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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784087806632
作品紹介・あらすじ
世界の秘密は、すべて解けてしまった。
近年の“知のパラダイムシフト"によって、私たちの感情も、政治も経済も、戦争や虐殺ですら、その理由はすべて解明された? 進化論をベースにした「地雷を踏む」ような社会批評集。
感想・レビュー・書評
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喪黒福造のカバーイラストがよく似合う。
橘玲は、まさにこのキャラクターみたいだ。人間の欲望や本質を抉り出す文献を発掘しては紹介し続ける彼の著書は、ブクログの裏アカみたい。笑うせえるすまんならぬ、笑う書評家という所か。
という事で、橘玲お得意の行動経済学、社会心理学系のオムニバス。なので、原典を読んだ人には既視感たっぷりだが、過去作ベスト盤みたいな感覚で読むのが良いだろうか。少なくとも私はそんな風に楽しんだ。
不愉快なのは、奴隷度合いが高いから。
強制されたり、蔑まれたり、仲間外れにされたり、無視されたり。権威かスコアを持たなければ、不愉快な沼からは抜け出せない。
ー 世の中を幸福にする「不都合な真実」。世の中には、「不都合な真実」がたくさんあります。「専門家のあいだではほぼ合意が成立しているものの、公にするのがはばかられる主張」のことです。
たとえばBSE(牛海綿状脳症)感染牛の全頭検査は、疫学的にはなんの意味もなく欧米諸国では行なわれていませんが、日本の政府・自治体は「食の絶対安全」を守るとして、10年以上にわたり200億円以上の税金を投入して実施しつづけています。ほぼすべての専門家が「やってもムダ」と指摘している検査をやめられない…
さあ、読めば不快になる橘節のスタート。
ー この「水際作戦」が孤独死の悲劇を招いたのだと、マスコミは批判しました。生活保護が必要なひとに届かないことを、「漏給」といいます。生活保護制度には、「不正受給」と「漏給」の2つの欠陥があるのです。生活保護の受給者を指導するのは、福祉事務所のケースワーカーです。彼らは一人あたり平均して80世帯を担当しており、申請者の資産調査や受給者の就労支援を行なっています。
みんな不愉快、ナマポの話。でも、助けてあげずに、無敵モードになられても困るので。
ー 人間の集団でも、うつ傾向の強いひとがリーダーに向かないのは明らかです。逆に、ひとの上に立つような意欲的な人物は、脳内のセロトニンレベルが高い軽躁状態にあるのかもしれません。
ひと(とりわけ男性)は、地位が上がるとセロトニンが分泌されて、ますますテンションが上がります。地位を失うとセロトニンもなくなって、うつ病になってしまいます。失脚した政治家が自殺したり、すぐに病死したりするのを見ると、地位とセロトニンの仮説はけっこう説得力があります。
ハイテンションが序列を制す。無能なお喋りからは人が離れていくから、人がついてくるハイテンションはリーダー向き。これは真理。こんな話がたっぷり。ようこそ、不愉快な世界へ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2012年に書かれた本。当時読んでいたらもっと別の生き方が選択できたかもしれない。
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双子の研究で音楽や数学やスポーツでは「遺伝的要素」が否定できないそうです。
僕は能力の遺伝には否定的なんですが「遺伝的優位」が少しでもあると「環境的要因」で雪だるま式に拡大していくんですよね。
子供は環境の中で自分に比較優位があると極めようとするので1位が総取りする現象が集団の中で発生するんやと思います。
そういうところが能力の遺伝と勘違いされるんではないかと思います。
今時の進学校では賢いほど運動もできるという総取り現象が起こってます。
「スモールワールド」
人間社会は複雑系なので様々な要素がそれぞれにフィードバックし合って初期値の小さな違いが大きな差となって現れます。
自然に任せれば富は一極集中するようです。
濫立の中から一部のIT企業だけが生き残ってきたことからもわかります。
結局は
保育所
小学校
中学校
高校
大学
社会
とより大きな集団に入るときにいかに最初に有利なポジションを取れるかが勝負になります。
となると明らかに貧困家庭より一般家庭の方が有利となります。
富裕家庭が必ずしも一般家庭より有利とは思わないですが余剰資金を教育に投資できる余裕を持てるかが分かれ目になると思います。
そうすると教育無償化は一定の効果を持つのでしょうね。
ただ結果を出した一部のエリートだけが奨学金を得れるとしたら機会の平等は得られないと思います。
となると個人的には義務教育に潤沢に金をかけて高校以上は能力で選抜する制度にする方が良いのかなと思います。
まあどんな制度でも歪みはあります。
その歪みをいかにうまく捉えるか。
また自分の長所をいかにアジャストしていくか。
今からでもできることはたくさんあります。 -
2013年2月時点で、今年一番の本!
