王太郎は舞城王太郎にしかなれません。それでいうならば、私は今回これを書くにあたって最初に「西尾維新は西尾維新にしかなれなかった」と書きましたが、西尾維新にすらなりそこなった感を受けます。彼がジョジョのファンであることは知っていますし、あとがきを見る限りでも相当苦悩していたようだったので、それだけ思い入れ深い作品を書くにあたって、いつもの調子が出せなかったのかもなあ、なんて邪推しました。お母さんの前で照れる子供みたいにね。

  • ジョジョ3部までの出来事がディオの目線で書かれています。1度ストーリーを知っている私でも、当時、ディオがどんなことを考えていたのかどうかなどが分かる小説で面白かったです。

  • ディオ視点での1部3部の物語
    ジョジョの奇妙な冒険であると同時にディオの物語でもあるんだね〜

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著者プロフィール

1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞してデビュー。デビュー作を含む「戯言シリーズ」は若い読者に大人気となる。2006年刊行の『化物語』は〈物語〉シリーズとしてシリーズ化され、アニメ化・ゲーム化され様々なメディアミックスが行われている。矢継ぎ早に刊行するすべての本が常にベストセラーとなり、当代随一の「物語師」として活躍中!

「2014年 『「偽物語」PremiumアイテムBOX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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