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私の好きな作家の一人の橘玲さんの最新本ということで思わず購入した。
少し間を空けていたのだが、読み出すといつもの論調で面白く書かれているので1日で読んでしまった。
進化論をベースに議論すると面白いことがいっぱいあるなと思いました。
相変わらずするどいです。
表紙のカバーの喪黒さんも、ぴったりです。
お勧めです。 -
自分が何かしらにヒントやアドバイスが欲しい!
とかっていう状況にあったら
興味がわく項目が色々ヒットする
私の場合、教育に関係する内容は本当に面白く読めた -
普段考えない面白い考察が多い。考えるヒントになる。
公立中学でいじめ自殺が多い理由や、富が一部に集中する理由など「なるほど」と思える話が数ページごとに書かれていてサクサク読めた。 -
いつもの如くだが、この著者は比較的最新の図書の記載をうまく紹介してくれるので、助かる。雑誌連載をまとめた本なので、内容は必ずしも一貫して同じテーマを深堀りしているわけではない。
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政治や時事問題などを広範な視点から理論的に説明する
進化心理学に基づけば、人間の思考方法はその人間の文化的背景での種の保存に適した考え方に偏るはずである。
日本人が決断出来ないのは、長く続く定常的なムラ社会を前提とした文化なので、誰かの不利益を確定させるこことによる以後の軋轢を避けるための必然である。ユーロ圏がギリシャに対して優柔不断なのも同じ理由。 -
進化論ベースでテーマ毎に短いエッセイが綴られている。はっと気づかされることが多く、面白い。
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身もふたもない話,救いのない話のオンパレード。正しくはないが仕方ない,真実なのに公にするのははばかられる…。そんな話ばっかりなんだけどんるほどと思わされるし面白い。すべてのことに理由がある,極端な主張ではあるんだけ説得力あるんだよなあ…
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他人の不幸は自分の快感。他人の幸せは自分にとって不愉快。ヒトはそのように進化してきた。そんな社会で生きているのだから当然のこと。
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日本の問題を進化論の視点から考えてみたという1冊。
プロローグはなんだか難しそうな感じでしたが、政治、経済、社会、人生といった具体的な問題点についての著者の考えは本当に明快で、共感するしないにかかわらず、「そういう考え方もあったのか」と思えるところがいいです。
いじめ、生活保護、原発など簡単に解決できない問題も多いわけですが、考えることをやめてはいけないと思いました。 -
嫌(不快)なことが起こった際に、これは進化論的に正しいから。。。と考えれば良いな。って感じの一種の処方箋になった。
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素人意見も含めた集合知はそれなりに正しい。
その集合知の前提にあるのは素人意見も含めた多様性である。
本書は著者の素人意見である
――専門家から見たら,間違ったことも言っているかもしれない。
多様性を促すつもりで,一般的に考えられていることと,ちょっと違った視点
――具体的には,進化論的な考え方を基本とした視点――を提示したい。
その前提に同意できない場合は,本書を本棚に戻して欲しい。
と,前置きをしている。
著者の言うことにも一理あるけど,
批判されることの予防線を張るだけではなく,
全責任を読者に押し付けており,オトナの小狡さを感じる
――よく使われる責任回避のレトリックである。
大体,こういう前置きをしている本に,
人を突き動かすようはものは少ない――
少しくらいはあるかもしれないけど。
さて,肝心の内容である。
橘 玲さん,もう「ネタ切れ」なんです。
だから,実はもう書くことがないんです。
だから,「橘 玲の視点」だと世の中がどのように見えるか書くことにしました。
つまり,「ネタ切れ」ゆえに「視点を売ること」にしました――ということです。
別に,橘さんだけがこのようなことをしているのではないので,
そんなに批判されることではないかもしれないけど。
だから,橘 玲さんのモノの見方をマスターしている人は,
別段,本書を読む必要はないと思います。
そうでない方は,それなりに得るものがあるかもしれない
――私は特に得るのもはなかった。
私も初め,本書を借りるつもりはなかったのだけれども,
借りたい本が1冊しかなかったので
――他の借りたい本は貸し出し中であった――,
手持ちぶたさで,新刊コーナーにあった本書に
ついつい手を伸ばしてしまったのです。 -
前著の繰り返しが多いかな?
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ブログで読んだ内容だった。
雑誌の連載をベースにしてるために全体的にはあまり統一感がないが、一つ一つの話は面白い。 -
世の中のあらゆることがらは進化論を使って説明できる、という主旨のコラム集。
うーん、いい本やとは思うけどちょっと話がまとまらないし、ひとつひとつのトピックがあまり深められていないので、その辺が個人的にちょっと物足りなかったように思います。
書き方が下手なのかな、あまり心に響いてこなかったのが残念。 -
現代の政治、経済、いじめ、男女などの問題をなるべく、客観的、学問的に考察してある。ああなるほどそういう見かた、考え方もあるなと思わせるが、一文一文短いので軽すぎる感がある。
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